これから原付を売りに出そうと思っている人にとって気になるのは、おすすめの買取店や、自身の原付バイクの買取相場ではないだろうか。
原付は買取価格は伸びにくいが、数万円以上で買い取られることあり、また処分に関わる手続きを無料で代行してくれる買取店を選べば、自分で処分手続きをしなくて済むので、楽な側面がある。
この記事では、原付を積極的に扱っているおすすめ買取店や、人気車種の買取相場をお伝えする。また、少しでも査定が有利になるようなコツについてもお伝えするので、ぜひ売却活動で役立ててほしい。

文:小泉嘉史 / 伊藤フミヒト

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原付バイクおすすめ買取業者5選!

原付を買取に出すには、大前提として原付を扱っているバイクショップに相談しなければ話は始まらない。近隣にそのようなお店があればそこに持ち込んで査定を取っても良いし、もし検討もつかなければ以下を参考にしてほしい。全国対応でどなたにでもおすすめできる買取店を選んでみた。

  • ①バイク王
  • ②KATIX(旧:アップス)
  • ③バイクランド
  • ④バイクワン
  • ⑤バイク館 YellowHat

①バイク王

画像: 画像引用:バイク王 www.8190.jp

画像引用:バイク王

www.8190.jp

バイク王は、業界No1の買取実績を誇る、買取業者の中で圧倒的シェアを誇る買取業者だ。原付の扱いにも積極的で、かなり古くボロボロの原付バイクでも買取査定を行い、たとえ価格が付かない場合でも無料で引き取る点が特徴だ。

バイク王は全国展開しているため、どこで査定しても全国一律基準を採用しており、査定額を誤魔化される可能性は低い。また、買取金額が3万円未満であれば、その場で現金渡ししてもらえるのもバイク王を利用するメリットだろう。特に原付の場合は現金渡しの対象になることが多いと思われるため、「あとから減額を請求された」などのトラブルになる心配が少ない点も良い。

圧倒的シェアを誇る大手買取店というだけあり、幅広い方におすすめだ。全国無料出張対応なので、迷ったらバイク王に相談してみてはいかがだろうか。

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②KATIX(旧:アップス)

画像: KATIX bike.katix.co.jp

KATIX

bike.katix.co.jp

できるだけ手間なく簡単に複数社の査定額を比べたい場合はKATIX(旧:アップス)がおすすめだ。

KATIXは自分でバイクの写真を撮り、買取店からのオファーを受けるオークション型の一括査定で、とにかくたくさんの買取店の評価を受けられることが利点だ。KATIXが公開しているデータでは、平均5〜10件のオファーがあるとなっている。近くにバイクショップがない方にとっては特にメリットを感じられるだろう。

また、従来型一括査定のように複数の買取店から電話ラッシュを受けることもないことも嬉しいポイントだ。

ネットで査定が完了するため、持ち込み査定や出張査定を挟む必要がない点も見逃せない。

手間なく簡単に売却活動を進められるので、こうしたサービスも上手に活用したいところだ。

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③バイクランド

画像: 画像引用:バイクランド  www.bike-kaitori.com

画像引用:バイクランド

www.bike-kaitori.com

バイクランドは、バイク買取業界No.2を謳う買取店だ。

特徴としては、上場企業運営のためクリーンな体制で運営されていることが期待できる点がある。2023年に発覚したクルマ買取店の不正により買取店について漠然と不信感を抱いた方も多いと思うが、そうした意味ではバイクランドは安心できる買取店と言っていいだろう。

また、バイクランドの公式サイトでは、わずか30秒の入力で完了するオンライン査定も行っており、入力後は登録したメールアドレスもしくは電話番号に最新の買取情報が送られてくる仕組みだ。

