ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)インプレ・解説(宮崎敬一郎)

YAMAHA YZF-R1 SP
総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒
最高出力:175PS/12500rpm
最大トルク:10.9kg-m/8500rpm
車両重量(乾燥):173kg
※輸出車(2006年・5VY)
リリースされた時点ではまさにベスト・オブ・スーパースポーツ!
世界1330台限定で登場した2006年型のR1 SP。専用サスに加えて、専用のマルケジーニ鍛造ホイール&ピレリ・ディアブロコルサが与えられる。エンジンブレーキ時にリアのホッピングやロックを防ぐスリッパークラッチも専用装備だ。
あらゆる路面において極上の接地性を発揮する前後のショックは、オーリンズとヤマハがR1 SPのために共同開発。フレームの剛性バランスから全てのマッチングをとったメーカー製スポーツカスタムである。

試乗会では、SP勢はスタートしてすぐに同時試乗でコースにいたスタンダードR1をごぼう抜きにしていった。
SPの素晴らしい接地感と均整の取れた旋回性能、荒れた路面をものともしないスタビリティ…。こんな信頼できる操作フィールを楽しめるバイクは、歴史上そう多くない。
速さもあるが、リッタースーパースポーツのパワーを受け止められるシャシーは他のライバルにはないものだった。R1 SPはどこでも使える本物の凄味があった。
このクラスのパワーを制御しようと試みることのできるエキスパートなら、その凄さがわかるだろう。高いグレードのショックと軽いホイール、良好なマッチングはまさにこの時代のベストであった。

3代目R1にも2003年にSPがリリースされたが、そちらはフレアパターンをあしらった北米仕様でスタンダードとの違いはカラーリングのみ。2006年のSPはオーリンズと共同開発された前後足回りに合計で400g軽いマルケジーニの鍛造アルミホイールを装着。
日本導入モデルと北米のLEに栄光のインターカラー採用

充実した足回りのSPバージョンがラインアップに加わった2006年型は、スタンダードグレードも型式進行なしにマイナーチェンジが施されている。スイングアームを延長してフレームの剛性バランスを見直し、エンジンはポート形状とECUのマッピングが変更されて最高出力は3PSアップの175PSとなった。
2006年型には、インターカラーのレディッシュイエローカクテル1をラインアップ。日本ではスタンダードグレードのヤマハ創立50周年記念モデルとして発売。
アメリカではSPと同内容のLEとして500台限定で発売。欧州仕様のSPとカナダ仕様のLEは専用色のブラックメタリックXのみとなっている。
ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)各部装備・ディテール解説

倒立フォークはフリクションが極めて少なく、強い減衰力がかけられる。伸び減衰と初期荷重調整はフォークトップ、圧側減衰調整はアクスルで行う。
2006年型はスイングアームを2004年型より20mm伸ばして597mmとし、ホイールベースも1415mmに延長された。

オーリンズのリアショックは高速/低速ストロークで別個に圧側減衰力が調整できる2ウェイアジャスター付き。

前後ホイールはヤマハ公道モデル初となる軽量アルミ鍛造ホイール(マルケジーニ製)を採用。
ヤマハ「YZF-R1 SP」(2006・5VY)主なスペック
全長×全幅×全高 | 2065×720×1105mm |
ホイールベース | 1395mm |
シート高 | 835mm |
車両重量(乾燥) | 172kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC5バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 998cc |
ボア×ストローク | 77.0×53.6mm |
圧縮比 | 12.3 |
最高出力 | 175PS/12500rpm |
最大トルク | 10.9kgf・m/8500rpm |
燃料タンク容量 | 17.5L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/50ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |