文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸
ホンダ「CL250」特徴
ホンダが市販予定車として発表したスクランブラースタイルのスポーツモデルがCLシリーズ。基本的なメカニカルコンポーネントはレブルと共用しながら、フロントに19インチ、リアに17インチタイヤを採用。ストロークの長いサスペンションと組み合わせ、スタイリッシュに仕立てている。2022年のEICMAでCL500が先行登場したが、レブル同様、日本国内向けには250も用意される予定。2023年の台風の目となりそうな、大ヒット確実モデルだ。
スタイリングは伸びやか、ボディカラーは3色か?
フロントに19インチ、リアに17インチを採用するCL250の実車は非常にスリムにできていて、ベースであるレブルの美点がしっかり活かされている印象だ。
前後ホイールの大径化で車高はどうしても上がってしまうが、その分シートは薄めでフラットなものが採用されており、シート幅も細身なので、足着きの心配はなさそうだ。
先に欧州で発表された兄貴分・CL500のボディサイズは全長2153mm、全幅839mm、全高1137mm。シャシーを共有する250のサイズも、おそらくはこれに近いはず。ちなみに500のシート高は790mmで、250もほぼ同様のはずだ。
ボディカラーは3色のようで、写真のキャンディエナジーオレンジ、カスタム車のパールヒマラヤズホワイトのほか、レブルなどと同じパールカデットグレーが有力視されている。
レブルのパーツを巧みに使ったセンスある構成
スクランブラーとクルーザー、スタイルの違いは明確だが、兄貴分の500と同様に、CL250もレブル250のパーツを巧みに使用した造りとなっている。
誰が見てもひと目で分かる、4眼デザインのLEDヘッドライト、レトロスタイルの丸型LEDウインカーとオーバル形状のテールランプ、反転表示液晶のメーターをはじめ、細かいところで言うと左右のスイッチボックスまで、レブルと同様のパーツだ。
しかし、デザインの妙で、シンプルなスクランブラースタイルに仕立てられたCLの現車を見ると、そうした「流用感」というものは感じられない。シンプルでスポーティ、というコンセプトにマッチしたパーツセレクトと言えるだろう。
ただ、共用パーツが多ければ、コストダウンに期待できるので、価格がいくらになるのかに注目したいところだ。
元気な走りをどこでも楽しめそうなメカニズム
レブル250が大ヒットした要因のひとつに、クルーザーの枠を超えた爽快な走りがあったが、その美点はCL250にも備わっている。搭載されるDOHCシングルは、もともとはCBR250R、現行モデルでもCB250Rに使用されているものと同系統のユニット。ストリートユースに向けた、扱いやすさを狙ったリファインは施されているが、ゆったり流すことも、高回転まで回してパワーを楽しむこともできるエンジンと、スリムで軽い車体の組み合わせで、CLのパフォーマンスにはなかなか期待が持てそうだ。
また、ストロークをたっぷり取ったサスペンションにも期待したいところ。未舗装路での走破性の確保もさることながら、ストリートでの乗り心地向上にもつながるからだ。ストリートからダートまで、幅広く楽しめそうなCLの走りに期待しよう。
ホンダ「CL250」太田安治の実車チェック
CL250の取り回しは軽くて良好!
レブル250は圧倒的な足着き性の良さと取り回しやすさ、粘り強いエンジン特性で大ヒットしたが、CL250も見たところシート高は800mmを切っているようだし、ストローク量の大きいサスペンションの沈み込みを考えると、足着きに不満を覚えるライダーは少ないだろう。
ちょっと動かしてみたが、幅広のハンドルで取り回しが軽く、ハンドルの切れ角自体も充分だから、気軽に乗り出せて長距離も快適、という点ではレブル以上のものがある。軽快なスクランブラールックを含め、幅広い層のライダーから支持を得ることは間違いなさそうだ。