ヤマハ「ジョグ」各部装備・ディテール解説

YAMAHA JOG
総排気量:49cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:705mm
車両重量:78kg
メーカー希望小売価格:税込17万500円
1984年に誕生し、日本で最も長く売られているスクーターが、このジョグだ。当時はスクーター=主婦層向け、というイメージがあったものの、その興味を16歳の少年に向けさせた功労者で、JOGが80年代初頭のスクーターブームをけん引していたといっても過言ではない。

空冷2スト50㏄エンジンを搭載していた初期モデルから、メットインになり、2007年には4ストエンジンを搭載。2018年には販売規模縮小のあおりを受けて、ホンダのOEM生産モデルとしてJOGは販売継続。現行モデルは外観以外、ホンダ・タクトとほぼ同一だ。アイドリングストップ機能付きの上級バージョン「ジョグ デラックス」(税込18万3700円)もラインアップする。

エンジンは4.5PSを発生する、ホンダタクトと共用の水冷4ストエンジン。ドライブケースにはHONDAの刻印があり、ホンダでいう低燃費のクリーンeSPエンジンなのが分かる。
前後ドラムブレーキだが、左レバー(リアブレーキ)を握るとフロントも効くコンビブレーキを搭載。左ブレーキにはレバーロックがついていて、クルマでいうサイドブレーキとして使える。

シート下スペースは19L(デラックスは20L)。シールドつきジェットは入りにくく、コンペシールド式オープンフェイスならば収納可能。A4サイズのビジネスバッグも入りにくいのは、やや改善してほしいところ。


メインキー横のコンビニフックは、ちょっとした買い物をしたコンビニ袋を掛けておくのに便利だった。

都内には少なすぎる二輪用パーキング。駅の駐輪場などでは、サイズが同じでも「50㏄のみ」駐輪可、つまり原付ニ種スクーターは利用できない場所もある。写真は2時間100円の公共駐輪場だった。
ホンダ・ヤマハ・スズキの50ccスクーター ラインアップ
ここからはジョグシリーズ以外の50ccスクーターを紹介。ビジネス向けモデルをのぞくと、いま新車で購入できるモデルはだいぶ限られている。

Honda TACT BASIC/TACT
税込価格:16万8300円/18万1500円
JOGのベースとなったホンダのベーシックスクーター。おとなしめのスタイリングで、タクトベーシックとタクトの2本立てが、ジョグとジョグ デラックスの2本立てにつながっている。

Honda DUNK
税込価格:21万8900円〜22万4400円
TACT/JOGよりシート下スペースを大きく取り、日常の使い勝手にフォーカスして開発されたのがダンク。スタイリッシュなデザイン、充実装備は大学生の通学をターゲットに仕上げられたものだ。

Honda GIORNO/GIORNO DELUXE
税込価格:19万8000円/20万3500円
曲線を多用したスタイリングとしたのがジョルノ。eSPエンジンやアイドリングストップ、コンビブレーキなどの基本装備は共通で、足元にリッド付き小物入れスペースも備えている。「ジョルノ・くまモン バージョン」もラインアップ(税込価格:20万6800円)。

YAMAHA VINO
税込価格:20万3500円
こちらもホンダ生産、タクトやジョルノと基本を共用化したスタイリッシュスクーター。eSPエンジンやコンビブレーキ、アイドリングストップなどの基本装備は共通となっている。

SUZUKI ADDRESS V50
税込価格:18万2600円
110/125を兄弟モデルに持つアドレスも、スズキのスクーターとして息の長いブランドだ。3.7PSを発揮する空冷4ストエンジンを搭載し、フルフェイスヘルメットが入るシート下スペースが人気だ。

SUZUKI Let's/Let's Basket
税込価格:16万6100円/18万5900円
車両重量70kgという、国産スクーターナンバー1の軽量さを達成したスタンダードモデル。シート高は695mm、バスケットはロールシャッター付き樹脂製フロントバスケットを標準装備する。
文:中村浩史/写真:松川 忍