ホンダ「レブル1100」太田安治のココがポイント!

Honda Rebel 1100
総排気量:1082cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:700mm
車両重量:223kg(DCTは233kg)
発売予定日:2021年3月11日(MTは5月13日)
メーカー希望小売価格:税込110万円(DCTは121万円)
※写真はRebel 1100 Dual Clutch Transmission
レブルらしい素直なハンドリングが武器!
エンジンはアフリカツイン譲りのユニカム2気筒だが、最大トルクの発生回転数はアフリカツインの6000回転に対して4750回転に下げられており、発進加速時の力強さ、低回転域での粘り強さが強化されている。270度クランクが生む独特の鼓動感と併せ、大排気量ツインのテイストを濃厚に楽しませてくれるだろう。
車体構成はいわゆるクルーザーのものとは大きく異なる。キャスター角、トレール量などのディメンションやエンジン搭載位置、223kgという車重から見ても、このレブル1100はレブル250/500と同じように、素直で意のままに走れるハンドリングを重視していることが見て取れる。
日本で大ヒット中のレブル250、ヨーロッパに支持者が多いレブル500に加え、この1100が登場したことでレブルブランドは確立したと言っていい。アフリカツインよりも50万円以上も安い価格設定にも注目だ。
欧州のホンダが公開した走行映像(1分47秒)
www.youtube.comホンダ「レブル1100」スタイリング&各部装備

レブル250をそのまま拡大したようなスタイリング
250と500で共通のレブルスタイルは、1100になっても健在。写真だけでは250とぱっと見て区別がつかないほど似ているが、よく観察してみると、フレーム形式は同じでもその造りは微妙に異なっていて、特徴的な鋼管スイングアームも極太サイズになっている。
ヘッドライトは2020年型のレブル250と同様の4灯LEDを採用し、ウインカーやテールランプも共通としている。一方でメーター径は120mmと大型化されており、ライディングモードの表示や新たにタコメーターも追加された。燃料タンクはレブル250と同形状ながらフランジレス製法を採用し底部の合わせ面を撤去。より丸みを帯びた形状となり、シンプルで飽きのこないデザインとともにこだわり派ライダーに歓迎されるだろう。
実用面では、シート下に3LのスペースとUSBタイプCの充電ソケットを用意。ETC車載器も標準装備され、使い勝手も良好だ。

レブル250/500は2020年型でフルLED化され4灯のヘッドライトを装備。レブル1100も採用するが、両サイドに弧を描くようなポジション灯は1100独自のもの。

弟分のレブル250/500と同様、テールランプも含め灯火類はLEDで統一。小径ラウンドシェイプのウインカーもLEDを採用する。

メーターは黒バックの液晶タイプ。ライディングモードの表示やタコメーターを新設。DCTタイプはさらに表示が追加されるはずだ。

レブル250/500よりも2L増量された13Lの燃料タンクはフランジレス製法で高級感も演出。WMTCモードの燃費で約240㎞の航続距離となる。

レブル250と同様サドルタイプのシートを採用。加速時にはライダーをホールドし、ツーリングでも快適なクッション性を持たせている。

シリーズの特徴であるくびれを持たせたナロースタイルのフレームを踏襲し、シート高はレブル250からわずか+10㎜となる700㎜に抑えられている。グリップヒーターも標準装備。
ホンダ「レブル1100」メカニズム&走行性能

バンク角35度を確保、電子制御が走りを支援
レブル1100のエンジンは1082ccの並列2気筒。270度位相クランクにより90度V型2気筒と同じ爆発間隔を実現。ベースとなったアフリカツインから最大トルク発生回転数が1500回転ほど低くなっており、よりトルクフルな走りが期待できそうだ。
また、クラッチ操作が不要となるDCTはライディングモードに連動したシフトスケジュールが設定されており、スポーツモードを選べば、快適かつエキサイティングなオートマ走行が楽しめるはず。
車体面では、クルーザーとしては深めの、バンク角35度を実現。カートリッジ式のフロントフォークと分離加圧式のリアサスペンションを装備しており、優れた路面追従性を発揮する。ブレーキはコントロール性の高いモノブロックラジアルマウントキャリパーをフロントに採用しており、スポーツモデルにも引けを取らない構成。ワインディング走行も退屈することはないだろう。

アフリカツインのエンジンを低中速寄りにリファイン。最高出力は15PSダウンするも、より低回転でトルクが発生するようになっている。
クラッチレバー操作が不要となり変速ショックも抑えられるDCT仕様も用意。オートシフト時には変速タイミングがライディングモードと連動する。

インナーパイプにはダークネイビーのチタンコートが施される。ボトムケースは2ピース構造とし、キャリパーはラジアルマウント。
ブレーキはABSを標準装備。シングルディスクながらモノブロックキャリパーで高い制動力と優れたブレーキタッチを実現する。

キーシリンダーは左足部分に設置され、クルーザーならではのエンジン始動所作ができるよう配慮されている。ファッション性も高い。

レブル250と同じ鋼管スイングアームを採用するが、径は50.8㎜の極太サイズで180サイズのリアタイヤと相まって迫力を生み出す。

サイレンサーの容量を稼ぐために1100では楕円に。排気口は縦に2つセットされ、ビッグレブルをアピールする。

リア2本サスがクルーザーのスタイルを演出。分離加圧式のリアサスペンションはピギーバックタイプで安定した減衰力を発生する。
ホンダ「レブル1100」純正アクセサリーパーツ

すでに純正アクセサリーパーツは豊富に用意されている。レブル250/500でカスタムを楽しんでいるライダーも多い。レブル1100も同じようにさまざまなスタイリングに変えられるのが魅力のひとつだ。

スクリーンカウル 税込24200円
通称「ヤッコカウル」をオプション設定。スポーティなレブルが快適ツアラーに変身。

ヘッドライトカウル 税込11000円
ストリートカスタムにはビキニカウルがマッチ。「レブル250 Sエディション」のイメージだ。
ショートフロントフェンダー 税込18700円
アクティブな印象に変わるショートフロントフェンダー。rebelのロゴも入る。

サドルバッグ(左側:税込19800円/右側:税込17600円)
サドルバッグを左右に設定。ソフトタイプだがショートツーリングや街乗りに重宝する。

スペシャルメインシート (ブラック) 税込14300円
ダイアモンドステッチ風の表皮がカスタム感満点のシートも用意。ブラウン表皮もある。
リアキャリア 税込33000円
泊まりがけツーリングなどで役立つリアキャリア。ノーマル状態のレブル1100は250/500と同様に積載性が低いので、キャンプを楽しむ人にもおすすめ。
ホンダ「レブル1100」主なスペック&価格
※《 》内はDCT仕様車
全長×全幅×全高 | 2240×850《830》×1115mm |
ホイールベース | 1520mm |
最低地上高 | 120mm |
シート高 | 700mm |
車両重量 | 223《233》kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒270°クランク |
総排気量 | 1082cc |
ボア×ストローク | 92×81.4mm |
圧縮比 | 10.1 |
最高出力 | 64kW(87PS)/7000rpm |
最大トルク | 98N・m(10.0kgf・m)/4750rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 6速リターン《6速DCT》 |
キャスター角 | 28゜ |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 130/70 18M/C・180/65 16M/C |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
文:太田安治、オートバイ編集部