オンライン査定後には、出張査定の申し込みも可能で、全国どこでも無料出張査定している。しかも、売却しなくても手数料などの費用が一切かからず、完全無料で利用できる。

原付とはいえ、できるだけ高く売るなら複数店の査定額を比べるにこしたことはない。そうした意味でも、査定先としてバイクランドを選択肢にいれてみてはいかがだろうか。

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④バイクワン

画像: 画像引用:バイクワン  www.bikeone.jp

画像引用:バイクワン

www.bikeone.jp

バイクワンはどんなバイクも扱えることを強みとしており、ボロボロのバイク、また不動車や事故車まで扱っている買取店だ。長く乗ってきて状態に不安のある原付を売りに出そうと思っている方も多いと思うが、そのような場合におすすめだ。

また、廃車手続きも無料で行なっている点も見逃せない。

さらに、バイクワンはカスタムバイクにも強い買取店であり、原付バイクに改造を施している場合も適正な査定が期待できる。ノーマル以外は買取を断られるケースも珍しくないことから、カスタムをしてきた原付バイクオーナーにとっては朗報だろう。純正パーツがあれば一緒に査定できるのもオーナーにとってプラスになる。

このほか、バイクワンではオンライン自動査定システムを導入しており、5つのステップを踏むだけで簡単に現状の上限買取相場と平均買取相場を見ることが可能だ。

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⑤バイク館YellowHat

画像: 画像引用:バイク館SOX bs-sox.com

画像引用:バイク館SOX

bs-sox.com

バイク館は、カー用品やバイク用品を扱うイエローハットグループの買取店だ。全国にバイク販売店を展開し、同じように買取店も全国展開していることから、利便性の高さが魅力だ。

また、大手グループということで、安定的に需要があることも見逃せない。個人店の場合は在庫状況により買取価格が変動する(もしくは買取を断れる)ことも珍しくないが、バイク館の場合は全国規模での需要になるため、買取は安定的に行われていると言っていいだろう。

また、買取後の主な販路はオークション出品ではなく自社販売となっており、中間マージンを大幅にカットし、そのぶんを買取額に上乗せできる点を売りにしている。

お近くに店舗がある方も多いと思うので、その場合は以下公式サイトから査定依頼を申し込んでみてはいかがだろうか。

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原付バイクの買取相場は?

原付の主な人気車種の買取相場

ここからは原付の買取相場を紹介する。もちろん、全ての原付を紹介することは難しいので、いくつか車種をピックアップしてみた。買取価格がどのぐらいになるのか、イメージする手助けになれば幸いだ。

【注意】
買取価格は個別事情によって大きく変わるため、下記情報はあくまで参考程度にとどめておこう。

調査対象:カチエックス

車種買取相場
ホンダ スーパーカブ500円 〜 170,000円
ヤマハ ビーノ1,000円 〜 134,000円
ホンダ モンキー62,000円 〜 660,000円
ヤマハ JOG0円 〜 121,000円
ホンダ ズーマー3,000円 〜 165,000円
ホンダ ジョルノ0円 〜 122,000円
ホンダ トゥデイ F0円 〜 46,000円
ホンダ リトルカブ4,000円 〜 120,000円
ホンダ クロスカブ5069,000円 〜 200,000円
ホンダ エイプ5025,000円 〜 151,000円
ホンダ ディオ11010,000円 〜 170,000円
ホンダ マグナ506,000円 〜 179,000円
スズキ アドレスV501,000円 〜 81,000円
ホンダ タクト_ベーシック3,000円 〜 95,000円
ホンダ ダンク14,000円 〜 135,000円
スズキ レッツ40円 〜 40,000円

状態別に見る原付の買取相場

極上の場合は8万円以上が期待

まだ買ったばかりなど、キズやサビが見られず、かつ走行距離も1000キロ未満だと極上品として扱われる可能性が高い。買取価格も伸びやすく(マイナスを取られる要因がほとんどないため)、8万円前後の買取価格が付く可能性は十分考えられるだろう。

