ZETA「ウルトラライトクラッチパーチ」テスト&レポート
クラッチレバー操作が確実に! そして軽くなる!
クラッチ板は通常スプリングの力で圧着されていて、レバーを握ることで圧着度合いを変えられる。レバーを握る(引く)ために必要な操作力は車種によって異なるが、渋滞時や信号待ちでレバーを握る回数と時間は疲労の原因だから軽い方が楽だ。ダイヤルやレバーを回すことでグリップからの距離が変わり、手の大きさや好みに合わせられるレバーもあるが、操作力は変わらない。
そこで試したのが、ZETA(ジータ)のウルトラライトクラッチパーチ。最大の特徴はクラッチワイヤー先端にあるタイコの固定位置を変え、テコの原理で操作力自体を軽減できること。軽さと切れ(ストローク量)は反比例するので、好みのバランスが得られるよう4段階に調整できる。さらにクラッチワイヤーとホルダーの接続部分を首振り構造として、ワイヤーが動く抵抗を減らせることも操作力の軽減に貢献している。
テスト車のKLX250には強化クラッチキットが入っていることもあり、操作力は実測で約4.8kgと重かったが、ジータのキットで最も軽い位置にセットすると約2.9kgに。3本の指で操作していたのが、2本でもOK、というほどの違いだ。
レバーとホルダーの工作精度が高いのでガタがなく、レバーの遠さも調整可能。クラッチの重さに悩むライダーの救世主となるアイテムだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
美しい仕上がりと機能、精度、強度とも文句なし。ただしクラッチスイッチがないので、ニュートラルに入れないとセルが回らなくなる。スイッチの接点を直結すれば対処できるが、スイッチ付きもあると安心だ。
文:太田安治/写真:南 孝幸、森 浩輔/モデル:平嶋夏海