2022年10月をもって生産終了となることが発表されたホンダ「CB400スーパーフォア」と「CB400スーパーボルドール」。じっくり乗れるのはもしかしたらこれが最後になるかもしれない、そう思いながら10日間、バイク通勤を中心に普段使いしてみた。
文・写真:西野鉄兵

ホンダ「CB400SF」に10日間乗って感じたあれこれ

画像: ホンダ「CB400SF」に10日間乗って感じたあれこれ

足つき性・取り回し

身長175cmの私が乗ると両足かかとまで体重の乗せて接地する。写真は、身長165cmの女性編集部員が跨った様子。かかとまでは接地できないが、つま先にはしっかり体重が乗っていて、跨ったまま動かすこともできた。


画像: 足つき性・取り回し

実測燃費・航続可能距離

今回は10日間、都市部だけでの使用だった。走行距離は204.2km。このうち高速道路の走行は2割ほど。給油量は10.4L。実測の平均燃費は、19.4km/L。油種はレギュラー。

現行のCB400SFには、平均燃費計も備わっており、そちらの数値は21.1km/Lだった。

燃料タンク容量は18L、けっこう入る。今回の燃費では計算上、満タンで349km走れることになる。


加速力・制動力

水冷DOHC4気筒エンジンの最高出力は41kW(56PS)/11000rpm。最大トルクは39N・m(4.0kgf・m)/9500rpm。ともに国内メーカーの現行400cc未満では最強の数値。

圧倒的な加速力で吹け上がり方がとにかく心地いい。そしてそれを制御するためのブレーキもしっかりとしたものだ。ABS前後搭載、フロントブレーキは4ポッドキャリパーのΦ296mmダブルディスク。

スロットルもブレーキも操作に油断は禁物。ビュンっと加速しビシッと止まれる。扱いやすい車体ながら、常に緊張感があった。街乗りだけでの使い方なら、持て余すほど。


排気音

エンジン音や排気音は大きめで、夜中に自宅周辺の住宅地を走る際はギアを高めにして、ほとんどスロットルを開けずに走った。

ただ高速道路やワインディングでは、気持ちいいだろう。音は走っていても、エンジンが高回転で仕事している感覚とともに、ライダーにしっかり伝わる。


収納スペース

いまとなっては珍しいが昔は当たり前だったネイキッドバイクのシート下小物入れ。すごく便利。今回の試乗期間中は、コンパクトなレインスーツを押し込んでいた。

ツーリングなら、カッパはシートバッグに入れるなどして、予備の財布やコンパクトな盗難対策用品、ハーフカバーなどを入れるのもいい。

ETC車載器は標準装備ではなく、推奨設置場所はこの収納の中となる(現行のCB400SBは標準装備)。

画像: ▲ヘルメットホルダーはオーソドックスな使いやすいものを標準装備。

▲ヘルメットホルダーはオーソドックスな使いやすいものを標準装備。


積載性

長い歴史の中で唯一退化してしまったのが、荷掛フックかもしれない。リアシート後方のフックが使いにくく、ストレッチコードやロックストラップを利用するには工夫する必要がある。荷物が積めないというほどではないが、積載は昔のモデルの方が得意だ。

現行CB400SFシリーズにおすすめのバイク用バッグは、シートを抱き込むタイプの取付ベルトを採用したもの。これなら安心して装着できる。


画像: 積載性

メーターの機能

古き良きアナログ2眼メーターの中央に液晶パネルも装備されている。ギアポジションが大きく表示されていてありがたい。残燃料と時計も常時表示。

表示の切り替えでオド、トリップA/B、トリップA/Bの平均燃費、瞬間燃費、外気温を表示できる。充分に多機能だ。


CB400SFの欠点

画像1: CB400SFの欠点

1.盗難の不安

スーパーや自宅に止めているのを見て、「なんだかものすごく盗まれそう……」と心配になった。これが日常的に使用していて思った唯一の不安だ。

ただCB400SFには、盗難抑止機構「H・I・S・S(Honda Ignition Security System)」が標準装備されている。これはオリジナルキー以外ではエンジンが始動できない、電子制御のイモビライザーだ。

それでも所有する人は、何かしらの盗難防止対策はプラスしてしておくのがおすすめ。特に今回の「キャンディークロモスフィアレッド」カラーは、絶版人気車CBX400F的な雰囲気もあり、目立つ。今後プレミア必至、というかすでに高騰し始めている。

画像2: CB400SFの欠点

2.余計な心配、現オーナーの今後のバイク

まったくもって余計なお世話だと分かっているが、CB400SFを愛しているオーナーやこれからCB400SFに乗る人は、いつの日かいよいよCB400SFに乗れなくなったとき、次に何に乗るのだろうか? と考えてしまった。

今回、CB400SFに長期間乗ることができ、あらためて傑作であることが分かった。「大型にステップアップする」「便利だからスクーターに乗り換える」とかなら分かるが、同様に400ccや250ccでスポーツタイプに乗り換えると「やっぱCB400は最高だったんだ……」って後悔しそう、と思ってしまったのだ。

全然違うタイプへの乗り換えでなければ、メンテナンスを頑張って、思いとどまったほうがいいかもしれない。本当に余計なお世話な話だと思われそうだが、つまりは何というか、オーナーがうらやましい。貴重さは今後より増していく。ぜひとも大切にしていただきたい。

文・写真:西野鉄兵

ホンダ「CB400SF」の主なスペック・価格

全長×全幅×全高2080×745×1080mm
ホイールベース1410mm
最低地上高130mm
シート高755mm
車両重量201kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量399cc
ボア×ストローク55.0×42.0mm
圧縮比11.3
最高出力41kW(56PS)/11000rpm
最大トルク39N・m(4.0kgf・m)/9500rpm
燃料タンク容量18L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜5′
トレール量90mm
タイヤサイズ(前・後)120/60ZR17・160/60ZR17
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
生産国日本
メーカー希望小売価格88万4400円~92万8400円
画像2: 【PR】バイクの窓口(株式会社オークネット・モーターサイクル) www.moto-auc.com

【PR】バイクの窓口(株式会社オークネット・モーターサイクル)

www.moto-auc.com

ホンダ「CB400SF」「CB400SB」関連のおすすめ記事

This article is a sponsored article by
''.