まとめ:オートバイ編集部
ヤマハ「YZF-R7」メカニズム解説
次にYZF-R7のメカニズムについて見てみよう。プラットフォーム戦略に基づいて、このR7は先に登場したMT-07の基本コンポーネントをベースにしているが、シャシーや足回り、エンジンはそれぞれ手が入っており、スーパースポーツらしい、爽快な走りを目指した仕様となっているのだ。

2次減速比をロング化 足回りもグレードアップ
270度クランクを採用した、扱いやすくスポーティな689cc水冷並列2気筒エンジンは、スプロケット設定を変えて2次減速比をややロング化。MT-07系エンジンでは初めてアシスト&スリッパークラッチも採用し、クイックシフトシステムもオプション設定。
MT-07のスチール製フレームにアルミ製のセンターブレースを装着し、各部の締付剛性の最適化と合わせ剛性を向上し、MT-07の正立フロントフォークも専用に開発された剛性の高い倒立タイプに変更。さらにリアサスもセッティングが見直され、ハイレベルなハンドリングに仕上げられた。
ブレーキもラジアルマスターシリンダー&キャリパーで、スーパースポーツに求められる高い制動力とコントロール性を両立。単にフルカウル化されたMT-07ではない、本格的なスーパースポーツなのだ。

▲複雑な形状のカウルは抵抗を減らすだけでなく、空気を効率良く流し放熱・冷却性能を向上させるエアマネジメントデザイン。
不等間隔爆発となる270度クランクを採用し、独特の鼓動感とスポーティさを備える水冷並列2気筒エンジンもMT-07に準じたもの。
MT-07のΦ41mmの正立フォークから、YZF-R7専用に開発されたΦ41mm倒立フォークに変更。同時にステム周りも変更されている。

倒立フォークはフルアジャスタブル機構も装備。ブレーキローターはMT-07より大径なΦ298mmサイズを採用している。

フロントブレーキキャリパーは、スーパースポーツらしいラジアルマウントに変更された。キャリパーのメーカーは日本のADVICS(旧住友電工)。

フロントのブレーキキャリパーだけでなく、マスターシリンダーもラジアルマウントタイプに変更してコントロール性を向上させた。

前後ホイールや左右非対称形状のスイングアームもMT-07と共通。リアブレーキはΦ245mmのローターと片押しキャリパーだ。

スプロケットはMT-07の43:16から、ドリブンスプロケットを1丁小さくした42:16へ変更。やや2次減速比がロングになった。

リアサスのリンク式モノクロスという基本的な構造もMT-07譲り。ただしダンパーユニットのセッティングは大幅に変更された。

クラッチレバーの操作荷重を低減し、シフトダウン時などの大きなバックトルクも軽減するアシスト&スリッパークラッチも採用。

コンパクトなサイレンサーによってマスの集中化に効果を発揮するマフラーも、MT-07に装着されているものと基本的に同じだ。
【動画】2021 Yamaha R7 – Features & Benefits
www.youtube.comYZF-R7の初代モデルは、ホモロゲーション・マシンだった!

YAMAHA YZF-R7 1999
先代のYZF-R7はレースベースのホモロゲマシン。OW-02のペットネームを持ち、チタンコンロッドやオーリンズサスなど高価な装備が盛り込まれ、わずか500台が限定販売された。