ヤマハ「XJR1200」の歴史
XJR1200(1995年3月)
フロントにブレンボ製対向4ピストンキャリパーを採用し、チョークレバーはキャブレター横から左ハンドルグリップ部に移設され、始動時の利便性を向上。シートクッション素材にワイラックスを採用し、快適な乗り心地を維持しつつシート高を従来型より10mm下げている。
XJR1200(1996年3月)
XJR1200の最終型。オイルクーラーの左右幅を50mm延長し、エンジンの冷却フィン長も延ばして信頼性を向上。前後サスペンションにはダンパー調整機能が追加され、セッティング幅が広がった。風防効果に優れるハーフカウルや専用3連メーター、バキューム成形シート表皮を装備したXJR1200R もラインアップ。
ヤマハ「XJR1200」解説
スタイリッシュなフォルムと取り回しの良さで人気を獲得
1989年のゼファーのデビューに端を発するネイキッドブーム。その流れはリッタークラスにも波及し、1992年3月にカワサキがゼファー1100を、同年11月にはホンダがCB1000スーパーフォアを投入する。
ヤマハはハイウェイツアラーとして長い歴史を持つFJ1200系の空冷4気筒ユニットを搭載した、XJR1200を1994年3月にリリース。クラス最大排気量となる1.2リッターの存在感を重視しつつ、扱いやすさや操る楽しさもプラス。
実際の寸法や車重はゼファー1100やCB1000スーパーフォアと大きくは変わらないのだがシートに跨るとその大きさを感じさせず、エンジンパワーと車体剛性のバランス、過敏すぎないレスポンス、しなやかな前後サスがライダーの緊張感を和らげることに大きく貢献していた。
軽快なイメージを放つ流麗なスタイリング、質感の高い仕上げ、リアのオーリンズサスペンションをはじめとするハイグレードな装備と相まって、XJR1200はデビューと同時に高い人気を得ることに成功。月刊『オートバイ』の人気投票でも、デビュー年の1994年と翌1995年に第1位となり、ビッグネイキッドとして不動の地位を築いた。