さらに人気車種であれば10万円を超えることも珍しくない。上の車種別の買取相場で言えば、上限に近い買取価格がつくことが期待できそうだ。

普通の状態の場合は2万円前後

ある程度使用感などがあり、走行距離が5000キロ以下程度である場合は2万円前後になるのが妥当だろう。問題なく走行できても、やはり使用感や走行距離があるとどうしても買取価格に影響する。特に5000キロを超える走行距離になると、買取価格に大きく影響する場合も増えてくると思うので、ここが一つの区切りとして捉えるといいかもしれない。

訳ありの場合は0円〜

事故車やボロボロの状態など、何らかの訳ありの場合はやはり買取価格は渋くなる印象だ。特に、修復歴ありの場合と、エンジンがかからない場合、この2つは買取を断られる場合もある点は留意したい。

逆に言えば、エンジンがかかり、修復歴もなく、問題なく走行できる場合は、過走行でも買取先が見つかる可能性はある。特に人気車種の場合は諦めずに買取先を探せば、数千円〜2万円程度の買取価格がつくこともあるので、3社程度は当たってみることが大事かと思われる。

原付バイクを少しでも高く売るコツ4つ

原付バイクを売る場合、なにも対策を講じなければ二束三文どころか、買取業者に相手にされないこともある。しかし、ほんの少し工夫するだけで原付バイクの査定額が大きく上がることもあるので、査定にはある程度準備した上で臨むことが大切だ。

原付バイクは、毎日使用している方もいれば、放置している方もいるだろう。使用方法の違う原付バイクは見た目も調子も全く異なるため、それぞれに合わせた対策が必要となる。

高く買取してもらうコツは数多くあるが、その中でも重要なコツは以下の4つだ。

  • ①外観の見た目は重要!洗車を忘れずに
  • ②エンジンが快調に始動するよう準備
  • ③高く売れるときに売る
  • ④できるだけ多くの買取店で査定する

①外観の見た目は重要!洗車を忘れずに

前提として、原付に限らずバイクの査定で査定士の印象を左右するのは、最初の見た目が大きい。

たとえ不具合がない普通の原付バイクでも、手入れせず埃まみれになってしまっているようでは、査定士は最初から高額査定を出す気が薄れてしまう。

なので、査定の前には原付バイクを綺麗に洗車しておこう。汚れがある部分の拭き掃除はもちろん、できれば自分でできる範囲で錆び取りまで行なっておくと、査定士の印象も変わるだろう。

ところで、なぜ査定士が見た目を重要視しているかというと、バイクの状態を考えるヒントになるからだ。

例えば、埃を被っているようでは、手入れはおろか、しばらく使用していないことが見て取れる。ということは、まともにエンジンが始動しないリスクがあると査定士は考えるのだ。また、汚れ放題になっている原付は、メンテナンスに不安があるのではと査定士は考えるだろう。

このような理由から、原付バイクの洗車は査定前に重要なポイントとなると覚えておこう。

②エンジンが快調に始動するよう準備

原付バイクを査定に出す前は、エンジンが始動するのか必ず確認
しておこう。もちろん、毎日使用していればエンジン始動するはずだが、アクセルを開けても快調に吹き上がるかも確認しておくとさらに
Goodだ。

問題になるのは、しばらく乗らなかった原付バイクだ。

セルモーターが回らない場合は、まずキックでエンジン始動するか確認する。キックで始動すればバッテリーに異常がある程度なので、それほど問題にならない。しかしキックでエンジンが始動しないなら、パーツ交換が必要となるケースがある。

そこで、自分でできる範囲でエアクリーナーやプラグの状態を確認して欲しい。どうしても自分でできないならバイクショップに相談することだ。エンジンが始動しなければ、買取査定に出す以前の問題になるため、数千円で済む修理なら迷わず修理してから査定に臨んだほうが良い。

③高く売れるときに売る

原付バイクの売却は、売ろうと思ったときに行動を起こしたほうが良いが、高く売れる時期がある。原付バイクも他のバイクと同様に、冬場に乗る方は少ない。このことから冬場は総じて買取相場が低い傾向にある。

