3年ぶりの鈴鹿8耐、いよいよカウントダウン!
前売り観戦券も発売になり、いよいよ8月7日に決勝を迎える「鈴鹿8耐」へのカウントダウンスタート! 鈴鹿では事前テストも始まっていて、さぁ梅雨が明けたら3年ぶりの鈴鹿8耐です!
開催まであと1カ月ちょい。真っ先にワークスチームの参戦を発表したカワサキに続き、ヨシムラスズキが、そしてHRCが参戦メンバーを正式発表しました! ちょっと楽しみな顔ぶれがそろい始めましたよー!
顔ぶれを見ていて思うのは、鈴鹿8耐の存在意義の変化について、です。
言うまでもなく鈴鹿8耐っていうのは、世界耐久選手権の一戦であり、特別な一戦。かつては、世界耐久チャンピオン決定戦をさておき、日本でいちばん大きなバイクレースという意味の方が大きく、このレースだけのために結成された「ワンマッチチーム」での争いがレースの目玉でした。
HRC、ヤマハワークス、スズキワークスやヨシムラスズキ、そしてカワサキワークスチーム。年代によって差はありますが、世界タイトルとは直接関係のない、このワンマッチチーム=日本4メーカーのワークスチームが日本でいちばん大きなバイクレースを勝ちに来ていたんです!
「鈴鹿8時間耐久の優勝は、GP500のシリーズタイトルと同じ重みだ」と公言していたメーカーもありました。今ではMotoGPが世界最高峰のバイクレースで、鈴鹿8耐=世界耐久、そして世界スーパーバイク(=WSBK)が市販車をベースとしたマシンで世界最高峰のレース、と見られていますね。
しかしこの数年の流れを見ていると、ワンマッチチーム参加の機会は減り、鈴鹿8耐は世界耐久チャンピオンシップのための重要な1レースと捉えることの方が大きくなった感があります。世界耐久レギュラーチームの参加が増え、そこにワンマッチチームが花を添える、という争いですね。
前回の鈴鹿8耐は2019年。その42回大会には、ワンマッチチームとして「カワサキレーシングチーム鈴鹿8耐」(KRT=カワサキワークスチーム)、「ヤマハファクトリーレーシングチーム」(=ヤマハワークスチーム)、「レッドブルホンダ」(=ホンダワークスチーム)が参戦、さらに全日本ロードレースチームを中心としたハルクプロやモリワキ、桜井ホンダ、鈴鹿レーシングや、チームカガヤマ、SYNCEDGE4413もチームを結成し、その一方でF.C.C.TSRホンダフランスや、ヨシムラスズキSERT MOTULレーシング、YARTヤマハ、SRCカワサキといった世界耐久レギュラーチームも参戦していました。ワンマッチチームと全日本チーム、そこに世界耐久レギュラーが混在する、バラエティに富んだレースでした。
そんな中で、3年ぶりに開催される第43回大会は、ワンマッチチームとして、KRT、HRCがスタンバイしています。さらに全日本ロードレースのチームを中心に、世界耐久チームがチャンピオンシップを懸けて参戦してくる、という感じです。
KRTは、WSBKのトップチームをそのまま日本に持ってくる感じ。“キング” ジョナサン・レイとアレックス・ロウズ、それに鈴鹿8耐優勝経験も豊富なレオン・ハスラムでトリオを組みます。
対するHRCはというと、MotoGPテストライダーである長島哲太に、イギリススーパーバイクでまだ成績があがらない高橋巧、そして今シーズンからHRCのワールドスーパーバイクチームに移籍して来て、これまでにない好成績を残している元MotoGPライダー、イケル・レクオーナ。事前テストでは、WSBK組のチャビ・ビエルゲと、高橋と同じくイギリススーパーバイクで苦戦中の水野涼も走っていましたが、この5人から3人を選ぶという形になったか、ビエルゲはWSBKの転倒で負傷、水野は選ばれませんでした。
これね、80年代後半とかだったらMotoGPチャンピオンと同じ重さがあるという鈴鹿8耐を獲るために、HRCはMotoGPのトップライダーを日本に呼んだのでしょうが、今年はMotoGPイギリスGPと日程が重なっていて不参加。まぁ、重なっていなくても、現在は「MotoGP優先」で、決してGPのトップライダーがやってくることはなくなりましたけど。
カワサキ、ホンダのワークスチームに対抗するヤマハのワンマッチ・ワークスチームは参戦予定なし、です。レイがやってくる鈴鹿で、WSBKチャンピオン争いをするトプラック・ラズガットリオグル見たかったなぁ、残念! ラズガットリオグルとアンドレア・ロカテリ、それにギャレット・ガーロフなんてトリオが見られたら最高だったんだけどなぁ! もうひとつ欲をいえば、中須賀克行、岡本裕生にWSBKから野左根航汰トリオも見たいよねー!
