定番的作り込みを進化させていくお勧めパッケージ

「カワサキZRXというシリーズとして各モデルは共通、だいたい同じと見えてしまうんですけど、やっぱり1100/1200/DAEGにはそれぞれの特徴がある。まずそれを掴むこと。その上で、どんな使い方をするのか、オーナーさん自身が自覚していること。これがZRXを楽しむ上で大きな要素になるんですよ」。

しゃぼん玉・本店でマネージャーを務める滝川さんに、ZRXカスタムのお勧めを聞いたところ、まずこう切り出してくれた。滝川さん自身もZRX1100に登場当初からもう25年近く乗り続け、文字通りにあらゆるカスタムを試し、同じく文字通りにストリートからサーキットまで走らせ、楽しみ続けている。だから今に至るまでのその時々の流行や、どの時代にも通用する内容を理解している。その流れで、このZRX1200Rカスタムの内容を説明してくれた。

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「この車両は元々は私が(しゃぼん玉)一宮店にいた当時から手を入れていて、今は一宮店でスタッフの熊木が担当しているものです。それで全体感を言うならこれは“今ZRX1200Rに手を入れるならこうしたい”というパッケージの見本的な仕様ですね。

吸排気系を換えてホイールを鍛造品にして、前後サスペンションも換える。ブレーキもブレンボマスター/キャリパーにサンスターディスクの組み合わせで強化する。そのほかはポジション系をしっかりオーナーさんに合わせて、外装フルペイントでまとめる。

じつはこの車両は、オーナーにとっては2台目のZRX。サーキット走行会も走りますし、1台目でZRXというバイクをよく知ってきた。その上で製作された車両なんです。ZRX1200Rの場合もDAEGと同じくめっきシリンダーで、エンジンをいじるケースは少なめ。その分が吸排気系や足まわりに向くわけですが、フロントフォークオフセットは1100/DAEGの30mmと異なる28mm。スイングアーム長やショック長は、それぞれ1100ともDAEGとも異なります。

悪く捉えるのではないんですけど、1200はZRXシリーズの中では中途半端な立ち位置のようになっているんです。進化の途中だったと言った方がいいでしょうか」とも滝川さんは1200の特徴も含めて言う。

画像2: 定番的作り込みを進化させていくお勧めパッケージ

だからこそ、冒頭のように車両の使い方を明確にすることが大事となる。中途半端と思われる分は、使い方に合わせてきっちり方向を決める。そのことでより自分に合った車両になる。この車両はそこも決めたからこそ、さらに距離を重ね続けているのだ。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

ハンドルバーはストレートタイプを低めにセット。現在の走行距離は2万6000km超だ。左右ラジアルマスターはゲイルスピード・エラボレートを使う。

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燃料タンクやフロントカウル等の外装類には、Z1000Mk.Ⅱを思わせるエンジ+ゴールド/ホワイトの子持ちピンストライプでオールペンを施している。

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テールまわりはフェンダーレスキットを組んで小型ウインカーとでルックスをすっきりさせる。グラブバーもボディ同色でペイント。

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クラッチレリーズのフルード漏れも注意したいポイント。フロントスプロケットカバーはポッシュ製でステップはストライカーだ。

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エンジンは左右のカバー類も含めてZRX1200Rノーマルのまま。「ZRX1200R/DAEGはエンジン内部に手を入れるケースは少なめです」とも滝川さん。フレームスライダーはモリワキエンジニアリング製、右側エンジンスライダーはアグラス製(ブラック)をセットしている。

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キャブレターはFCR-MJNで、原田消音器製チタンフルエキゾーストとの組み合わせ/セッティングにより軽量化とパワー感向上を図る。

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フロントフォークはオーリンズ正立を純正ステムでクランプする。フロントブレーキはブレンボCNCキャリパー+サンスターディスクの組み合わせだ。

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リヤブレーキはキャリパー/ディスクともに純正。リヤショックはオーリンズでスイングアームはノーマルだが、撮影後には換装予定となっていた。

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前後ホイールはアルミ鍛造のゲイルスピードType-Rで、ノーマルと同サイズの3.50-17/5.50-17インチ。ドライブチェーンはRKだ。

取材協力:しゃぼん玉

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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