AMAスーパーバイクレーサーをモチーフに普段使いにも配慮

堂々とした立ち姿の中に前後18インチホイールが醸し出すスマートさも印象的な1台。ベースはホンダCB1100Fで、手を入れたのはCB-FやCBX系に強いT.T.Rモータースだ。オーナーは10〜15年前にもCB750Fを所有し、通勤などに使っていたのだという。その時気に入っていたことや思い入れが強かったことから、改めて普段乗れるCB-Fがほしいと思い、T.T.Rの林さんに相談する。そこにこの車両が出てきたため入手し、カスタムの手が入っていった。

目標はふたつあって、ひとつは先述の普段使い=ストリートでよく走ること。もうひとつは、’80年代初頭のアメリカ、AMAスーパーバイクシリーズを走ったAHM=アメリカン・ホンダ・モーターのCB750Fのスタイルに極力近づけること。

そう、フレディ・スペンサーの’82年デイトナ優勝でも知られるあのスタイルだ。パーツについてはT.T.Rにお任せで依頼しつつ、スイングアームの補強や全体の雰囲気にこだわって、このような姿を得たというわけだ。

画像1: AMAスーパーバイクレーサーをモチーフに普段使いにも配慮

18インチ仕様で3本スポークのホイールや当時の形状を持ったリヤショックなどのパーツをバランスして配置。フロントフォークは違和感を出さないように純正を使っていく。ここで効いているのが、T.T.Rで今力を入れている各種塗装だった。

耐候性が高いガンコートは同店で調色が可能。これをまずエンジン外観に施す。フロントフォークのボトムケースや、伸び縮み=変形がともなうリヤショックのスプリングはパウダーコートで仕上げて質感を統一。アメホンCBにはこれ、というメガホンエンドのマフラー(スチール製)にはセラミック塗装を施すなど、要求される条件も織り込んで使い分ける。外観もアメホンCBそのものに、これも塗装でしっかり仕上げる。必要ならばこの状態からコーティングも施せばいいし、それもT.T.Rでサービスを行っている。

画像2: AMAスーパーバイクレーサーをモチーフに普段使いにも配慮

改めて車両についてだが、エンジンは内部ノーマルながら、18インチらしいディメンションや現代的なブレーキコンポーネント、そして贅肉を排した分の軽量化も効いている。オーナーは「CB-Fの乗り味はそのままに、1100になった分のトルクの厚みで楽になっています。各部も750Fの時よりも軽くなって楽しい。外観も好みで仕上がってますし」と深く満足の様子だ。

なお、この撮影直前にはETC車載器も加え、さらに普段使いに合わせる仕立てが進んだ。旧車となったCB-Fをカスタムするに当たって、機能塗装で今後の維持性も高める。これからの車両仕立てに必要そうな要素にもぜひ注目したい、そんな1台と言える。

▶▶▶ヘリテイジ&レジェンズが取材した最新のカスタム・バイクはこちら!

Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

T.T.Rモータース/安田商会/クラフト3社合同のCB-F/R用バーハンドルキット39によってバーハンドル化する。これにクランプされるハンドルバーはスピードショップイトウのレンサルレプリカだ。メーターはCB1100F欧州仕様のノーマルで、左右メーターの間に収まるETCアンテナステーはT.T.Rが扱うIZM製でCB-F適合品。クラッチは油圧駆動化されていて、左右マスターシリンダーはブレンボRCSを使う。

画像2: Detailed Description 詳細説明

外装は'82年のアメリカン・ホンダ・モーターCB750Fカラーで仕立てる。テールライトをボルト止め風にしているのも同仕様がモチーフだ。

画像3: Detailed Description 詳細説明

エンジンはCB1100Fのノーマル1062ccで、クラッチをMGWのキットで油圧駆動化。外観はガンコートブラックで艶やかに仕上げられる。

画像4: Detailed Description 詳細説明

キャブレターはFCRφ37mmをエアファンネル+ネット仕様で装着する。ここにつながるシリンダーヘッド部でも艶感のあるガンコート仕上げの風合いが分かる。

画像5: Detailed Description 詳細説明

フロントフォークはCB1100F純正のφ39mmで、ボトムケースはT.T.Rでパウダーコート仕上げしている。フロントブレーキはブレンボ・アキシャルキャストP4 30/34キャリパー+サンスター・プレミアムレーシングディスク。ホースはスウェッジラインのブラック被覆仕様だ。

画像6: Detailed Description 詳細説明

スイングアームはUAS(ウエダレーシング)製アルミスイングアームにT.T.Rで補強を加えた上でパウダーコート。リヤショックはワークスパフォーマンス(現在絶版)でスプリングをパウダーコートで当時のカラーで色付け。レイダウン加工の上で装着している。

画像7: Detailed Description 詳細説明

リヤブレーキはブレンボP2 32キャリパーをKEINZ製サポートでマウント、サンスター・プレミアムレーシングディスクに組み合わせる。前後ホイールはアルミ鍛造のPMCソードでサイズは2.75-18/4.00-18。ストリートでの使い勝手も重視した仕様でもある。なおマフラーはミズノ製スチール4-1メガホンを、撮影の約1年前にT.T.Rでセラミック塗装したもので、このようにサビ知らずで進行中だ。

取材協力:T.T.Rモータース

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

▶▶▶ヘリテイジ&レジェンズが取材した最新のカスタム・バイクはこちら!

This article is a sponsored article by
''.