ヤマハの250ccネイキッドスポーツ「MT-25」は、2020年にモデルチェンジを果たした。この記事では2021年の最新カラーの写真とともに、その特徴を詳しく解説する。
文:太田安治、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、森 浩輔

ヤマハ「MT-25 ABS」インプレ・解説(太田安治)

画像: YAMAHA MT-25 ABS 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:780mm 車両重量:169kg 2021年モデルの発売日:2021年4月28日 税込価格:62万1500円

YAMAHA MT-25 ABS

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:780mm
車両重量:169kg

2021年モデルの発売日:2021年4月28日
税込価格:62万1500円

倒立フォークの「効果」はスポーツランで発揮される

MT-25に試乗して、まず目に付くのが獰猛な印象のフロントフェイス。ヘッドライトをLED化したことでデザインの自由度が高まり、従来とはまったく違った顔つきになった。タンクカバーの幅も約5cm広げてマスフォワードデザインを強調。ミドルクラス並みの存在感を得ている。

だが、僕が注目したのは倒立フロントフォークの新採用。倒立フォークは剛性向上に効果的だが、ストリートユース前提のMTにマッチするのかが気になるところだ。

画像1: ヤマハ「MT-25 ABS」インプレ・解説(太田安治)

試乗すると、街乗りでは倒立フォークの優位性はほとんど感じられない。バネ下重量が減っているので路面追従性は上がっているが、高剛性と引き換えに乗り心地は少し硬く、低速域での軽快感も薄れたように感じる。

ただ、ハンドル位置が44mm高くなって上体の前傾度が減り、ギャップ通過時に手首や腕が突き上げられることはない。

ペースを上げていくと、倒立フォークのメリットがようやく出てくる。フルブレーキングからフルバンク、という走りでもフロントがバタつかず、ジワッと沈んでストロークの奥でグッと踏ん張り、ブレーキを残したまま寝かし込んでもフロンフォークの捩れは出ない。タイヤの接地感も明確に伝わり、安心してスポーツライディングを楽しめるのだ。

画像1: 写真は2020年モデル

写真は2020年モデル

つまり、新型MTの操縦性は低速域での軽快感と優しい乗り心地を削って、中高速域でのダイレクト感と安定性に振り分けつつ、ハンドル高を上げて街乗りやツーリング適性も確保したもの。

乗り込むほどに納得する設定なのだ。ちなみに、同時にモデルチェンジされたMT‐25とMT‐03に基本的なハンドリング性能の違いはない。

街乗りメインや体重の軽いライダーは、リアサスペンションのイニシャルを1〜2段弱めれば快適性は向上するだろう。ともに幅広いステージに対応する車体に仕上げられている。

画像2: ヤマハ「MT-25 ABS」インプレ・解説(太田安治)

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