2021年3月18日に発売されたホンダ新型「CB1300 SUPER FOUR」。ここでは、東京都心の一般道を走って感じた印象をお伝えしたい。
文:竹山ケンタ/写真:西野鉄兵、ホンダ
画像: Honda CB1300 SUPER FOUR 2021年モデル 総排気量:1284cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:780mm 車両重量:266kg  発売日:2021年3月18日 メーカー希望小売価格:税込156万2000円

Honda CB1300 SUPER FOUR
2021年モデル

総排気量:1284cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:780mm
車両重量:266kg

発売日:2021年3月18日
メーカー希望小売価格:税込156万2000円

ホンダ「CB1300SF」街乗りファーストインプレッション

見た目も、跨った雰囲気も、教習所に通っていた頃からよく知るCBそのもの。基本に忠実に、上半身はリラックスした姿勢で、足つき性はかかとベッタリの満点青空レストラン。

画像: シート高は780mm/筆者の身長は177cm

シート高は780mm/筆者の身長は177cm

前後ともに減衰力がしっかりしていて、動きに落ち着きがある安定性の高いサス・セッティングはCB伝統の味付けだ。

エンジンは、アシストスリッパークラッチにより、発進時や減速シフト操作時の質を確実に高められていて、扱いやすさが格段に増している。

強烈なパンチのあるスーパースポーツ系とは違い、低速の図太いトルクでグイグイと前に進んでいく様は、まさにビッグバイクそのものだ。

画像: CB1300シリーズのアシストスリッパークラッチは、2017年モデルから採用された。クラッチレバーは軽くて、長時間の走行や渋滞時にはとくにありがたく感じるはず。

CB1300シリーズのアシストスリッパークラッチは、2017年モデルから採用された。クラッチレバーは軽くて、長時間の走行や渋滞時にはとくにありがたく感じるはず。


スロットルバイワイヤはライダーに違和感ナシ

これまでのケーブルタイプというのは、「スロットル操作にワイヤーが引っ張られて、スロットルバルブが開く」という流れだったが、ケーブルの種類や塗布されているグリスによってもフィーリングが異なり、エンジンやバイクのキャラクターの味付けにおいて、ひとつの立役者であった。

例えば、グリスの硬さで少しケーブルの抵抗を重くしてやるだけで、ほんの少しトルク感の演出ができるし、反対に軽くすると軽快なキャラクターにもなる。

画像1: スロットルバイワイヤはライダーに違和感ナシ

スロットルバイワイヤの最大の特徴は、「ケーブルがない」こと。

前述のとおり、ライダーはケーブルの引きの抵抗によって操作感を得ていた。単純にグリップ部にセンサーをつけただけではどうしてもスイッチのようになり、戻りのバネ感が強く、バイクの乗り味が損なわれることがある。

CB1300SFは、この2021年モデルで初めて採用された。その仕上がりが気になるところだったが、ライダーの操作にとても素直で、エンジンもかなりきめ細かく制御されているのが感じ取れる。

画像2: スロットルバイワイヤはライダーに違和感ナシ

モード切り替えや、マップの切り替わるタイミングを狙った急な操作にも追従性が良く、スロットル開度0.1°刻みの操作を意地悪的に繰り返してみたが、不具合はまったく起きなかった。

急なスロットル操作にもしっかり反応するのに、走行中のドンつき感もないし、FI制御の仕上がりは文句のつけようがないくらいにハイレベルだ。


画像3: スロットルバイワイヤはライダーに違和感ナシ

3つのライディングモードの違い

スロットルバイワイヤとともに、ライディングモードも2021年モデルで新採用された。SPORT、STANDARD、RAINの3モードを搭載。出力とトラクションコントロール制御が併せて変化し、それぞれのモードの違いをハッキリと感じられた。

【RAIN】
出力の出方がかなり穏やかに抑えられていて、少し混雑した街乗りでは一番扱いやすい。それに加えてトラコンの介入タイミングも早く、信号待ち発進直後のマンホール等でもインジケータの光に気がつくまで、作動がわかないくらい自然に制御されている。

【STANDARD】
RAINよりも全域で出力感が増し、トラコンはリアタイヤの滑りをやや感じるくらいで介入する。
しきい値が上がったため、制御の細かさも若干荒い方向へいくが挙動は乱れない。
※しきい値:ここではタイヤのスリップを検出して制御する境界値

【SPORT】
スロットル操作に対するエンジンの反応が鋭くなり、スパルタンな雰囲気。トラコンの介入タイミングも先の2モードより遅く、タイヤのグリップを最大限に生かす走りが可能だ。完全に滑った後にトラコンが作動して、車体に少し挙動は出るが安定性は余裕がある。


ABSも緻密に作り込まれている

ブレーキタッチも効力の立ち上がりも、一昔前のABS車に有りがちな操作に対するラグがなく、ごく自然なフィーリング。ABSの制御は安定志向でかなり細かめに作り込まれていて、制動中に路面が変わる場面でも問題なくスムーズで安心感が高い。

画像: 油圧式ダブルディスクのサイズはΦ310mm。内側にある黒いリングはABSの車輪速センサーリング。フォークとキャリパーの間にあるのが、車輪速センサーだ。

油圧式ダブルディスクのサイズはΦ310mm。内側にある黒いリングはABSの車輪速センサーリング。フォークとキャリパーの間にあるのが、車輪速センサーだ。

2021年モデルでは、クルーズコントロールも新たに標準装備されたが、残念ながら都内の一般道では試すことができなかった。高速道路を長時間走るツーリングでは、おおいに役に立つはず。

熟成されたエンジンと車体に、最新の電子制御を装備したCB1300SFは、さらに上の領域にまで完成度を高めたといえるだろう。

文:竹山ケンタ/写真:西野鉄兵、ホンダ

画像: 1284cc直4エンジンの熟成度は高い。2021年モデルは、赤フレーム+ゴールドのポイントカバーが採用され、よりいっそうの存在感を放つ。排気音も力強く、ビッグバイクならではの魅力が詰まっている。

1284cc直4エンジンの熟成度は高い。2021年モデルは、赤フレーム+ゴールドのポイントカバーが採用され、よりいっそうの存在感を放つ。排気音も力強く、ビッグバイクならではの魅力が詰まっている。

ホンダ「CB1300SF」主なスペック・価格

※《 》内はCB1300 SUPER FOUR SP

全長×全幅×全高2200×795×1125《1135》mm
ホイールベース1520mm
最低地上高130《140》mm
シート高780《790》mm
車両重量266kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量1284cc
ボア×ストローク78.0×67.2mm
圧縮比9.6
最高出力83kW(113PS)/7750rpm
最大トルク112N・m(11.4kgf・m)/6250rpm
燃料タンク容量21L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量99mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格税込156万2000円《193万6000円》

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