1991年の第29回東京モーターショーに突如現れた「ホンダらしさ」を目指したCB1000スーパーフォア。この1台からスタートするプロジェクトBIG-1がついに誕生30周年を迎え、記念モデルが2023年1月9日までの受注生産で発売された。日本のスポーツバイクの金字塔・スーパーフォアの集大成とも言えるモデルの誕生を祝して、プロジェクトBIG-1の築いた歴史を振り返る。
文:中村浩史/写真:赤松 孝、南 孝幸

「プロジェクトBIG-1」30周年、名車への道程

画像: Honda CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversary 上写真左 税込価格:195万8000円 Honda CB1300SUPER BOL D’OR SP 30th Anniversary 上写真右 税込価格:206万8000円 ※受注期間はいずれも2023年1月9日まで

Honda CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversary
上写真左
税込価格:195万8000円

Honda CB1300SUPER BOL D’OR SP 30th Anniversary
上写真右 
税込価格:206万8000円

※受注期間はいずれも2023年1月9日まで

誕生30年を迎える日本ビッグバイクの顔

時は1990年代に入ったばかりの頃、ホンダの大型車ラインアップには、ちょっと寂しさがあった。

1990年の国内モデル大型モデルラインアップは、スティード600/VFR750F/パシフィックコースト800のみ。1991年にナイトホーク750、1992年にCB750、NR750、アフリカツイン750、CBR600Fが加わったが、1969年にCB750FOURを発売し、ナナハンの元祖、日本どころか世界のビッグバイクリーダーである「ホンダらしいラインアップ」とはとても呼べるものではなかった。

ホンダらしいビッグバイク、日本のビッグバイクの顔となるようなモデルがない──そう考えたのはファンだけではなく、ホンダ社内のエンジニアも同じこと。それが、プロジェクトBIG-1のスタートだったのだ。

400ccクラスでは、CB-1が先陣を切って「ネイキッドモデル」を展開していて、それと同じようなムーブメントをビッグバイクでも展開しようとしていた。さらに、レトロに回帰するのではなく、新しい時代のロードスポーツにしよう、という気概もあった。

「1980年代後半は、性能をどんどん上げた結果、乗る人を選ぶ先鋭化したバイクばかりになってしまった。簡単にいえば、大人のオートバイ乗りが乗るモデルがなかったんだね。僕自身のことも考えて、そういうバイクを作りたかったんだ」とは、プロジェクトBIG-1の中枢を率いた原 国隆さん。

こうして生まれたCB1000スーパーフォアは爆発的な人気となり、ビッグネイキッドカテゴリーを創出。多くのライバルを呼び込み、さらに進化したBIG-1として、2世代のCB1300スーパーフォアを生み出し、スーパーボルドール、スーパーツーリング、SPなどといった派生モデルも生み出した。

そのBIG-1も、2022年に誕生30周年を迎え、現行モデルのSC54も、数度のマイナーチェンジを経て、誕生20周年を迎えようとしている。

2023年1月までの受注生産となる30周年記念モデルは、BIG-1ヒストリーの集大成モデルとなる。

画像: これぞ「プロジェクトBIG-1」30年の集大成。前列の2台が30周年記念車、後列の3台は左からCB1000スーパーフォア、CB1300スーパーフォア(SC40)、CB1300スーパーボルドール(SC54)。

これぞ「プロジェクトBIG-1」30年の集大成。前列の2台が30周年記念車、後列の3台は左からCB1000スーパーフォア、CB1300スーパーフォア(SC40)、CB1300スーパーボルドール(SC54)。

ホンダ「CB1300 SUPER FOUR SP 30th Anniversary」「CB1300 SUPER BOL D’OR SP 30th Anniversary 」特徴

画像: Honda CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversary 税込価格:195万8000円(受注期間限定 / 受注受付:2023年1月9日まで)

Honda CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversary

税込価格:195万8000円(受注期間限定 / 受注受付:2023年1月9日まで)

画像: Honda CB1300SUPER BOL D’OR SP 30th Anniversary 税込価格:206万8000円(受注期間限定 / 受注受付:2023年1月9日まで)

Honda CB1300SUPER BOL D’OR SP 30th Anniversary

税込価格:206万8000円(受注期間限定 / 受注受付:2023年1月9日まで)

今を逃すと手に入らない数量限定スぺシャル!

約2カ月半の受注期間限定となる30周年記念車は、スーパーフォア&スーパーボルドールの2本立て。いずれも、前後にオーリンズ製サスペンション、ブレンボ製キャリパーを標準装備するSPがベースで、白×赤にアクセントゴールドをあしらったスペシャルカラーでの発売となる。

思えば、30年間で数10パターンのカラー&グラフィックのBIG-1ファミリーが発売されたが、やはりインパクトが大きく、印象に残っているカラーといえば、初代モデルに採用され、その後も各世代のメインカラーとなっている白×赤カラーではないだろうか。

スペシャル感を演出するため、オーリンズ製サスペンションのゴールド、ホイールのゴールドカラーと合わせて、フレームもレッドに塗られ、これが歴代BIG-1ファミリーにはない特別さを演出し、タンク上には30thアニバーサリーの証しである専用のエンブレムも追加されている。

長年愛されてきたということで、人と同じではガマンならない、というオーナーも多いモデルだけに、この30周年記念モデルも発売前から話題沸騰。今じゃなきゃ、手に入らないスペシャルだ。

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