750S1をベースにスズキ各車をミックスアレンジ
アップハンドルでスクリーンなし、19/18インチホイールのS1、スクリーンが付いたSS、フロント16インチ(リヤ17インチ)となったS2。そしてリトラクタブルライトのS3/S4(通称lll型)と、日本仕様GSX750S=750カタナはフロントフィンが付かないまま、1100と異なる独自の路線を歩んできた。
そこでこの車両だが、オーナー“偽四型”さんによれば、ベースは初代GSX750S1とのこと。でも、いろいろと様子が異なる。内容を教えてもらおう。
「もう十何年乗ってきて、最初は油冷エンジンに積み替えていたのを2005年にGSX1150EF用に載せ替えて、’11年に“lll型”(GSX750S3)のアッパーカウルを移植したんです。EFエンジンのシリンダーヘッド/カバーの形がlll型に似てたから(笑)。
それで終われば良かったんですけど、’17年の滋賀でのカタナミーティングで目立とうと思って、フルカウル化を考えたんです。製作は私も懇意にしていて、造形力が凄いプレジャーさん。でも元々、普通のカタナにはアンダーカウルなんてないし、lll型のアッパーカウルにしていましたから、デザインも装着方法も、全部手探りでした。空冷エンジンだから冷却ダクトを作ってサイドもギリギリまで寄せて、ライダーに向いた端は折り返しも入れて純正風の仕立て……。
プレジャーさんにしてみれば、“2度とやりたくない”仕様になったようですけど、ミーティングに乗っていったら大注目でした」
確かに現場でもベース車両が何か理解したい人や、ひょっとして純正でこんなバイクあった? と見に来るライダーも多数いた。しかもカウルは付けただけに終わらず、カウルステーにも工夫が凝らされ、いつでもノーマルルックに戻るという仕掛けも加わる。これはありそうでなかったネクスト750カタナのスタイル。そう言える1台として、記憶したい1台に仕上がっている。
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Detailed Description 詳細説明
アッパーカウルは見ての通りlll型カタナ純正。リトラクタブルヘッドライトもきちんと開閉する。ミラーはマジカルレーシング製だ。
lll型は転倒で傷ついたままのカウルが多いため、アッパーカウルプロテクターを製作。燃料タンク/カウル間は隙間埋めカバーを置く。
ハンドルはハリケーンのCBR1100XX用で計器類は'91GSX-R1100。フロントフォークはGSF1200用φ43mmで3.50-17/4.50-17のホイールは'88GSX-R750Jからの流用だ。
燃料タンクはキャップをYRPエアプレーンタイプとし、後ろマウント部にY's製クィックちゃん(ワンタッチ着脱用プレート)を装着してある。
新作ロアカウルはこのように3次元造形がなされ、純正だと言われても違和感がないほど。エンジンはGSX1150EFを元にSOHC製ワンオフ鍛造ピストンを組み1299cc化、フレームは750S1を元にYRPダイレクトマウントキット組み込みや発泡ウレタン注入もされている。