文:中村浩史/写真:赤松 孝
スズキ「GSX-R1000R」ライディングポジション・足つき性
シート高:825mm
ライダーの身長・体重:178cm・80kg

スーパースポーツらしいキツめの前傾ポジション。ライバル勢と比べると、ハンドルは低いが近く、ポジションも高すぎない、コンパクトな前傾ポジションという感じ。


本来はこういう姿勢がしっくりくるモデル。この状態の上目使い、前を向く瞬間の首の痛み、少しでも空気抵抗を減らそうと伏せる力が、なかなかオジさんにはつらくなる。
スズキ「GSX-R1000R」実測燃費・航続可能距離

前部をエアボックスとしたフューエルタンク。容量は16L。
今回の試乗では回転数をさほど上げないように走って、実測燃費は約22km/L。満タン走行可能距離は約350km、燃料計の「E」マークが点滅を始めたら、ガソリン残量は1.4L。
スズキ「GSX-R1000R」各部装備・ディテール解説

2017年発売の現行モデルからフレームがシェイプアップされ、フレーム剛性をコントロールしているのが大きな特徴。高剛性フレームでタイヤを路面に押し付けるより、タイヤグリップを生かしてフレームで吸収する、MotoGPマシンGSX-RRにも見られる、最新の車体構成技術が投入されている。

GSX-R1000シリーズ共通の水冷並列4気筒エンジン。現行モデルでは可変バルブ/フィンガーフォロワーロッカー/排気バルブを内蔵したエキパイ/デュアルインジェクター/2ステージファンネルを採用。

大容量サイレンサーをブラックアウトした4-2-1レイアウトのマフラー。エキパイは1-4番と2-3番が連結され、その連結部にサーボモーター制御のバルブを内蔵。低回転ではバルブを閉じてトルクを増大させる。

シフトロッドにセンサーが装着されていることでもわかるように、シフトUP/DWNともクイックシフターを採用。写真に見えるフレームのスイングアームピボット部が華奢なのもMotoGPマシンGSX-RR的。

Φ320mmディスクローター、ラジアルマウントの対向4ピストンモノブロックキャリパーともブレンボ製。マスターシリンダーはニッシン製ラジアルポンプ、フロントフォークはショーワBFFタイプの倒立。

スイングアーム本体上に補強ブリッジを持つアルミスイングアーム。2次減速比は2.647でスプロケット丁数はドライブ17/ドリブン45。2016年モデル以前のR1000からドリブンが3丁増え、ショートレシオへ。

高輝度LEDを採用したコンパクトな上下2分割式ヘッドライト(ロービームが上/ハイビームが下点灯)と、その左右にラムエア取り入れ口と、その開口部上部にLEDポジションランプを採用。ウィンカーもLEDだ。

ギアポジション表示つき、バーグラフ式タコメーターのデジタルメーター。スピード表示の下はオド&ツイントリップ、時刻、外気温が表示され、その左に燃料計と水温計、その上にパワーモード(A/B/C)とトラクションコントロール(1〜10とOFF)、液晶左上にETCインジケーターが表示される。

左スイッチはモードボタンでパワーモードが切り替えられ、モードボタン長押しでトラクションコントロールを設定できる。

右スイッチはキル&セルスタータースイッチとハザード。

前後に段差のあるシートは、タンデム部の前にあるキーでタンデムシートが取り外しでき、ヘルメットホルダーを使用可能。ライダー側は、タンデムシート裏にあるヘキサゴンレンチ2本で取り外す。

ヘルメットホルダーはタンデムシート裏のフックにDリングをかけ、そのままシートを取り付けて共締め。シート裏に2種類のヘキサゴンレンチが取り付けられている。


ライダーシート下付近にバッテリーを装備、やや後方にETC2.0車載器を標準装備するが、そのためにサイドカバー一体式テールカウル、前後シート、キー穴パネル部を取り外す必要があり、アクセス性はよくない。

タンデムステップ裏にはドローコードをひっかけるフックも標準装備。荷物積載はあくまでもエマージェンシーだが、バッグ装着も不可能ではない。こういったスーパースポーツらしからぬ親切さもGSX-R的。

GSX250RやVストローム250にも使用される面発光LEDを使用したテールランプ一体式ストップランプ。ナンバー灯もLEDで、従来のバルブに比べて約半分の大きさのため軽量で、フェンダーを軽量化できる。
サスペンションのセッティングを簡単解説
前後サスペンションのプリロード、伸/圧側の減衰力調整ができるのがスーパースポーツの特徴。そんなに難しいものではないぞ!
フロントフォークのスプリングプリロード。これは「スプリングの強さ」調節で、無段階調整が可能。

この部分では伸/圧側減衰力調整が可能。圧側はフォークの縮み方向、伸び側はその戻り方向の減衰力を調整できる。

リアサスの伸/圧側の減衰力調整。スプリングプリロードは専用のフックレンチで調整可能。
スズキ「GSX-R1000R」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2075×705×1145mm |
ホイールベース | 1420mm |
最低地上高 | 130mm |
シート高 | 825mm |
車両重量 | 203kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 999cc |
ボア×ストローク | 76.0×55.1mm |
圧縮比 | 13.2 |
最高出力 | 197PS/13200rpm |
最大トルク | 11.9kg-m/10800rpm |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター | 23°20' |
トレール | 95mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/55ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・ディスク |
メーカー希望小売価格 | 215万6000円(消費税10%込) |
文:中村浩史/写真:赤松 孝