世界耐久選手権はここまで、開幕戦:ル・マン24時間、第2戦:スパ・フランコルシャン24時間を終えて、この鈴鹿8耐が第3戦。最終戦は9月18日に決勝を迎えるボルドール24時間です。
ここまで開幕戦を勝ったヨシムラスズキがチャンピオンシップをリードしていて、F.C.C.TSRホンダが2番手、YARTヤマハ、Tatiチーム、BMWモトラッドと、各メーカーのトップチームが続いています。
この中で、BMWモトラッドは鈴鹿に来る予定がないようなので、チャンピオンシップからは脱落かな。ヨシムラスズキとTSRホンダ、YARTがハイポイントを獲得できないことを願いつつ、最終戦ボルドールで勝負をかける、といったところなんでしょう。
※その後、発表されたエントリーリストに「BMWモトラッド」の名前がありました! お詫びして訂正いたします。そのエントリーリストは下記へ※
これで鈴鹿8耐は、KRTとHRCのワンマッチチーム、世界耐久チームのうち、鈴鹿を知り尽くしているヨシムラとTSRが優勝争いの軸になりそうです。
下記は、22年鈴鹿8耐の出場予定チームです。☆印を打っているのが正式に発表があった確定チーム、他チームは、事前テストに参加していたチーム。ほかも決まり次第お知らせします!
※6/21に第一次エントリーリストが発表されました。詳細は下記リンクへ※
2022 鈴鹿8時間耐久レース 出場予定チーム
☆TeamHRC 長島哲太/高橋巧/イケル・レクオーナ
☆F.C.C. TSRホンダフランス ジョシュ・フック/ジーノ・リア/マイク・ディ・メリオ
☆SDGホンダレーシング 名越哲平/浦本修充/榎戸育寛
☆ホンダASIAドリームwith SHOWA ザクワン・ザイディ/ゲリー・サリム
☆Astemo Honda Dream SIR 作本輝介/渡辺一馬/羽田太河
☆Team ATJ 日本郵便 岩田 悟/高橋裕紀/小山知良
☆Honda Dream RT 桜井ホンダ 濱原颯道/日浦大治朗/國井勇輝
☆TOHO Racing 清成龍一/國峰啄磨
☆Murayama. ホンダドリーム 秋吉耕佑/出口修/今野由寛
Sofukai Honda Suzuka Racing Team 亀井雄大/杉山裕樹/田所隼
GOSHI Racing 黒木玲徳/田尻悠人
☆YAMALUBE YARTヤマハ ニッコロ・カネパ/マービン・フリッツ/カレル・ハニカ
Team KODAMA 児玉勇太/長尾健吾
NCXX RACING with RIDERSCLUB 伊藤勇樹/南本宗一郎/井手翔太
AKENO SPEED YAMAHA 伊達悠太
OGURA CLUTCH ORC with RIDE IN 武田雄一
☆ヨシムラSERT MOTUL ザビエル・シメオン/シルバン・ギュントーリ/渡辺一樹
Baby Face Powered by YOSHIMURA 津田一磨
S-PULSE DREAM RACING・ITEC 生形秀之
☆TERAMOTO@J-TRIP Racing 寺本幸司/青木宣篤
☆カワサキレーシングチーム ジョナサン・レイ/アレックス・ロウズ/レオン・ハスラム
☆KRP 三陽工業&RS ITOH 柳川 明/松崎克哉/長谷川 聖
EVA RT01 Webike TRICKSTAR Kawasaki 大久保光/佐野優人
☆Kawasaki Plaza Racing Team 岩戸亮介/清末尚樹/岡谷雄太
☆オートレース宇部KENレーシング 新庄雅浩/川口篤史/可部谷雄矢
☆Team TARO PLUSONE 関口太郎/奥田教介/佐藤大紀
☆TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW 星野知也/石塚健/中富伸一
☆Team de”LIGHT 片岡誉/奥田貴哉/長谷川修大
↓第一次エントリーリストはこちら↓
写真/木立 治 後藤 純 文責/中村浩史