文:山口銀次郎/写真:西野鉄兵
ヤマハ「シグナスX」各部装備・ディテール解説
スタイリング
2015年以前のモデル(1YP)までは、丸みを浴びたラインがメインとなっていたが、2015年以降の(1YP後期)以降では直線を基調としたラインで構成されるデザインに。ただし、「X」の付くシグナスXの初期型から続く主だった構成は継承され、ひと目でシグナスXだとわかる個性を確立している。
ヘッドライトまわり
フロントカウル下部にヘッドライトを、またハンドルカウルにウインカーといった構成は、シグナスXの特徴的なフロントデザインとなる。3連のLEDヘッドランプの左右には単独のマーカーランプを装備する。シリーズのアイデンティティといえるハンドルカウルに装備されたウインカーは、クリアレンズタイプとなる。
テールランプまわり
いち早くLED導光テールランプを採用していたシグナスXシリーズだが、同モデルに於いても意匠に凝ったモノを採用。ウインカーまで大きくカバーするクリアレンズ仕様。テールランプのセグメントとは別に、単独のストップランプをセンターに配置する。
エンジン・マフラー・実測燃費
空冷4ストSOHC4バルブ単気筒エンジンはフューエルインジェクションを採用し、低速から高速域までワイドにトルクフルな特性となる。今回通勤路のみの使用で500kmを走行し、燃費は30km/Lを記録する。変形ヘキサゴン断面のサイレンサーは、ボディデザインと合わせた直線ラインを基調としたデザインとなる。
ブレーキ
ほぼホイール内径と同じ大型のΦ245mmウェーブディスクと、片押し2ポットキャリパーを採用するフロントブレーキ。リアは、125スクーターでは珍しいΦ200mmディスクブレーキを採用する。
サスペンション
12インチのホイールを懸架するフロントフォークはインナー径33mmのテレスコピックタイプ。リアサスは、ユニットスイング式のツインショックタイプ。プリロードの調整も可能となっている。
メーター
フルデジタルの液晶マルチファンクションメーターパネルは、バータイプのタコメーターと、大きく表示された速度計がメインとなる。時計や燃料計、オドやトリップメーターも備える、整ったデザインでスッキリまとまったメーターとなる。
フロントボックスまわり
500mlペットボトルを入れてもまだ容量があるフロントポケットを、フロントカバー内に設ける。また、中央部にはロック機構付き可倒式コンビニフックや、その左側にはヒンジタイプの給油口を備える。右側にはキーシャッター機能を装備するイグニッションを配置。さらに下には、12Vのアクセサリーソケットを装備。
シート
緩やかな段付きのシートは、大型で広々した印象。先端部に向けて絞れた形状となるため、足つき性を損なわない最大限の配慮がされている。
シート下 収納スペース
ヘルメットも形状によって収納可能なシート下トランクスペース。大容量の約29Lを確保する。
フットボード・ライディングポジション
フットボードはフラットかつ広く確保されており、乗り降りのしやすいスクーターならではの特徴を色濃く残している部分である。フロントカバー内側下部には、フットボードの延長となるステップ部分を設けるが、立ちが強いので好き嫌いが分かれそうだ。制動時などには踏ん張りが効く形となっている。
タンデム性能
しっかりとした骨格と、強靭なサスペンションと高い制動能力で、タンデム走行時も安心の安定の走行性能を発揮する。もちろん、一人乗りの時の様なスポーティさは影を潜めるが、確かな造りに不安になることはないだろう。
グラブバーは、タンデム部分の脇を大きくカバーする形状なので、グリップする部分の自由度がとても高くなっている。畳まれている状態で少し押し込むと、広がるタンデムステップはアルミ製で凝ったデザインとなっている。
ヤマハ「シグナスX」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1890x690x1120mm |
ホイールベース | 1305mm |
最低地上高 | 115mm |
シート高 | 775mm |
車両重量 | 119kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 124cc |
ボア×ストローク | 52.4×57.9mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 7.2kW(9.8PS)/7500rpm |
最大トルク | 9.9N・m(1.0kgf・m)/6000rpm |
燃料タンク容量 | 6.5L |
変速機形式 | Vベルト式無段変速 |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-12 47L・120/70-12 51L |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 33万5500円(消費税10%込) |
文:山口銀次郎/写真:西野鉄兵