まずは外観チェック
というわけで従来型と新型の画像。
ぱっと見変わらないね。
エンジンとABSのステッカーが見分けるポイント。
型式名が変わったよ
これまでは2BJ-JA48だったけど、新型は8BJ-JA58。
型式名って重要なのよ。特にこういう歴史長くて種類多いバイクは特に。
ほら、VFRってだけいってもなにかわかんないから、NC30とか言った方がわかりやすいじゃない。それですよ。
例えばショップに行った時に、こんな問答で盛り上がるかもよ?
どんなカブ乗ってるんでしたっけ?
JA58ッスョ。
新型のC125じゃん、いいね!
ってなるかもしれないじゃん。
ひょっとしたらウザがられるかもだけど、リスクを恐れちゃなんもできないからね。
新エンジンの採用
さて、これ本命。最大の変更点ですよ。そもそもC125はグローバルモデルなので、欧州のユーロ規格に対応する必要があるのね。これは同時期に発表されたモンキーとか、あとグロムも、そう。
で、現在のユーロ5に対応した新エンジン。で、規制対応しただけじゃなくエンジンそのものの価値を上げてるのがさすが技術のホンダですよ。
まずは公式サイト。
で、走行性能のページを開くとこんな見出しが。
低振動・低ノイズ、
省燃費を両立した、新設計のエンジン
省燃費はユーロ5に対応するため必須の部分なんだけど、それよりも低振動・低ノイズを打ち出してるあたり、エンジンへの自信を感じちゃうワケ。
で、実走はまだできないので数値から探ってみよう。ボアストロークの違いはこんな感じ。
従来型(2018年) | 新型(2021年) | |
---|---|---|
エンジン型式名 | JA48E | JA58E |
総排気量 | 124cc | 123cc |
ボア | 52.4mm | 50.0mm |
ストローク | 57.9mm | 63.1mm |
圧縮比 | 9.3 | 10 |
最高出力 | 7.1kW[9.7ps]/7500rpm | 7.2kW[9.8ps]/7500rpm |
最大トルク | 10N・m/5000rpm | 10N・m/6250rpm |
つまり、これまではスクエアに近かったボアストローク比が、ロングストロークになったってことね。
で、ロングストロークになると、どう変わるのかって話なんだけど、具体的にはよくわかんないから、カブのプロとして、愛知県豊橋市のM&Fカビィさんに聞いてみたよ。
宜しくお願いします。
ロングストロークの特長としては、まずピストンの移動量が増えることから、ピストンの移動速度が速いということですね。
速いとなんかなるんですか?
速度が上がるとそれだけクランクシャフトなどに負荷がかかるので、逆に言えば負荷に耐えうる、高精度なエンジンに仕上げられてるんじゃないかなと思います。
一般的な言い方をすると、ロングストロークは、低回転のトルクがあり燃費が良いエンジンという感じですね。
あれ、じゃあいかにもカブっぽくて良い感じじゃないですか。
むしろこれまではなんでロングストロークじゃなかったんですか?
そもそもスーパーカブはボアストローク比がショートストロークからスクエアなモデルが多いんですよ。
例えばC125のモデルになった初代C100はボアストローク比が「40mm×39mm」でほぼスクエアですね。
あれっ? そうなんですか?
そうなんですよ。
若林さんの乗ってるスーパーカブ90(HA02)はボアストローク比「47mm×49.5mm」。
スーパーカブ90のベースとなったスーパーカブ50は「39mm×41.4mm」。
C100よりロングストローク寄りですが、スーパーカブシリーズって、基本的にスクエア傾向なモデルが多いんですよ。
ちなみに、50と90の中間に位置するスーパーカブ70。
「47mm×41.4mm」と、シリーズ中でも別格のショートストロークです。
回して走る楽しさにハマるファンも多いんですよ。
なんかトコトコ走って燃費良いイメージだけに意外ですね。
小排気量のスクエアでありながら、他に類を見ない燃費の良さやトルクのある走りを達成してきたホンダがとにかく凄いんですよ。
で、本題の新型C125ですね。
それまでのスクエア傾向なボアストローク比から、社会情勢にあわせて徐々にロングストロークにシフトしつつあるんです。
例えばスーパーカブ110(JA44)は、「50mm×55.6mm」なんですね。
で、JA44を実際に走らせると、凄くスーパーカブらしさのある良いバイクなんですよ。
なので、今回の新型C125でもカブらしさのある良いエンジンに仕上げられてると思いますよ。
そうですよね、実際最高出力は7.1kW(9.7ps)から7.2kW(9.8ps)と、少し増えてるわけですし。
あと、個人的に新エンジンになっても自動遠心クラッチが継続されてるのはうれしい。
そこはこだわったポイントなんじゃないですかね。
カブですし。
ABSを採用
ついにABSが採用されたよ!
カブシリーズとしてはCT125に次いで2車種目。なんせスマートキーとかも採用するスーパーカブシリーズのフラッグシップだけに、これは必須ですよね。
国交省の定める「道路運送車両法の保安基準」の影響が大きいんだろうけど、付いてる方が良いに決まってるので、より豪華になってて良きかな良きかな。
具体的にはフロントディスクブレーキに1チャンネルのABSを採用。
見た目の上ではABSのステッカーが付いたくらいしかわかんない。ABSユニットの位置にもよるけど、ブレーキホース交換の時に取り回しが変わってるかも。
ちなみに車体重量は先代C125も新型C125も110kg。出力上がってABSついてるのに重量変わらないって、さすがですよホンダさん。
色が変わった
先代C125では、パールカデットグレー、パールシャイニングブラック、パールニルタバブルーの3色だったけど、新C125では、パールネビュラレッドとパールニルタバブルーの2色展開。
海外でラインナップされてるマットグレーも追加されると新鮮で良いと思うなボクは。
【アンケート】 みなさんはどっちが好き?
悩ましい2色設定だよね。どっちが好きは教えてくださると嬉しいです。投票後、集計結果が見られますよ。
投票ありがとうございました!
お値段は3万円アップ
先代のC125が40万7,000円(税込)。そして新型C125が44万円(税込)。税抜で考えると37万円と40万円なので、3万円の価格上昇。ABSついてることを考えると値上がりとはいいづらいかな。燃費も良くなってるみたいだし。
まとめ
というわけで新型C125は、時代の変化をおさえつつ、正常進化を遂げた最新モデルって印象。
実際の走りも気になるけど、デリバリーが始まればまたいろんな凄い人がインプレッションしてくれるはず。そもそも、カブシリーズの中でも走りに定評のあるC125だけに、楽しみだぜ。
レポート:若林浩志/写真:ホンダ