後期型LTDにロング化&バンク角確保を施した“謎仕様”

エンジンは空冷Z、フレームも基本的にZそのままで、クルーザーの要素を加えながらもそちらに引っ張られすぎていないと言えるLTDシリーズ。Z自体がオールラウンドだったが、それをスポーツ方向に追わず、普段使いやリラックス性を重視して作り込んだ仕上がりにLTDの魅力がある。それを踏まえてこの車両を見ると、LTDシリーズへのカスタムのヒントも隠されているようだ。

「角型ヘッドの後期型をベースにしたカスタムです。オーナーさんは元々Mk.llに乗ってらしたんですけど、角Zも今何かと話題になってて、注目されるのが面倒だからって、乗り換えられたんです。それで“任せる”って割と好きに手を入れさせてもらったんです」と、ブルーサンダースの岩野さん。どんな感じで手が入ったかは、基本コンセプトとオーナーからのいくつかの要望からも分かってくる。

画像1: 後期型LTDにロング化&バンク角確保を施した“謎仕様”

「コンセプトらしきものは“何がベース車になっているか分からない”ということ。そこにLTDはぴったりだったんです。その上でスイングアームは少し伸ばして、車高は下げようというように考えていたのですが、オーナーさんが“峠も走るからバンク角がほしい”ということで車高はそのまま。ハンドルは少し低めでまっすぐめ、ステップは少し特殊な方法でオーナーに合わせた位置にしました。

マフラーは車高の低いドラッグレーサーで使ってるようなサイドワインダー。キャブレターはLTDのノーマルVMですね。

エンジンはノーマル。ただLTDの場合は車両に跨がって上から見た時に、Zよりもヘッドが多めに見えてますから、コードもあの頃っぽい色つきのにしようって、探して換えました。4輪のV8エンジン用のアクセル製コードがあったので、それを加工流用してます」

画像2: 後期型LTDにロング化&バンク角確保を施した“謎仕様”

外装も後期型ノーマルを生かしながら、燃料タンク〜テールカウルの上面に純正グラフィックの同系色でピンストライプを追加。テールランプも現代モデル用のウインカー一体型を流用し、謎バイク度を深める。さらにシート表皮にはダイヤモンドパターンのステッチを入れ、ダイヤパターンの大きさや糸の色にもこだわったと言うから、相当マニアックに手が入っている。それでも足まわりも含め、多くの部分はLTDそのままが生かされているのは、LTDの良さを勧める岩野さんらしい。

「そこはちゃんと整備とセットアップがしてあればあえて換える部分でもないのと、謎度をキープしている部分かもしれません。この車両、今後ターボ化するつもりで、自分でストックしていたアメリカ製ユニットを付けます。配管は下を回しすようにして、吸排気の仕様もだいたい決めてますから、あとは組み付け」と、さらに謎感も深められ、かつ走りも見た目も、楽しくなりそうだ。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

ヘッドライトはKZ1000LTD純正よりも小径ながら小さすぎない程度にとマーシャル製に。ウインカーもH-D用をフロントフォークにセット。

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ハンドルはノーマルよりも少し低めでまっすぐめのタイプに変更。メーターまわりはノーマルで、フロントマスターはMAGURAとした。

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燃料タンクは純正で、サイド部のグラフィックも純正。タンク上面とテールカウル上面に純正色を使ったピンストライプを加えている。

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シートはノーマル同様の段付きタイプながら、リヤ側をフラットとし、ダイヤモンドパターンステッチを入れたレザーに張り替えた。

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テールランプは現代SS用のウインカー一体型をいくつか試し現状のものに。左ナンバーホールドボルト部にあるLEDがナンバー灯だ。

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エンジンはノーマルをリフレッシュ。角型ヘッドからも後期型LTDだと分かる。キャブレターはノーマルのVM26SSで、排気系はバンス&ハインズ・サイドワインダー。ローダウンしないことで今空いている腹下のスペースが今後ターボ化の際に配管等に活用されそうだ。

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フロントはφ36mmフォークや片押しブレーキキャリパーとも後期型ノーマルで、フロントディスクは前期型ノーマルのソリッドディスクを装着。

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リヤブレーキは後期型KZ1000LTDノーマル。リヤショックはWPで、スイングアームはLTD純正を延長加工。ステップはバーをワンオフした。

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2.15-19/3.00-16インチのキャストホイールは後期型ノーマル。前期型とほぼ同じだが、リヤホイールリムの縁に返しがない点が後期型の特徴で、こうした変化もカスタム感や謎感の演出に役立っているようだ。ドライブチェーンも530サイズ/ゴールド化されている。

取材協力:ブルーサンダース

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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