ヤマハ「FJR1300A」「FJR1300AS」ツーリング性能解説
ヨーロッパ生まれのプレミアムツアラー
デビュー20周年を迎えた、ヤマハの最上級ツーリングモデル。専用設計の車体、6速ミッションの水冷4気筒エンジンを採用し、2種類のパワーモード、トラクションコントロールやクルーズコントロール、電動スクリーン、電子制御スロットルを採用した、1日1000kmレベルのツーリングに特化したモデルだ。
ヨーロッパではプレミアムモデルとして確固たる位置を築いてはいるものの、日本国内での人気はあまり高くなく、見かけることも少ない。不人気というか、あまり知られることのない存在なのだ。
国内で正規販売がスタートしたのは2014年、4代目と言える現行モデルでは全灯がLED化され、待望の6速ミッションを搭載。上級バージョンのFJR1300ASには、クラッチレバー操作なしでギアチェンジできるYCC-Sや、電子制御サスペンションを採用し、ロングツーリングモデルとしてさらにスキのないパッケージとなっている。
乗り味は独特で、静かでトルクフルな、クルマで言うとまるで超高級GTのようなイメージ。特に冬季には、グリップヒーターと、ミドルカウルに装備された可変フラップによる防風性が高く、ヘビーユーザーの評価が高い。燃料タンク容量は25Lを確保し、レギュラーガソリン指定なのも嬉しい。
ボリュームのある車体だが、車両重量は300kgを下回っていて、ハンドリングは、さらにその数字を感じさせないほど軽快。スポーツツアラーという意味では、ヤマハでそのカテゴリーがもっともふさわしい一台かもしれない。
ヤマハ「FJR1300A」「FJR1300AS」主なスペック
※《 》内は上級機種「AS」
全長×全幅×全高 | 2230×750×1325mm |
ホイールベース | 1545mm |
最低地上高 | 130《125》mm |
シート高 | 805⇔825mm |
車両重量 | 289《296》kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1297cc |
ボア×ストローク | 79.0×66.2mm |
圧縮比 | 10.8 |
最高出力 | 108kW(147PS)/8000rpm |
最大トルク | 138N・m(14.1kgf・m)/7000rpm |
燃料タンク容量 | 25L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 26゜ |
トレール量 | 109mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17M/C (58W)・180/55ZR17M/C (73W) |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 154万円《187万円》(消費税10%込) |
文:オートバイ編集部/写真:富樫秀明