2スト車を取り巻く環境は安定だがパーツには留意を
新旧やメーカー、2スト4スト問わず扱う中で、2ストローク車の扱いでは注目されるショップがクオリティーワークス。同店が製作する各車両は純正流用や、海外/国内の各種パーツを駆使してしっかりと仕上げられるが、このヤマハRZ250もそんな1台だ。
「元々はカスタム済み車両の調子を見てほしいと持ち込まれたものですが、足まわりやエンジン、電装含めて見直しと、各部オーバーホールを行ってます」(クオリティーワークス/山下さん)
「この車両では3XV(V型エンジン搭載TZR250R)の倒立フォークが付いてました。多くの場合、お客さんはこうしたパーツが当然付くものだと思ってパーツを選択するんですが、実際は単純に付かないものも多いんです。
倒立フォークの場合ですと、上に来るアウターチューブが太いですから、ハンドル切れ角が制限されることが多い。それをどうやって解決するかなどですね。ヘタにそのまま付けると、減衰や剛性はいいのに、ハンドルが切れなくて扱いにくいとか。そんな風に機能が引き出せずにノーマル以下になることもありますから。その辺をこれまで多く扱ってきたノウハウで流用や装着します。タイヤ銘柄や車体姿勢の組み合わせなども合わせて作り込むんです」
2ストローク車で車体をアップグレードする際にはこのような点が重要とも山下さん。ところでエンジンや吸排気系など、今の2ストを取り巻く環境はどうなのだろう。
「5~10年前と今とを比べると、ベース車両の価格は上がりました。ただ、いろんなショップさんから補修用やカスタム用パーツが出てきたおかげでオーバーホールやレストア、カスタムという視点では今の方が充実していると思います。
でもチャンバーなどは留意したい。新作も出てきてはいますが、その一方で、かつて普通にあったようなものがなくなっている。そんな形で、全体的には選べる数は変わらない感じです。そういうパーツも多いですから、必要なものがある方は早めに手に入れるなどするといいでしょう」
車体やエンジンの構築にはパーツは欠かせない。その動向を見据えつつ、同店のように事情に詳しいショップに相談すべき。このRZ250はそんな事情を踏まえて再構築された好例と言っていいだろう。
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