原付バイクの買取相場が上がるのは、原付バイクが売れるシーズンだ。これは市場原理に基づいており、欲しい人が多くいれば、原付バイクも多く必要となることから、高値の買取が行われる。

そこで、原付が売れる時期の春先に買取に出すのが良いだろう。ただし、売りたいと思ったときが一番高値であることに変わりがないので、仮に半年も待つぐらいなら、早めに売ってしまったほうがメンテナンスに気を遣う必要もなく安心とも言える。

春先以降が狙い目

原付バイクの売れるシーズンは春先だ。3月~5月は活発に売買されるため、その時期の査定額に期待が高くなるだろう。ただし3月になったらすぐに売ろうと思っても、査定予約が取れない可能性もある。

というのも、この時期になると引っ越しなどで売却を考えるオーナーが非常に多くなるからだ。よって、売りたいと考えているなら3月に入る前、つまり2月の後半までに買取業者に連絡すると良いだろう。

そして、高く売れる時期と反対に、相場が安くなる時期が冬に突入する11月からだ。この時期から翌年の1月後半までの買取は安い。

ここで疑問が湧くだろう。高く売れる時期に照準を合わせると、年式が1年古くなり、買取価格も安くなるのではといったことだ。もちろん、新車から2年目ぐらいの原付なら時期を待つよりすぐに売ったほうが高い。しかし3年以上経過した原付は、年式が1年古くなっても査定額に影響を及ぼさないことが殆どだ。よって、売れる時期に照準を定めて準備すると良いだろう。

④できるだけ多くの買取店で査定する

原付バイクの査定は、買取業者の数だけ買取額が異なる。よって、できるだけ多くの買取業者での査定が得だ。査定額が業者ごとに異なる理由は、流通ルートがそれぞれ異なるからだ。

一般的に原付バイクを買取すると、直販方式を取っていることから直営の販売店が欲しい原付であれば、高く買取されるだろう。また、海外に輸出する業者と提携していれば、国内で流通が難しい車種でも買取される可能性がある。

このほかに、オークションを専門に出品する業者もあるが、オークションの場合は多くの業者が間に入るので、買取金額が安くなる場合が多い。その反面、オークションなら買取した原付バイクをかなりの確率で売りさばけるので、他社で買い取れないと言われた原付バイクもオークションに出品する業者なら買取する可能性が高い。

一括査定を賢く利用しよう

できるだけ多くの買取店で査定を取ると言われても、そもそも近隣にたくさんの店がなかったり、そもそも何件も買取店を回るのは面倒と感じる方も多いはずだ。

こういう時にこそ、一括査定を上手に利用してほしい。たった一度の査定依頼で複数社の査定を得られるため、大変便利だ。

最近は買取相場のデータ提供をしている一括査定もあり、たとえばバイク比較.comが運営する「KATIX」は相場のデータをもらえる。

このように、複数社の査定は、相場の把握、そして買い叩きを防ぐことにも有利に働く。面倒かもしれないが複数社からの査定をもらうことは売却活動を行う上では非常に重要になるので、できる限り実践してほしいと思う。

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ボロボロの原付バイクも買い取ってもらえるのか?

原付バイクの買取額は、走行距離、年式、外装の状況、そしてエンジンの状態などで変わる。これらの原付バイクの状態は、1つでも過度に程度が悪いとボロボロと認識される場合も多い。

外装がボロボロでも、走行距離が短くエンジンも快調であれば、ボロボロと捉えない買取業者がある反面、見た目が悪いだけでボロボロの原付と評価する業者もある。

ただ一つだけ言えるのは、動かすのがやっとの原付バイク以下は、ボロボロと判断されるだろう。

走行距離5,000kmが一つの目安

原付バイクの走行距離は、5,000kmが買取の一つの目安と言われている。5,000kmと聞いて、たったそれだけと思うかもしれないが、原付は長距離移動を前提に設計されておらず、実際にちょっとそこまでの使用が殆どのはずだ。そして5,000kmを突破するには、かなりの期間も要するだろう。

