1802ccという最大の空油冷フラットツインを持つBMWのフラッグシップクルーザー・R18ファミリーに、あらたにバガースタイルのR18Bと、豪華な旅を演出する豪華ツアラー、R18トランスコンチネンタルが追加された。贅を極めた2台の魅力を堪能してみよう。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝

BMW「R 18 Bファーストエディション/R 18トランスコンチネンタルファーストエディション」インプレ(宮崎敬一郎)

BMW R18B FIRST EDITION

総排気量:1802cc
エンジン形式:空油冷4ストOHV2バルブ水平対向2気筒
シート高:720mm
車両重量:410kg
税込価格:341万8500円

ボリューム感あるフロントに対して、リアはスッキリとした流麗なフォルム。上質で豪華だが、迫力のあるデザインだ。ファーストエディションはホワイトのピンストライプが車体に入る。

BMW R18 TRANSCONTINENTAL FIRST EDITION

総排気量:1802cc
エンジン形式:空油冷4ストOHV2バルブ水平対向2気筒
シート高:720mm
車両重量:440kg
税込価格:403万2000円

基本フォルムはR18Bと共通だが、このトランスコンチネンタルはトップボックスとハイスクリーンを装備し、ボディ各所にメッキパーツをあしらった豪華クルーザー。

最新装備だけでなく濃厚な味わいも魅力

R 18の新型バリエーションモデルが登場した。サイドパニアが付いたバガーモデルのR18Bと、背もたれ付きのトップケース、ハイスクリーンなどを装備した豪華なツアラーモデルのトランスコンチネンタルだ。

注目して欲しいのは、この2機種ともベースはR18だが、単に装備を追加したのではなく、車体剛性を上げられていたり、エンジンのドライバビリティに関わる電制アシスト系の改良など、結構手が入っていること。

フレームはステアリングヘッド回りの剛性をアップ。大きなフェアリングを装備したことに対する補強というより、高速域での安定性や強引な操作で切り返した時の節度のある機動を狙ってのことらしい。

堂々たる体躯が生み出す余裕のクルーズ

実際に高速域での安定感はハンドルに生まれる節度だけでなく、車体の落ち着きそのものがかなり強調されている。これまでのモデルに対してカウルの高さがある分、強い横風を受けると煽られやすくはあるが、それでもドッシリとした直進性を高速域まで維持できるようになった。

にもかかわらず、タイヤサイズが従来モデルより細身になっていることから、左右への切り返し、ハンドルに返ってくる操作抵抗感はいくらか軽くなった。車格、車重から連想するよりずっと身のこなしがいいのだ。

コーナリングの話をすると、カウルがあるのでその分の重さが作用してか、最初の旋回性の立ち上がりは遅く感じるものの、旋回状態になるとレールに乗っているような安定感が生まれる。これが実に気楽な峠道クルーズを生む。曲がり方も自然で、車体をコントロールしやすく、80〜120km/hあたりまでのペースなら、ビッグネイキッドなどにストレスなく同行できる。これが両車に共通する、従来モデルから進化した部分だ。

ライディングモードはスポーツに相当するROCKとストリートのROLL、それにRAINの3モードを選べる。トルク型ビッグツインならではの弾けるような荒くれトルクや強いパルスを楽しみたいならROCKだ。

リアサスは走行状態や積載量を感知してプリロードを自動で穏やかに変化させる。その変化プログラムも走行モードで変わっているのか、このモードでは乗り心地が少し硬くなる。快適なのはレスポンスが穏やかになって、パルスの角も取れるROLL。リアサスもしっとりした動きになってツアラーらしいソフトな乗り心地になる。

新型R18Bとトランスコンチネンタルの巨大なエンジンはパルスやビート、それに猛烈なトルクによる瞬発力を楽しめる。この趣向が好きなライダーにとっては、濃厚な味わいで「本家」の米国製バイクと比べても遜色はない。造りも上質。馴染みやすいハンドリングも光る。快適装備にただ魅せられるのではなく、古典的な生き物のようなツインのテイストも愉しめるのが魅力だ。

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