ホンダ「レブル1100」太田安治のココがポイント!
レブルらしい素直なハンドリングが武器!
エンジンはアフリカツイン譲りのユニカム2気筒だが、最大トルクの発生回転数はアフリカツインの6000回転に対して4750回転に下げられており、発進加速時の力強さ、低回転域での粘り強さが強化されている。270度クランクが生む独特の鼓動感と併せ、大排気量ツインのテイストを濃厚に楽しませてくれるだろう。
車体構成はいわゆるクルーザーのものとは大きく異なる。キャスター角、トレール量などのディメンションやエンジン搭載位置、223kgという車重から見ても、このレブル1100はレブル250/500と同じように、素直で意のままに走れるハンドリングを重視していることが見て取れる。
日本で大ヒット中のレブル250、ヨーロッパに支持者が多いレブル500に加え、この1100が登場したことでレブルブランドは確立したと言っていい。アフリカツインよりも50万円以上も安い価格設定にも注目だ。
ホンダ「レブル1100」スタイリング&各部装備
レブル250をそのまま拡大したようなスタイリング
250と500で共通のレブルスタイルは、1100になっても健在。写真だけでは250とぱっと見て区別がつかないほど似ているが、よく観察してみると、フレーム形式は同じでもその造りは微妙に異なっていて、特徴的な鋼管スイングアームも極太サイズになっている。
ヘッドライトは2020年型のレブル250と同様の4灯LEDを採用し、ウインカーやテールランプも共通としている。一方でメーター径は120mmと大型化されており、ライディングモードの表示や新たにタコメーターも追加された。燃料タンクはレブル250と同形状ながらフランジレス製法を採用し底部の合わせ面を撤去。より丸みを帯びた形状となり、シンプルで飽きのこないデザインとともにこだわり派ライダーに歓迎されるだろう。
実用面では、シート下に3LのスペースとUSBタイプCの充電ソケットを用意。ETC車載器も標準装備され、使い勝手も良好だ。
ホンダ「レブル1100」メカニズム&走行性能
バンク角35度を確保、電子制御が走りを支援
レブル1100のエンジンは1082ccの並列2気筒。270度位相クランクにより90度V型2気筒と同じ爆発間隔を実現。ベースとなったアフリカツインから最大トルク発生回転数が1500回転ほど低くなっており、よりトルクフルな走りが期待できそうだ。
また、クラッチ操作が不要となるDCTはライディングモードに連動したシフトスケジュールが設定されており、スポーツモードを選べば、快適かつエキサイティングなオートマ走行が楽しめるはず。
車体面では、クルーザーとしては深めの、バンク角35度を実現。カートリッジ式のフロントフォークと分離加圧式のリアサスペンションを装備しており、優れた路面追従性を発揮する。ブレーキはコントロール性の高いモノブロックラジアルマウントキャリパーをフロントに採用しており、スポーツモデルにも引けを取らない構成。ワインディング走行も退屈することはないだろう。
ホンダ「レブル1100」純正アクセサリーパーツ
すでに純正アクセサリーパーツは豊富に用意されている。レブル250/500でカスタムを楽しんでいるライダーも多い。レブル1100も同じようにさまざまなスタイリングに変えられるのが魅力のひとつだ。
ホンダ「レブル1100」主なスペック&価格
※《 》内はDCT仕様車
全長×全幅×全高 | 2240×850《830》×1115mm |
ホイールベース | 1520mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 700mm |
車両重量 | 223《233》kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒270°クランク |
総排気量 | 1082cc |
ボア×ストローク | 92×81.4mm |
圧縮比 | 10.1 |
最高出力 | 64kW(87PS)/7000rpm |
最大トルク | 98N・m(10.0kgf・m)/4750rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 6速リターン《6速DCT》 |
キャスター角 | 28゜ |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 130/70 18M/C・180/65 16M/C |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
文:太田安治、オートバイ編集部