走り方やシチュエーションによっても変わる「燃費性能」をバイク別に検証
バイクを購入してからの「ランニングコスト」やツーリング時の「航続距離や給油回数」などにも影響する『燃費性能』は、愛車を選ぶ上で結構気になるポイントのひとつです。
そのバイクの燃費性能は、スペック項目に掲載されている「国交省届出値」と「WMTCモード値」などの『燃料消費率』で、ある程度は把握することができます。
しかし、実際の燃費性能を測るには、排気量やエンジンの気筒数、ライダーの走り方や体格、走る場所やシチュエーションなどによって大きく変わってきます。
ましてや、単純に車種ごとに比較するのはちょっとナンセンスなことかもしれません。
しかし、当サイト「スズキのバイク!」では、試乗レビューの度に、毎回その時の燃費を測っています。そんな状態ですので市街地から高速道路、ワインディングなど、一般的なツーリング行程を走った時の燃費性能がある程度見えてきました。
そこで今回は、走った距離と使用したガソリン量を計算する「満タン法」で計測した燃費性能をあえてランキングにしてみます。
あくまでもその状況下で計算した燃費比較になりますが、ガソリン1リットルあたりでどれくらい走れるのかが分かりますので、愛車選びのひとつの参考としてご覧頂ければと思います。
1位: Vストローム1050XT(タンク容量:20L)
1000ccオーバーのスズキ車の中で、平均燃費が一番優れていたのは「Vストローム1050/XT」でした。
Vストローム1050XTの燃料タンク容量は20Lで、使用燃料はハイオクガソリンです。
高速道路7割、一般道3割のイメージで674.5kmを走った場合の合計ガソリン総給油量は33.04L。
満タン法で計測した燃費はガソリン1リットルあたり20.41km/Lでした。
計算上は航続距離で400km程度は走れることになるので、ロングツーリングも快適。
さすがはどこまでも走りたくなるスズキ最強の旅バイクですね。Vツインエンジンだっていうことも燃費に良い理由かと思われます。
2位:KATANA(タンク容量:12L)
1000ccクラスの燃費性能の良さ、第2位は新型「カタナ」でした。
日帰りツーリングで総走行距離451キロ。基本的にすべて5000回転以下で走って、平均燃費はリッターあたり18.07km/L!
高速道路区間がいちばん伸びてリッターあたり20.37kmでした。
12Lのタンク容量は少なく感じるかもしれませんが、メーターに残りの航続可能距離も表示されるので、特にストレスはありません。
走行150kmを超えたら、なんとなく給油を考えるイメージですかね。
走り方によっても結構燃費は変わりますが、カタナは1000ccの4気筒エンジンでありながら燃費も悪くないバイクなんですね。重量215kgで軽いのも良かったのかも?
3位:GSX-S1000(タンク容量:19L)
1000ccクラスの燃費性能の良さ、第3位は「GSX-S1000」でした。
GSX-S1000のタンク容量は19リットルで、この時のツーリングはトータル625kmほどの距離を走りました。
シチュエーション別の内訳としては高速道路が8割、一般道&ワインディングが2割くらいの比率になりますが、トータルで使用したガソリンの量は35.24Lでしたので、満タン法で計算すると、全体の平均燃費は17.76km/Lになりました。
この計測結果をもとにすれば、19Lのタンク容量を持つGSX-S1000は337kmの航続距離があることになります。
ツーリングでの給油ポイントを考えると、300キロ走れるのはかなり嬉しいポイントです。
同じエンジンを使用している兄弟モデルのGSX-S1000GTと比べると、車両重量が214kgと軽いおかげか燃費もリッターあたり1.22km/ Lほど良いようです。ただ、これも同じく同系エンジンのカタナには劣る……その理由はおそらく『回したくなるタイプ』だからです。
4位:GSX-S1000GT(タンク容量:19L)
1000ccクラスの燃費性能の良さ、第4位は「GSX-S1000GT」です。
GSX-S1000GTの燃料タンク容量はロングツーリングにも対応する大容量19L。使用燃料はハイオクガソリンです。
今回の試乗では高速道路8割、一般道2割程度の割合で431.9kmの距離を走って、合計ガソリン給油量は25.61L。
満タン法で計測した燃費はガソリン1リットルあたりで16.86km/Lという結果となりました。
この平均燃費で計算すると、19リットルのガソリン量で走れる航続距離は320.34kmになりますから、長距離ツーリングでも十分な航続距離と言えます。
グランドツアラー(GT)なのにGSX-S1000同様『回したくなるタイプ』なのと、226kgの重量が4位に甘んじた理由でしょうか。
5位:GSX-R1000R(タンク容量:16L)
1000ccクラスの燃費性能の良さ、第5位は「GSX-R1000R」でした。
GSX-R1000R ABSのタンク容量は16L。高速道路6~7割程度で合計747.4km走った際に給油したガソリンの合計は44.34L。満タン方式で算出した燃費は約16.85km/Lでした。
GSX-R1000Rの指定ガソリンは無鉛プレミアム(ハイオク)指定になっています。
この数値で計算するとガソリン満タンで約269.6kmの航続距離となりました。
まぁ、こう言っては元も子も無いですが200馬力級のスーパースポーツに対して燃費うんぬんは、そもそもあまり意味が無いかもしれません。ちなみにクローズドコースで高回転域を多用すると、びっくりするレベルで燃料が早く減ります。これはもう『速さの代償』と言う他ありません。
6位:HAYABUSA(タンク容量:20L)
1000ccクラスの燃費性能の良さ、第6位は新型「隼」でした。
隼の燃料タンク容量は20Lで、使用燃料はハイオクガソリンです。
今回は高速道路7割、一般道3割程度の割合で330.2kmを走り、ガソリン給油量の合計は20.94L。
満タン法で計測した燃費はガソリン1リットルあたり15.76km/Lとなりました。
新型『隼』は2代目よりもガソリンタンク容量が1L減り20Lとなりましたが、燃費を気にしない乗り方をしても航続距離250km以上は問題なく走れそうなので、ロングツーリングでも給油回数でストレスを感じることは無いでしょう。
ただし燃費となると1340ccの大排気量4気筒エンジンと重量264kgのビッグボディはさすがにね……いいんです、だってアルティメットスポーツですもの!
燃費が良くて、悪いことは何もない
いかがでしたか?当サイト「スズキのバイク!」で、これまで計測した1000ccクラス6台のスズキ車の中で、一番燃費性能に優れていたのは「Vストローム1050/ XT」となりました。
もちろん燃費性能は走り方やシチュエーションなど、様々なケースで変わってくるものですので、ここでのデータは参考までに。
(下に続きます)
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燃費を気にしてちゃ思いっきりバイクを楽しめない! のかもしれませんが、最近は原油価格高騰やらでガソリン代もバカにできません。
環境にも良い訳ですし、今の時代『燃費は良ければ良いほど正義』なのでございます!