もちろん、20,000kmや30,000km走行しても全く問題ない原付バイクもある。しかし、原付バイクの中古車を購入する側にとって、20,000~30,000kmの走行距離は、あまりにも多すぎて見向きもされない可能性が高い。

そして、中古原付バイクを購入するユーザーの目安として、1万kmまでといった考えが多いことから、その半分の5,000kmまでが、高額査定のラインと言ってもいいだろう。

もちろん、5,000kmを超えたからと言って、買取に不利ではない。10,000kmまでなら、買取価格を期待しても良いだろう。外装に目立つ傷がなければ、5,000kmを超えても高額買取される可能性もある。

ただし、多くの中古原付バイクを求めるユーザーが敬遠する20,000kmを超えていると、買取不可になる可能性は留意してほしい。

故障や事故歴があると売れない可能性が

原付バイクは、故障や事故歴があると買取不可となる場合が多い。これは、買取した後にどれだけ修理費用を要するか見当が付かないからだ。

動かない原付の場合、故障が一つや二つでも、その程度が大きければ修理費用が高額になり、販売価格で回収が不可能となるため買い取られないだろう。

また、事故車は走行に支障をきたしている可能性が高い。特に、真っすぐ走行できないほど損傷していると、たとえ修理していても強度が落ちていることから買取はできない。

このように、走行に支障がある故障や事故歴は買取ではかなり不利と言える。

売却が難しそうな場合は廃車買取も検討しよう

原付バイクの買取を多くの業者で査定しても、0円以上の金額にならないなら廃車買取を検討したほうが良い。廃車買取なら、どんな原付バイクも買取しているので、処分費用も掛からず原付バイクを処分できる。

廃車買取では、事故車から故障車まで幅広く買取しているが、それぞれの状況やメーカーによって得意な原付バイクも異なる。少しでも得に手放すならいくつかの廃車買取に相談すると良い。

廃車買取は、分解してパーツとして流通する方法と、海外に輸出する方法の2種類の業者がある。もちろんその2つを兼ね備えている業者も多いが、業者によって得意分野も異なることから、事前にどのような流通ルートに強いのか確認すると良い。

そして、海外で人気の原付バイクを売るなら輸出に強い業者に、そして使えるパーツが多いならパーツとして流通させる業者で主に査定すると良いだろう。

原付バイクを売る際に覚えておきたいこと3つ

原付バイクを少しでも得に売却するには、幾つか押さえておきたいポイントがある。何も知らなければ、業者の言い値で売却することとなり、それが買取価格の上限であると勝手に解釈してしまう。

そこで、業者の言い値でサインしないためにも以下の3つのポイントを覚えておいて欲しい。

  • ①売却前の修理は得しないことが多い
  • ②原付の買取相場は1年に1万円ずつ下がっていく
  • ③査定士への嘘は発覚すると思うべき

①売却前の修理は得しないことが多い

原付バイクを売却する前に、故障していて修理が必要なこともあるだろう。しかし、原付バイクとはいえ修理費用の額が大きいことから、査定前の修理はおすすめしない。

買取業者は、自社工場も併設している場合が多いため、多少の故障なら原価で修理が可能なので、そのまま買取に出したほうが良い。例えば、キャブレターのオーバーホールなど1万円程度を要することも多いが、交換パーツがなければ工賃のみで済む。またキャブレーターオーバーホールキットも数千円で済むため、買取業者はそれほど大きなマイナスではない。

また、外装パーツの傷も自社工場で塗装している場合が多い。そのため、ユーザーが修理依頼すると2万円~3万円程度かかる修理費用も、買取店であれば原価のみで済むため、1万円もかからないことが多いだろう。

このようなことから、買取時に修理が必要な部分があっても、業者はコストを抑えられるため、マイナス査定分で切り盛りできることが殆どだ。

例えば、外装に傷があり3万円で買取される原付を3万円かけて外装修理しても、良くて4万円程度までしか査定アップしない。これを考えればマイナス査定のほうが得だと判断できるだろう。

