以下、文・写真:三橋 淳/モデル:難波祐香、大西真生
林道ツーリングの魅力はバイクを降りたときにもある
ご満悦のルンルンで頂上の広場に到着した。そこでマオちゃんが取り出したるはコーヒーセットだ。しかも豆からひいて作るおしゃれなやつ。女子力高い!
手慣れた手つきで豆を引いていきます。こういう余裕がいいよね。最近一緒に走るおっさんどもとのツーリングはノンストップの一気走りばっかりだもの。これがジェネレーションギャップというやつですか? それともジェンダーギャップですか?
熱々のコーヒーを淹れていただいて申し訳ないのだが、この日は結構暑くて、「ホットコーヒーか~。アイスコーヒーの方が良かったなぁ~」なんて口が裂けても言えないことを思ってしまった。
「ちゃんと持ってきてますよ~三橋さん!」
顔に出ていたのかもしれない。マオちゃんがバッグから取り出したアイテムは、なんと氷!
淹れたてのアイスコーヒーの完成です。山の中でアイスコーヒー、しかも淹れたてが飲めるなんて。なんということでしょう!
そして、にゃんばちゃんも女子力をアピールすべく持ち出したるはお茶菓子だ。ずんだ、というチョイスがこれまた渋い。
コーヒーとクッキーのセット、山の香りを添えて。おしゃれだ!
私も美味しいコーヒーでご満悦です。
さてひと休憩してから先に進みます。その前にバイク雑誌にありがちなお決まりポーズ。
しかしどうして、おじさんは手を広げるのか?
でも逆にあえて言おう。女性にポーズを取らせると大抵こうなるのはどういうわけか?
世の中にはスタンダード、定番、お約束のポーズがあるということですな。
しっかり休憩を取って再び出発です。今度は順番入れ替わったりしながら、自由に走ります。そう、自由に。それがバイクの楽しさ!
たまには前を走ってみたりします。でもゆっくりペース。バックミラーとB+COMの接続状況を見ながら、後ろにプレッシャーをかけないように走ります。
流れてくる会話はアニメの話がほとんど。だってアニオタなんだもの、私。現在のアニメはついていけるのだが、彼女らの少女時代のアニメにはついていけず。セーラームーンを歌われたって一緒には歌えません。宇宙戦艦ヤマトなら歌えるけど……。
フラットダートを走るのに、テクニックはいらない
道中、彼女らに一切ライディングのアドバイス的なものはしなかった。だって必要ないでしょ。初心者にいきなりああだこうだうんちく垂れたって、分かりはしない。
林道に恐怖心を覚えなければ、それでいい。
もし恐怖を感じたなら、それが路面によるものなのか? バイクの整備状況によるものなのか? を判断してあげるのがベテランの役目です。
林道といえども、特別なテクニックは必要ない。バイクに乗れれば、走れます。何も特別なことじゃないのです。
ライディングスキルをアップしたいのなら、オフロードコースで基礎を学べばいい。もちろんそれも楽しみのひとつだし世界を広げることにもなる。
けれど、まずは「林道って楽しい!」と感じてもらうことが一番大事。「オフロードって難しいですね~」なんて思われたんじゃ、アテンド失敗です。
というわけで、林道を走ったお二人の笑顔をどうぞ。
「一枚余計!」という声が聞こえてきそうだ。そしてなぜ私の時だけ曇る。
美味しいものは正義だ!
そんなこんなで無事走り切った林道を後にして、向かったのは遅めのランチ。千葉県君津あたりでは有名な、精肉店がやっているステーキハウス「フレッシュマート三平」だ。
ここは迷わずサーロインステーキを頼む。
どうですこのボリューム。しかもうまい!
肉食女子もご満悦です。
食事が良ければ気分もさらに上がります。これイベントの鉄則。美味しいご飯はみんなを幸せにするのです。
そして食べ終わったら、都心に帰る前に綺麗に洗車します。
林道付近で洗車しておけば安上がり。それにここはダンプが洗車していいところだから、多少の泥なら怒られない。都心の洗車場では泥洗いを嫌がられることもある。
天気も良くてお腹もいっぱいで林道楽しくて、ご機嫌の図。
丸一日楽しんでいただきました。
これが、三橋淳流の林道初心者おもてなしプランです。
文・写真:三橋 淳/モデル:難波祐香、大西真生