文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)
※この記事は「ロレンス」で2022年6月8日に公開されたものを転載しています。
そもそも「バランスバイク」とは?
2022年6月7日に公開が予告されていたカワサキの「エレクトロード」は、3〜8歳の子供を対象とした電動バランスバイクです。バランスバイクとは本来"駆動輪のない"バイクであり、ライダーが足で地面を蹴って動く乗り物です。駆動輪によって保たれる自立性がなく、ライダーがバランスをとって走る乗り物だから、バランスバイクと呼ばれるわけです。
ホイールインモーターを備えるエレクトロードを見て、「ちゃんと駆動輪があるのにバランスバイク・・・?」と思う方もいるかもしれませんね? ただ、同種の電動バランスバイクはすでに多くの製造業者から販売されており、2輪車の乗り方を覚える乗り物という意味でのバランスバイクということで認識され、電動車のひとつのジャンルとしても確立されています。
カワサキによる設計・製造ですが、モーターはあのメーカーの製品ですね!?
エレクトロードの特徴のひとつは、駆動用チェーン/ベルトが不要で生産コスト的にも優位なホイールインモーターを採用することです。またチェーン/ベルトがないことは、言うまでもなくチェーン/ベルトのメンテナンスが不要で、チェーン/ベルトが発する音がないゆえの静粛性の高さもそのメリットです。
もっともチェーン/ベルトがないことの、バランスバイクとしての最大のメリットは、転倒時などのときに子供がチェーン/ベルトに巻き込まれる怪我をするリスクを排除できることでしょう。多かれ少なかれ、乗り物を操縦することは危険がつきまとう行為ですが、なるべくリスクを軽減することは、子供向け製品では強く求められるべきことです。
ライディングポジションは、オフロード車的なアップライトなもの。サドルとハンドルバーの位置はアジャスタブルで、身長37インチ≒94cmから55インチ≒140cmまで、子供の成長に合わせて簡単にポジションを変更することができます(最大許容体重は45kg)。
メインフレームはアルミ合金製で、36V 5.1Ah(187.2Wh)のリチウムイオンバッテリーを内蔵する構造。航続距離は条件によって変化しますが、カワサキは1充電で最大2.5時間(または約9マイル≒14.5km)を走ることが可能と説明しています。
気になる価格は・・・1,099ドル(約14万6,300円)です!
多くのバランスバイクは価格を抑えるためプラスチック製のホイールを採用したりしますが、エレクトロードは耐久性に優れる16インチ鋳造アルミ合金ホイールをおごっています。それに組み合わされるタイヤはノビータイプで、スタイリング的にもその魅力を高める効果を発揮しています。
そのほかの装備で興味深いのは、折りたたんだ状態で固定できるフォールディング式フットペグを採用していることです。駆動輪のないバランスバイクのようにセルフプッシュで前に進めるときに使う機能ですが、自信を持ってモーターの力のみで走れるようになるまで、足を使ってエレクトロードに馴染んでください・・・という意図によるものです。
気になる価格ですが、アメリカの希望小売価格で1,099ドル≒14万6,300円です。キッズ向け電動モトクロッサーに比べればはるかに安い価格ですが、日本市場に導入されたらお子さんにコレを買い与えたいというお父さんも少なくないのでは? 期待しましょう!?
カワサキ エレクトロード 主要諸元
■モーター:空冷ブラシレス・インホイール パワーモード:3段階(ハイ/ミッド/ロー) 最高速度:13/7.5/5mph
■バッテリー:フレーム内蔵式リチウムイオン電池 電圧・容量 36V 5.1Ah(187.2Wh) 定格出力:250W 駆動時間:150分 充電時間:約2.5時間 最大充電サイクル:500回 充電電源:AC単相110V
■寸法・重量 全長x全幅x全高:1,235x582x767mm 最低地上高:139mm シート高:410〜520mm ホイールベース:832mm 乾燥重量:14.5kg キャスター/トレール:25度/75mm ハンドルクランプ:22.2mm ステアリングステム:28.6mm シートポスト:27.2mm ブレーキ:160mm径機械式ディスク(リア) タイヤサイズ:前後16x2.125
■価格:1,099ドル(約14万6,300円、米国市場希望小売価格)
文:宮﨑健太郎(ロレンス編集部)