②原付の買取相場は1年に1万円ずつ下がっていく

原付バイクの価値は、1年に1万円ずつ下がっていると言われ、新車価格が安い原付ほど早く売ってしまったほうが得だ。

もちろん車種や状態にもよるが、新車価格10万円で購入した原付が翌年には9万円、5年後には5万円の買取価格になるという話を耳にする。

買取した原付の車種や状態にもよるが、10%~30%程度の利益を上乗せしている。これを逆算して考えれば、店頭価格5万円で売られていたとすると、その30%の3万5,000円で買取されていると判断でき、一つの目安になる。

このように、新車からの経過年数や実売価格から、自分の原付がどの程度の金額で買い取られるのか、ある程度の推測が可能だ。

③査定士への嘘は発覚すると思うべき

原付バイクを少しでも高く買取してもらおうと、その場しのぎに良いことを並べるだけでなく故障を隠して嘘を伝えても、査定すれば嘘は見破られるだろう。

査定士は、原付バイクを適正に査定するプロであり些細な不具合も見逃さないチェックシートをもとに査定している。よって、どんなにオーナーが不具合を隠そうとしても、全く意味がないだろう。

また、その場で嘘が発覚してしまえば、オーナーに対する信用度も薄れて査定はマイナスに働く。そのような不利な状態に陥らないためにも、どんな些細なことでも正確に伝え、知らなかったりわからないことは正直に知らないと伝えよう。

仮に、嘘をついて1万円程度高い買取価格になっても、後から嘘が発覚すれば、それ以上の代償を法的に負わされる可能性がある。それは「契約不適合責任」だ。これは、目的物となる原付バイクに契約内容と異なる部分などが発覚した場合、売主に対して責任を負わせる法律だ。

もし、買取業者から「契約不適合責任」を問われた場合、不具合箇所の費用負担をするか、減額要求を呑む必要がある。どちらも不可能であれば、契約破棄になるだろう。それゆえに、質問に正確に答えることが非常に重要だ。

年式や型式を聞かれたら車体番号を伝える

原付バイクの場合は車検証がないので、原付バイクの情報などについてオーナーに聞いてくることが多い。その中で多いのが、車体番号についての質問だ。原付バイクのオーナーにとって、車体番号などどこにあるのか知らないし聞いたこともないという場合も多いが、売買手続きには必ず必要となる。

原付バイクの車体番号の打刻は、一般的にハンドルカバーの中、ステップの右下や左下にあるが、メーカーや車種により場所は異なる。そこで、自賠責保険証書や標識交付証明書を確認すると良い。そこに車体番号が明記されている。

また自賠責保険証書や標識交付証明書を紛失している場合は、「○○(車種名) 車体番号」で検索すれば打刻位置がわかるので、事前に調べておくと良いだろう。

原付の買取でよくある質問

Q.ナンバープレートが管轄外の場所ですが、買取はできますか?

A.殆どの買取店で問題なく買取してもらえます。ただし廃車にする場合は、ナンバープレートに記載の市区町村役場へ届け出が必要なので、詳しくは買取業者に相談してください。

Q.ローンが残っていますが買取できますか?

A.残債は支払いを続ける必要がありますが、買取は基本可能です。詳しくは買取店に相談してください。

まとめ

原付バイクの買取価格の目安は、新車価格から1年で1万円ずつ下がることを理解していれば、だいたいの買取価格の見当が付くだろう。ただし一般的な相場なので、売却する原付バイクを欲しい業者が見つかれば、思わぬ高値で買取してもらえる。

そこで重要なのが、できるだけ多くの買取業者で査定してもらうことだ。業者ごとに査定基準が異なり流通経路も違うため、本当に欲しい業者が見つかれば、思いもよらない金額で買い取ってもらえるだろう。

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文:小泉嘉史 / 伊藤フミヒト

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