現役当時は最新という事実を改めて考える

ブライトロジックによるスズキGS1000。GSは1970年代末の登場だから、現役からもはや40年以上が経過したれっきとした旧車だ。

この車両の場合は各部点検後にベアリングやシール類を新品交換、フロントブレーキをダブルディスク化するなどのレストア&ライトチューンが施されている。だがよく見ていくと、キャブレターが時代の進んだ純正の負圧式CVKに、ドライブチェーンも純正630でなく530サイズにコンバート、見えないところではレギュレーターも新しいもの(GSノーマルの新品という意味でなく、より新しいスズキモデル用)に変更される。

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スロットルも見直しクラッチもレリーズ変更などを行って操作系は軽くなる。エンジンはセル一発でかかるし、置換したCVKキャブレターによる過渡特性も上々。ブライトロジック・竹中さんはGSや空冷カタナへの純正CVKキャブコンバートを多く手がけていて、わざわざ装着のためのインシュレーターも製作しているほどだ。

カタナ用のノーマルフロントブレーキキャリパーも“素性がいい”とオーバーホールした上でGSに使うことも多く、この車両でも同様。もちろん、もっとコントロール性や制動力を高めたいと思うならば同店では別の選択肢も十分に持っている上での装着だ。

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ところでブライトロジックは多くの新型も見て、手を入れているのに、旧車にも手を入れる理由は? と思う向きもあるだろう。竹中さんは「旧車が現役、つまりその当時の新型だった時にも、ノーマルで飽き足りない部分をあれこれ換えて、良くしていったんです。GSやカタナ当時だとヨシムラがその総本山で、私もそこで学んだので、速くなって、よく止まる、よく曲がるようにしたくなる。それでオーナーさんの感性に動きが合えば確実にうまく、安全に走れるようになるし、所有感も注目度も上がるんですよ」とさらっと答えてくれる。

なるほど、GS現役当時にカスタムやチューニングで高められた要素、バイクとしての芯の部分を見極めて作り込んだ技術は、今も応用していけるということなのだ。

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ヘッドライトリムもケースも、そしてウインカーステーもレンズもリフレクターもノーマルで、元から良好な状態を維持するようにしている。

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「元々ウインカーもメーター(写真)も、燃料タンクの外も中もきれいな状態だった」(竹中さん)というこの車両、その言葉通りに外装は良好なフルノーマルで、メーターまわりも特に手を入れる必要がなかったという。シートも純正品だが、長距離乗って疲れないとのこと。

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シンプルな可倒式バーのステップやシフトペダル/リヤブレーキレバー類もGS1000のノーマルだ。ラバー類はもちろん新品に交換されている。

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空冷直4エンジンは「かけてみて状態が良かった」(竹中さん)ということでそのまま。この先、パンクしてしまうことが予想されるレギュレーターも、スズキのより新しいモデル用に交換、バッテリーも新品にする。スチール4-1集合管と合わせてセルボタンを押せばすぐ始動。

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キャブレターはノーマルVM26SS+エアクリーナーボックスからCVK+パワーフィルターに。アダプターはブライトロジックによるオリジナル品だ。

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フロントフォークはダブルディスク化した上でインナーチューブも再生するなどオーバーホール、フロントキャリパーは1100カタナ用を流用装着している。

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スイングアームやリヤショックもノーマルのまま。ドライブチェーンはRKの530XW。タイヤはブリヂストンBT45の新品に履き替えている。

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ホイールは'70年代末当時のイタリア・メルバ(melbar)製キャストの19/18インチに置換。前後ブレーキラインはステンレスメッシュ化した。

取材協力:ブライトロジック

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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