文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
ハーレーダビッドソン「ナイトスター」インプレ(宮崎敬一郎)
走りを自在に楽しめるフットワークのよさ
ナイトスターは、かつてのスポーツスターファミリーで言えば、身軽で扱いやすい883シリーズのような立ち位置だろう。実車を目の当たりにすると、小柄だが、そのフォルムが発するオーラは強烈で、スタイリングもバランスが取れていてカッコいい。このルックスだけでも大きな魅力だと思う。
エンジンはパンアメリカ1250やスポーツスターSに採用された「レボリューションマックス」系の975cc水冷Vツインを搭載する。吹けとしては、「レボリューションマックス1250T」エンジンによく似た、軽快で滑らかな回り方。排気量の割には2000〜3000回転あたりまでのパルス感に味があって面白い。
ライドモードは「スポーツ」「ロード」「レイン」の3種類。出力特性まで明確に変わるモード切り換えを搭載している。パワフルで吹けが最もダイレクトなのは「スポーツ」モードだが、反応が敏感過ぎることはないので、無駄にギクシャクしたりはしない。排気音も歯切れがよく、街中やツーリングでも普通以上に使いやすい。このモードだと5600〜9000回転にしっかりとしたパワーバンドがあり、特に7000回転以上が強力だ、これがロードモードになると、全体的に吹けがマイルドになる。
ショーワのフロントフォークとリアの2本ショックは、このすばらしいルックスを生むためにストロークが短め。試乗前は、ちょっとしたギャップなどでも忍耐を強いられるのでは…と覚悟していたが、試乗してみたら意外なほど快適。このタイプのショートストロークサスの中では抜群に動きがいい。
しっかりと強い減衰が効いているが、初期作動から奥で踏ん張るまでの動きが滑らかでしなやか。大きな凸凹ばかり選んで走れば突き上げられることもあるが、街中やツーリングで乗り心地がつらいと感じるようなことはないだろう。ちなみに、このナイトスターは空冷スポーツスターなどより自在に、深いバンク角でワインディングを楽しめる。あえて気になるところを挙げるなら、シート形状に合わせて座った時、ハンドルが遠いことぐらい。前に座れば…と思うかもしれないが、そうやると見た目がカッコ悪くなる。
ナイトスターはカッコいい上にどこでも器用に走り、乗り手も選ばないが、きっとセンスは問う。このバイクは強力なファッションアイテムでもあるのだ。まずはこのバイクが似合うオヤジになりたい。
ハーレーダビッドソン「ナイトスター」カラーバリエーション
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