ヤマハ新型「XSR900」の特徴
新型MT-09のメカニズムをさらにグレードアップ
ヤマハ製スポーツバイクの歴史を受け継ぐの伝統的なネイキッドスタイルと、現代の高性能なメカニズムを組み合わせたヘリテージスポーツ、XSRシリーズ。その最上級モデルである「XSR900」のモデルチェンジされた新型が、11月2日にヨーロッパで発表された。
2016年に登場した従来モデルの「XSR900」が、個性的なネイキッドスポーツの「MT-09」をベースにしていたのと同じく、新型「XSR900」も2021年型の「MT-09」がベースになっている。
そのためエンジンは従来の846ccから、ストロークアップで889ccに排気量を拡大。ピストンやコンロッド、カム、クランク、クランクケースといった主要なパーツも新設計となり、最新のライドバイワイヤーも備え、最高出力は119PS。クロスプレーンコンセプトを活かした水冷3気筒というコンセプトはそのままに完成度を高めた。クイックシフター、アシスト&スリッパークラッチも装備されている。
また電子制御デバイスに関しても、現行の「MT-09」に準じた6軸IMUによってコントロールされるものを搭載。4モード選択式のDモード、3モード選択式でリーン角度に応じて制御されるトラクションコントロール、後輪スライドを予測して反応するスライドコントロールなどでスポーツライディングをサポート。
さらに「MT-09」にはない、ツーリングを快適にするクルーズコントロールまで装備された。フル液晶メーターはMT-09のものと共通だ。
車体に関しても現行「MT-09」がベースのCFダイキャスト製法で造られるアルミ製のフレームを採用。これは各部の肉厚を薄くするなどの造り込みで軽量化と剛性バランスを両立し、同時に横方向への剛性も大幅に向上したもの。MT-09よりも長いスイングアームやXSR専用シートレールも与えられ、エンジン搭載角度などディメンションも変わるなど、従来モデルとは完全に別物に。
サスペンションも前後共にフルアジャスタブルで、軽量なスピンフォージドホイール、グレードアップされたブレーキシステム、鍛造のステップ周りなどでよりスポーティな走りに対応させている。
スタイリングはフロントマスクやタンクの形状などに従来の「XSR900」のイメージも残しながらも、テール周りのデザインの変更や、バーエンドミラーの採用などのディテールの見直しで、ややモダンな80年代的な香りを感じさせるスタイルへとリファイン。灯火類はもちろんフルLED。
ヤマハ新型「XSR900」のカラーバリエーション
欧州では、ボデイカラーは2色発表された。
ひとつは青ベースのカラーにゴールドのホイールが映える「レジェンドブルー」。新型「XSR900」のプロモーション動画やイメージ画像などにも登場している往年のWGPライダー、C・サロンが80年代に駆っていたYZR500などに採用されたゴロワーズカラーを想わせる仕上がり。
もう1色は、全身をブラックで統一したシンプルで精悍な雰囲気の「ミッドナイトブラック」となる。
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ヤマハ新型「XSR900」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2155×860×1155mm |
ホイールベース | 1495mm |
シート高 | 810mm |
車両重量 | 193kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒 |
総排気量 | 889cc |
ボア×ストローク | 78×62.1mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 119PS/10000rpm |
最大トルク | 9.5kgf・m/7000rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25° |
トレール | 108mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・180/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ298mmダブルディスク・Φ245mmディスク |
まとめ:小松信夫