文:小松信夫、オートバイ編集部/写真:中村浩史
ホンダ新型「CBR250RR」各部装備・ディテール解説
レースベース車も登場
もてぎでは新型CBR250RRの通常モデルに加えて、レース参戦のためのレースベース車のイメージモデルも公開された。レースベース車は従来型のCBR250RRでも用意され、HRCを通じて販売されていた。FIセッティングツール対応化など細かくレース向けに仕立てられていたが、新型でも同様の内容になると思われる。
ホンダ新型「CBR250RR」従来型との比較
全身進化を果たした新型CBR250RRだが、一見するとその違いが分からない、という人のために、ここで新旧250RRをじっくり見比べてみよう!
従来型 2020 CBR250RR
新型 2023 CBR250RR
走りに関するメカも細やかに熟成された
新型CBR250RRのメカニズムのどこが従来型から変わったのかを再確認してみよう。まずはパワーアップされたエンジンだが、シリンダーヘッドを新しくして圧縮比をアップし、燃焼室形状も変更。カム、バルブ、フライホイールなど多くの内部パーツも改良。エンジンを制御するECUの改良で出力特性も見直され、さらにミッションのレシオ変更や二次減速比のショート化と合わせ、力強さを増している模様。
一方、車体の大きな改良ポイントとしては、Φ37mm倒立フロントフォークがSFF-BPタイプに変更され、動作性が改善されたこと。安定感の向上とともに、軽快なハンドリングを狙っているようだ。装備面では、スリッパークラッチは引き続き標準装備されているが、クイックシフターは国内向けでは従来と同じくオプション扱いになりそうだ。
エンジンは41PS→42PSに
シリンダーヘッドが新しくなるなど、多くの新パーツを投入して42PSにパワーアップした新エンジン。インドネシアでは42PS仕様の搭載モデルは「SP」とされていて、スタンダードのCBR250RRはSPとは異なる38.7PS仕様となる。国内仕様はインドネシアの42PS仕様と同じようだが、出力表示は計測方法が違うため異なる可能性がある。
従来型
新型
フロントフォークはSFF-BP採用
Φ37mm倒立フロントフォークも一見すると同じように見える。確かに基本的な構造は変わっていないが、SFF-BPタイプを新採用。これは左右それぞれのフォークにダンパー、プリロード機能を分担。その結果、ダンパーピストンを大型化することができ、ダンパーとしての能力を高め、動作性も向上するというものだ。
マフラーデザインは継承
先鋭的な新型CBR250RRのスタイルによく似合う、独特な縦2本出しデザインのサイレンサーが目立つマフラー。この部分は外見上で見る限りは従来モデルのままのようで、明確な変化が見られない部分だ。
個性的なメーターはそのまま
3つのモードが選べるライディングモードや、スポーツ走行に役立つREVインジケーターやラップタイマーも搭載する、反転液晶を用いたフルデジタルメーターは従来モデルから変わっていない。
ボディパーツ 新型
新型CBR250RRは、シャープな造形のカウル周りやタンクカバー、テールカウル、フロントフェンダーなど、あらゆる部分が新デザイン。サイドやテールのエアダクトの配置や形状などは全く別物といえるだろう。
ボディパーツ OLD
ノーズからテールへ跳ね上がるウェッジシェイプで、スーパースポーツらしい走りを予感させるスタイリングが、従来型CBR250RRの人気の大きな理由のひとつ。積極的にマシンをコントロールできる造りもスーパースポーツらしい。
従来型
新型
ハザードスイッチを追加
新型は左側のハンドルスイッチボックスは、従来型には装備されていなかったハザードスイッチが追加され、日常用途での使い勝手の向上も図られた。ユーザーには嬉しい変更だ。フォークトップキャップには「SFF-BP」の文字が追加されている。
従来型
新型
クイックシフター
シフトアップ、ダウン両対応のクイックシフターも引き続き存在。インドネシア仕様では標準装備モデルの「SP QS」が用意されるが、国内仕様ではオプションとなりそう。
ホンダ新型「CBR250RR」動画
ホンダ新型「CBR250RR」主なスペック
インドネシア仕様車のスペック
全長×全幅×全高 | 2061×724×1114mm |
ホイールベース | 1385mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 790mm |
車両重量 | 168kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 249.7cc |
ボア×ストローク | 62.0×41.4mm |
圧縮比 | 12.1 |
最高出力 | 42PS/13000rpm |
最大トルク | 2.5kgf・m/11000rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24°30' |
トレール量 | 92mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70R17・140/70R17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ310mmシングルディスク・Φ240mmシングルディスク |
文:小松信夫、オートバイ編集部/写真:中村浩史