文:中村浩史/写真:松川 忍、夏目健司
スズキ「GSX-R125 ABS」でレースに出場してみた!
2021 HSR スーパードリームサンデー8時間耐久レース|参戦レポート
スーパースポーツたるGSX-R125はやっぱりサーキットでより魅力が光り輝く。前後17インチが出場できるミニバイクレースにこれからどんどん台数が増えそうです!
絶版の名作ミニバイクレーサーMH80やNS50Rのように
1990年あたりにこそ敵わないけれど、今またミニバイクレースが盛り上がっている。2000年代はじめにエイプ100が発売されたあたりから、XR100モタードやGROM、それにZ125なんて12インチの4ストロークミニバイクが中心になって、かつてのNSR50時代にはなかった「楽しむ」ミニバイクレースだ。1990年代の2ストローク時代はガチでキツいレースだったからねー!
ツインリンクもてぎのDE耐、スポーツランドSUGOや富士スピードウェイのミニろくと同じく、年末に行なわれる、九州はHSRサーキットの「8耐」もミニバイクレースを代表するイベント。このレースに、2020年末に出場したことがある。レーシングスタンドでおなじみのJトリップ森社長と仲間たちのチームに混ぜてもらって、GROM125で参加したのだ。
そのHSR8耐に、2021年末にも出場したが、今年のマシンはGSX-R125だった。これは、DUKEやCBも含め、エントラントを増やそうとHSRが承認したもので、17インチのフルサイズ125ccも出場できることになったのだった。
JトリップのGSX-Rは、マフラーが変わっているくらいのストックレギュレーションで、タイヤはバトラックスレーシング。最高速は、メーター読みで130km/hを超える。
僕もこれまで、エイプやXR100、GROMでミニバイクレースをしてきたけれど、GSX-Rは何と言ってもサイズがいい! 窮屈な12インチに比べて、フルサイズはストレートでの伏せ姿勢もコーナリングでも、とにかく楽で、これならば体が悲鳴を上げ始めている40歳代以上のおじさんミニバイクレーサーにも優しい!
いまだにミニバイクレーサーたちの人気の高いMH80RやNS50Rの再来ともいえるサイズなのだ。
これからどんどん増えてくる17インチフルサイズ125
8時間耐久を8人で走る、我がJトリップレーシング。ここでもう、勝ちより面白がる、というチームのポリシーが感じられますが(笑)、21年大会では、GROMに替えてニューマシンGSX-R125で、フルサイズ125ccのミニバイクレースへの適正を実証することも狙っている。
「ええ歳になったら、12インチでかがんで走るの、しんどいやんか。せやから17インチ、それならフルカウルのGSX-Rやろ? カラーリングは鈴鹿8耐にも出る寺本幸司車のGSX-R1000と同じやで」と、ニューマシン投入を決めた森社長。
走り出してみると、フルサイズの動きが心地いい。サーキットとはいえ、そこは125ccクラス。最高速度は、約500mのバックストレートで出る、メーター読みで130km/h、きっと実測だと120km/h弱だ。
革ツナギメーカー「ジニアス」の高橋社長の采配で、僕の出番は8人中4番目。耐久レースだから、もちろんペースを守ってポジションを落とさないように、なんて考えなきゃいけないんだけど、まぁ楽しいもんだから、好き勝手に走っちゃう。
街乗りでは感じられなかった全開加速も頼もしく、フルバンクが不安なく気持ちいい。HSR九州は、ハードブレーキから旋回、なんてコーナーは少ないから、開け開け、イケイケ。
まわりの12インチミニバイクには、17インチの大径ホイールのおかげでラクラク追いつくことができる。その分、へたっぴだからコーナーでは追いつかれるんだけれど、抜いて抜かれて置いていかれて追いついて、の繰り返しが楽しい! これがレース、それも安全で楽しいミニバイクだ。
よーし、練習して今年の年末も! そんなヤル気を起こさせるのも、17インチミニバイクの楽しさだ!
文:中村浩史/写真:松川 忍、夏目健司