文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年1月14日に公開されたものを転載しています。
電動用のバッテリーには、鉛蓄電池を使ってます
2021年に投入された五羊ホンダの電動スクーター「U-GO」と「U-be」は48Vのリチウムイオンバッテリーを搭載していますが、それらの1世代前の製品である「e-pop」と「e-SCR」は、中国市場で共通品として多くが流通している、60V20Ahまたは70V20Ahの鉛バッテリーを搭載しているのが大きな特徴です。
なお中国は2019年4月15日に、新たに「電動自行車安全技術規范」=電動自転車の安全に関する技術仕様を施行し、運転免許が必要なEV=エレクトリックビークル(電動バイク)、EM=エレクトリックモペッド(電動モペッド)、そして免許不要のEB=エレクトリックバイシクル(電動自転車)の3つに区分されました。e-popとe-SCRはともに、EMとEBの仕様が用意されています。
ところで・・・"5H-e"ってナニ!?
U-beもそうですが、五羊ホンダの電動スクーターには、"5H-e"というロゴが使われています。
この5H-eとは、5(五羊=Wuyang)H(ホンダ)-e(エレクトリックビークル)を意味しています。中国各地域には五羊ホンダ製電動スクーターの販売・サービスを手がけるディーラー網がはりめぐらされていますが、それらショップにも5H-eロゴが飾られているのです。
上述の新法・・・「電動自行車安全技術規范」は重量規制変更によって、重たい鉛バッテリー使用を事実上封じる意図がありましたが、e-popとe-SCRはこの規制を回避することができているのでしょう。もっとも五洋ホンダからは新たにこれら"e"系の後継である"U"系が登場したので、いずれ2025年になる前に"e"系は廃盤になるのかもしれませんが・・・?
なおe-popはEM版が3,888元≒6万9,900円、EV版が4,188元≒7万5,400円。e-SCRはEM版が4,188元≒7万5,400円とs-popのEV版と同額で、EV版が4,488元≒8万1,000円・・・となっています。
ユーザー自身が簡単にターミナル接続ができる作りで、汎用性のある鉛バッテリーが使えるなら・・・。日本に持ち込んで使う場合にも、いろいろ融通が効きそうな気もしますね。興味ある方は、個人輸入にトライしてみては? あ、自己責任でお願いいたします(笑)。
五羊ホンダ e-pop 主要諸元(EV版WH1200DT-8)
モーター 1,200W バッテリー 60V20Ah(12V20Ah x5) 最高速度52km/h 航続距離70km 登坂能力13°
寸法・重量 全長x全幅x全高 1,730×700×1,050mm ホイールベース 1,240mm シート高710mm 最低地上高135mm ブレーキ型式 前 ディスク 後 ドラム タイヤサイズ 前後 80/100-10 車重 99kg
五羊ホンダ e-SCR 主要諸元(EV版WH1200DT-8A)
モーター 1,200W バッテリー 60V20Ah(12V20Ah x5) 最高速度52km/h 航続距離70km 登坂能力13°
寸法・重量 全長x全幅x全高 1,760×675×1,094mm ホイールベース 1,235mm 最低地上高150mm ブレーキ型式 前 ディスク 後 ドラム タイヤサイズ 前 3.00-12後 3.00-10 車重 100kg
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)