スズキ「バンディット1250」「バンディット1250S」の概要

SUZUKI BANDIT1250S
エンジン形式:水冷4ストローク・DOHC4バルブ並列4気筒
内径×行程(総排気量):79.0×64.0㎜(1062cc)
最高出力:100PS/7500rpm
最大トルク:10.9kg-m/3500rpm
ミッション:6速リターン
ブレーキ前・後:ダブルディスク・ディスク
全長×全幅×全高:2130×790×1235mm
タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
燃料タンク容量:19L
ホイールベース:1485mm
乾燥重量:229kg
当時の発売価格:102万9000円
※諸元はS・2007年モデル
世界戦略車として、速さと扱いやすさを両立
2006年9月に油冷エンジンのファイナルモデルが発売された翌年、専用の水冷ユニットを搭載したバンディット1250が登場。
SDTV付きのインジェクションを採用した新設計の1254ccエンジンは最大トルクを3500回転で発生するトルク型のユニットで、低中回転域からの力強さが身上。これを搭載するフレームも、基本的な骨格は油冷ファイナルのものをベースに剛性アップが図られ、スポーティな走りにも対応。ハーフカウル付きのSとネイキッドのスタンダードの2種類ともABSが標準装備された。
水冷エンジンの分厚いトルクによる扱いやすさはバンディット1250のセールスポイントで、トップギア近くでも2500〜3000回転ほど回していれば、スロットルひと捻りでシフトダウンしたかのようなダッシュを見せる。そのレスポンスの滑らかさはリッターオーバー・ネイキッドの中では最高レベルにあった。
ハーフカウル付きのSは50km/h以上で効果が確認でき、フロントフォーク側にライト類などの重量物が付かない分、低速域から高速域、、荒れた路面での安定性に優れる。人気もSが中心となり、2010年4月にはフルカウルを装備したFも追加された。

SUZUKI BANDIT1250
スズキ「バンディット1250」「バンディット1250S」のスタイリング
バンディット1200S
バンディット1250Sの外観上の主役となるビキニカウルは、高速巡航で高い防風性を誇る。このカウルに加え、ハンドルとシート、ステップの位置関係が絶妙で、ハイペースのロングランでも疲れにくい美点を持っている。



Sに標準装備されるハーフカウルは、V字型のヘッドライトが印象的な大きめのもの。当然ながらウインドプロテクション効果も高く、長距離ツーリングも快適にこなす。
バンディット1200

ステアリングヘッドからシート下にかけてメインパイプを一直線に引いた特徴的なフレームは1250となっても健在。ダウンチューブの大径化などが図られ、バンディット本来のスポーティな走りにも対応している。



スタンダードにも、ボディ同色のメーターバイザーやフレームカバーを採用。高い質感をアピールしている。

2010年8月に1250はフェイスリフトを受け、異形ヘッドライトやフレームネックカバー、クリアレンズウインカーなどを採用。
スズキ「バンディット1250」「バンディット1250S」の各部解説
オーバーリッターネイキッド用に専用開発された二次元バランサー付きの水冷エンジンは、最大トルクをわずか3500回転で発生させる。また電子制御式燃料噴射システムとの組み合わせで、リニアなレスポンスを実現していた。
初代GSF1200から常にリンク式モノショックユニットを採用し、高い路面追従性とスポーティな走りを誇る。
43Φの正立フォーク、トキコ製の4ポットキャリパー、310 Φダブルディスクといった足回り系は油冷モデルからそのまま継承。
アナログ調ケースの大液晶モニターでは、イグニッションONで「GSF」の文字が浮かぶ演出がされている。
特徴的なメーターユニットは、左側にアナログ式回転計、右側の液晶パネルには、デジタル式速度計、燃料計、時計が常時表示され。切換式でオドとツイントリップを表示する。
シートは前後分割の2ピース構造。中のラバーの向きを変えることで770/790mmの2段階にシート高を調整することが可能。
この記事は、月刊『オートバイ』2020年12月号別冊付録「RIDE」の特集を一部加筆修正したものです。