1998年に、ワインディングロード最速のコーナリングマシンとして登場したR1。世界をリードし続けるR1の変遷史を当時の試乗記をもとに振り返ってみよう。今回は「YZF-R1 SP」も同時解説!

ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)インプレ・解説(宮崎敬一郎)

画像: YAMAHA YZF-R1 SP 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒 最高出力:175PS/12500rpm 最大トルク:10.9kg-m/8500rpm 車両重量(乾燥):173kg ※輸出車(2006年・5VY)

YAMAHA YZF-R1 SP
総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒
最高出力:175PS/12500rpm
最大トルク:10.9kg-m/8500rpm
車両重量(乾燥):173kg
※輸出車(2006年・5VY)

リリースされた時点ではまさにベスト・オブ・スーパースポーツ!

世界1330台限定で登場した2006年型のR1 SP。専用サスに加えて、専用のマルケジーニ鍛造ホイール&ピレリ・ディアブロコルサが与えられる。エンジンブレーキ時にリアのホッピングやロックを防ぐスリッパークラッチも専用装備だ。

あらゆる路面において極上の接地性を発揮する前後のショックは、オーリンズとヤマハがR1 SPのために共同開発。フレームの剛性バランスから全てのマッチングをとったメーカー製スポーツカスタムである。

画像1: ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)インプレ・解説(宮崎敬一郎)

試乗会では、SP勢はスタートしてすぐに同時試乗でコースにいたスタンダードR1をごぼう抜きにしていった。

SPの素晴らしい接地感と均整の取れた旋回性能、荒れた路面をものともしないスタビリティ…。こんな信頼できる操作フィールを楽しめるバイクは、歴史上そう多くない。

速さもあるが、リッタースーパースポーツのパワーを受け止められるシャシーは他のライバルにはないものだった。R1 SPはどこでも使える本物の凄味があった。

このクラスのパワーを制御しようと試みることのできるエキスパートなら、その凄さがわかるだろう。高いグレードのショックと軽いホイール、良好なマッチングはまさにこの時代のベストであった。

画像: 3代目R1にも2003年にSPがリリースされたが、そちらはフレアパターンをあしらった北米仕様でスタンダードとの違いはカラーリングのみ。2006年のSPはオーリンズと共同開発された前後足回りに合計で400g軽いマルケジーニの鍛造アルミホイールを装着。

3代目R1にも2003年にSPがリリースされたが、そちらはフレアパターンをあしらった北米仕様でスタンダードとの違いはカラーリングのみ。2006年のSPはオーリンズと共同開発された前後足回りに合計で400g軽いマルケジーニの鍛造アルミホイールを装着。

日本導入モデルと北米のLEに栄光のインターカラー採用

画像2: ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)インプレ・解説(宮崎敬一郎)

充実した足回りのSPバージョンがラインアップに加わった2006年型は、スタンダードグレードも型式進行なしにマイナーチェンジが施されている。スイングアームを延長してフレームの剛性バランスを見直し、エンジンはポート形状とECUのマッピングが変更されて最高出力は3PSアップの175PSとなった。

2006年型には、インターカラーのレディッシュイエローカクテル1をラインアップ。日本ではスタンダードグレードのヤマハ創立50周年記念モデルとして発売。

アメリカではSPと同内容のLEとして500台限定で発売。欧州仕様のSPとカナダ仕様のLEは専用色のブラックメタリックXのみとなっている。

ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)各部装備・ディテール解説

画像: 倒立フォークはフリクションが極めて少なく、強い減衰力がかけられる。伸び減衰と初期荷重調整はフォークトップ、圧側減衰調整はアクスルで行う。

倒立フォークはフリクションが極めて少なく、強い減衰力がかけられる。伸び減衰と初期荷重調整はフォークトップ、圧側減衰調整はアクスルで行う。

2006年型はスイングアームを2004年型より20mm伸ばして597mmとし、ホイールベースも1415mmに延長された。

画像: オーリンズのリアショックは高速/低速ストロークで別個に圧側減衰力が調整できる2ウェイアジャスター付き。

オーリンズのリアショックは高速/低速ストロークで別個に圧側減衰力が調整できる2ウェイアジャスター付き。

画像: 前後ホイールはヤマハ公道モデル初となる軽量アルミ鍛造ホイール(マルケジーニ製)を採用。

前後ホイールはヤマハ公道モデル初となる軽量アルミ鍛造ホイール(マルケジーニ製)を採用。

ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)主なスペック

全長×全幅×全高2065×720×1105mm
ホイールベース1395mm
シート高835mm
車両重量(乾燥)172kg
エンジン形式水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒
総排気量998cc
ボア×ストローク77.0×53.6mm
圧縮比12.3
最高出力175PS/12500rpm
最大トルク10.9kgf・m/8500rpm
燃料タンク容量17.5L
変速機形式6速リターン
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17・190/50ZR17
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク

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