ホンダ「NSR250R SE」[MC28]の特徴・歴史
SP人気の影に隠れたユーザーの要望に応えて
SEとはスーパーエディションの略で、スタンダードモデルとSPモデルの中間に位置するモデル。最初の登場は1991年5月。ガルアームのMC21型のバリエーションモデルとしてラインアップされた。
ワークスレプリカカラーをまとったSPの人気は高く、限定販売ということもあって、早ければ2ヶ月ほどで完売してしまうこともあった。もちろん、価格的に購入を諦める人もいただろうが、買えなかったユーザーからは乾式クラッチを望む声が多かった。その要望に応えて、SPの装備を簡略化し価格を抑えて登場したのがSEだった。
特別装備は、伸び側減衰力調整機構付きフロントフォークと、フルアジャスタブルタイプのリザーバータンク付きリアショック、そして乾式クラッチの3点。価格は同時期のスタンダードより4万円高と、かなりリーズナブル。
MC28型のNSR250R SEは、SPとも異なる専用の伸び側減衰力調整機構付きカートリッジフォークと、フルアジャスタブルのリザーバータンク付きリアショック、乾式クラッチ、専用ハイグリップタイヤを装備して、やはり4万円高の設定だった。
STD、SPがなくなるなかSEは1996年2月にカラーチェンジ。最後のNSR250Rとして99年まで販売された。
ホンダ「NSR250R SE」[MC28]主なスペック・当時価格
全長×全幅×全高 | 1970×650×1045mm |
ホイールベース | 1340mm |
最低地上高 | 130mm |
シート高 | 770mm |
車両重量 | 157kg |
エンジン形式 | 水冷2ストV型2気筒 |
総排気量 | 249cc |
ボア×ストローク | 54.0×54.5mm |
圧縮比 | 7.4 |
最高出力 | 40PS/9000rpm |
最大トルク | 3.3kgf・m/8500rpm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 23°00′ |
トレール量 | 85mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70R17 54H・150/60R17 66H |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
当時価格 | 72万円 |
※この記事は月刊『オートバイ』2021年6月号別冊付録「RIDE」の特集から一部抜粋し、再構成して掲載しています。当特集のスタッフ 文:安藤佳正、宮﨑健太郎/写真:赤松 孝、松川 忍、南 孝幸、森 浩輔/撮影協力:ホンダコレクションホール