文:山口銀次郎、ゴーグル編集部/写真:柴田直行
スズキ「ハヤブサ」各部装備・ディテール解説
左から燃料計、回転計、多機能液晶パネル、速度計、水温計がずらりと並び、一目でハヤブサであることが分かる独特な5連メーター。液晶パネルには時計、ギアシフトインジケーター、トリップメーター、走行距離といった基本情報から、前後のブレーキ圧や加速率といった細かなデータまで表示することができる。

KYB製のΦ43mm倒立フロントフォークは、フリクション低減のためにインナーチューブにダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングが施され、あらゆる速度での路面への追従性を向上。フロントブレーキキャリパーはブレンボ製の最高峰グレードのStylemaで、ローターにはΦ320mmという大径なものをチョイス。

空気の壁を切り裂くエアロダイナミクスデザインは、超高速走行を実現するハヤブサの大きな鍵となる要素。新型ハヤブサは、縦型2灯ヘッドライトなどの歴代ハヤブサが受け継いできたディテールも取り込みながら、優れた空力特性を磨き上げ、ライダーとマシンが一体となる流麗なフォルムに仕上げられている。

長時間の連続走行も求められるスポーツツアラーだけに、燃料タンクの容量は20Lという大容量なもの。タンクと周辺の形状はスマートで下半身の収まりが良く、マシンのホールド感を重視した人間工学的なデザインだ。

ライダーがクラッチやスロットル操作をせず、シフト操作ができるクイックシフターも装備。アップ、ダウン両方の操作に対応し、2段階の動作モードを備える。モード1はシャープなシフト感の「スポーツ」モードで、モード2はソフトな「街乗り」モードだ。クイックシフターの動作をオフにすることもできる。
左右2本出しのマフラーレイアウトはハヤブサの伝統。大きなサイズで消音やキャタライザー内蔵のためのサイレンサー容量が確保されているが、サイレンサーは左右幅を抑えて薄く造られているので、左右への張り出しは意外なほど小さく、大きく後方に跳ね上げられていてバンク角も確保。
シートはライダー側、パッセンジャー側共に肉厚で、クッション性が高く快適性は良好。シート高は800mmで足着きも良い。タンデムシートの下にはETC2.0車載器を搭載、タンデムシートを外してオプションのシングルシートカウルの装着できる。ただしシングルシートカウルを装着する場合には構造変更申請が必要。
まるで四輪車のような左右分割デザインの、LEDテールコンビネーションランプが目立つ個性的なリアビュー。その下に装着されているボディパネルは、スーパーカーやレーシングカーなどに採用されるリアディフューザのようなディテールを備えていて、独特のハイテク感を感じさせている。
Hayabusa | official development team interview video : Poised to Create a New Legend | Suzuki
www.youtube.comスズキ「ハヤブサ」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2180×735×1165mm |
ホイールベース | 1480mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 264kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1339cc |
ボア×ストローク | 81×65mm |
最高出力 | 188PS/9700rpm |
最大トルク | 15.2kgf-m/7000rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/50ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・ディスク |
メーカー希望小売価格 | 215万6000円/216万7000円(税込) |
文:山口銀次郎、ゴーグル編集部/写真:柴田直行