海外の各メディアの報道によると、ハーレーダビッドソンから電動バイクブランドとして独立した「ライブワイヤー」初のモデルは、すでに販売されているライブワイヤーの後継版になる、と予想されています!! モデル名は「ライブワイヤー ワン」・・・。米・NHTSA(国家道路交通安全局)に提出された書類の記述から、この新型車がどういうモデルなのか想像してみましょう。
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2021年6月22日に公開されたものを転載しています。

初代ライブワイヤーより、出力が大幅にアップされる・・・かも?

2021年5月、ハーレーダビッドソンは電動バイク専業の新ブランドとして「ライブワイヤー」は立ち上げることを発表しました。そして来たる7月8日に、新ブランドの下で初のモデルとなる電動バイクを公開することを、同時に予告していました。

当初ライブワイヤーブランド初のモデルは、すでに「X-Games Aspen 2019」で公開した電動スクーターや電動ダートバイクのどちらかになるのでは? という予想がありましたが、最近いろいろとリークされた情報をまとめると、現在販売しているハーレーダビッドソン初の電動バイクであるライブワイヤーの、アップデート版になるのではないか? と想像されています。

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現在明らかになっていることのひとつは、その車名が「ライブワイヤー 1(ワン)」ということです。英国の超有名保険会社であるベネッツの報道によると、米・NHTSA(国家道路交通安全局)に提出された書類には、メーカー名が「ハーレーダビッドソン」ではなく「ライブワイヤー」になっていることと、モデル名が「ライブワイヤー」から「ライブワイヤー ワン」に改まっていることがわかります。

そして、明らかになっていることのなかで最も注目なのは、NHTSA提出書類に記されている新しいワイブワイヤー ワンの出力が、2021年型ハーレーダビッドソン ライブワイヤーの70bhpから、101bhpにアップしていることでしょう。

画像: アメリカのNHTSA(国家道路交通安全局)に提出されたデータ。「メイク(メーカー名)」がハーレーダビッドソンではなくライブワイヤーになっており、モデルコードがELWからLW1になっていることがわかります。 www.bennetts.co.uk

アメリカのNHTSA(国家道路交通安全局)に提出されたデータ。「メイク(メーカー名)」がハーレーダビッドソンではなくライブワイヤーになっており、モデルコードがELWからLW1になっていることがわかります。

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また、MY=モデルイヤーは2021年型ハーレーダビッドソン ライブワイヤーと同じ・・・となっていることから、すでに半年が経過しているにもかかわらず、新しいライブワイヤー ワンは2021年型として7月初旬の公開後の早い時期から、販売が開始されることになりそうです!

おそらく、シャシーは旧ライブワイヤーと同じでは?

NHTSA提出書類の数字を見て、ハーレーダビッドソンのライブワイヤーに詳しい方は「え!? ライブワイヤーの馬力は日本では公称100hp(75kW)で、アメリカでは同105hp(78kW)なんじゃないの?」とご指摘なさると思います。

ちなみにEU型式承認では、ライブワイヤーの最高出力は84.5bhp(63kW)になっています。これらの例が示すように、各国・各地域の行政に届ける型式承認の数値には違いがあり、あくまでそれらは届け出値ということになります。ただ、NHTSA提出書類に記された新旧の馬力差からすると、新しいライブワイヤー ワンは既存のライブワイヤー比で約45%のパワーアップをしている・・・と想像することができます。

画像: ハーレーダビッドソンのエンブレムをつけた現行型ライブワイヤー。 www.harley-davidson.com

ハーレーダビッドソンのエンブレムをつけた現行型ライブワイヤー。

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さらにNHTSA提出書類を注意深く見てみると、車体番号の最初の3つはハーレーダビッドソンの名前が付いていないにもかかわらず、ハーレーダビッドソンの「1HD」のままです。4番目の「2」は「電動バイク」のコードであり、5、6番目の「XB」は、初代ライブワイヤーの「XA」に代わるライブワイヤー ワンのモデルコードになります。

7番目は電動モーターを意味する「E」。8、9番目を飛ばして10番目の「M」は2021年モデルを示すイヤーコード(ちなみに2022年型は「N」になります)。そして11番目の「B」は、ハーレーダビッドソンのペンシルバニア州ヨーク組立工場製であることを示しています。

画像: InstagramやFacebookページなど、ライブワイヤーブランドの公式SNSで紹介されている写真。これら写真に映るのは、単純にハーレーダビッドソンブランド時代の車両にライブワイヤーのロゴをあしらっただけのものなのか、それとも新型のライブワイヤーの姿なのか・・・は現時点では定かではありません。 www.facebook.com

InstagramやFacebookページなど、ライブワイヤーブランドの公式SNSで紹介されている写真。これら写真に映るのは、単純にハーレーダビッドソンブランド時代の車両にライブワイヤーのロゴをあしらっただけのものなのか、それとも新型のライブワイヤーの姿なのか・・・は現時点では定かではありません。

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「ワン」という名前に込められた意味は・・・?

これらのNHTSA提出書類の記述から、新しいライブワイヤー ワンはおそらくシャシーなどは旧型と同じものを使っているが、モーターや電動システムを改良することで、旧型より出力をアップしたモデルである・・・と想像することができます。

ハーレーダビッドソンは7月8日にライブワイヤーブランド初モデルを公開した直後、7月9日にカリフォルニア州のファイブポイント・アンフィシアター・アーバインで開催されるIMS=インターナショナル・モーターサイクル・ショーで、公に新型車を初展示することを予定していました。

しかし、この催しは音楽コンサートのみ開催となりIMSの開催はなくなったため、新型車の公開の場からは外れることになっています・・・。まぁ、7月8日にはインターネットなどを通じてライブワイヤー ワンのディティールを知ることは可能でしょう。また7月16〜18日には、カリフォルニア州ソノマでIMSが開催予定なので、これが初展示になることも予想されています。

ところでこの新型車には、なぜ「ライブワイヤー ワン」という名前になったのでしょうか? これも憶測の域は出ませんが、おそらくハーレーダビッドソンは、1905〜1906年に作られた同社初の量産車である「ハーレーダビッドソン モデル1」にちなんだ名前として、「ワン」を加えたのでしょう。

画像: ウィスコンシン州ミルウォーキーのハーレーダビッドソン博物館に展示される「モデル1」。 en.wikipedia.org

ウィスコンシン州ミルウォーキーのハーレーダビッドソン博物館に展示される「モデル1」。

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モデル1は後のハーレーダビッドソンの繁栄の礎となりましたが、ライブワイヤー ワンも同様に新ブランドの礎になったと未来の歴史書に書き残されることを、強く期待してのネーミングなのではないでしょうか・・・。ともあれ? 新型車の詳細が明らかにされる現地時間7月8日を、楽しみに待ちたいと思います!

文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)

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