文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
ホンダ「CBR250RR」インプレ(太田安治)
ストロークたっぷりのサスペンションで乗り心地も上々
高回転で大きなピークパワーを絞り出せば低回転域での反応が眠たげになり、乗りやすさを重視して低中回転域で大きなトルクを発生する特性にすれば、高回転域で弾けるように回ってトップエンドまで一直線に伸びる爽快感は薄れる。モデルに合わせたエンジン特性の作り込みは開発陣の腕の見せ所だ。
CBR250RRはレースシーンを席巻し続けていることからも判るように、基本的に高回転/高出力型のエンジン特性。初代は低回転トルクが細く、ゼロ発進ではやや丁寧なクラッチミートが必要だったが、2020年の仕様変更後はこれが改善され、最新型では気を使わずに発進できるようになった。ストリート志向のライバル車に比べれば低回転域のトルク感が薄めとはいえ、5000回転程度で無造作にシフトアップしてもスムーズに速度が乗るので街乗りも苦にならない。
ライディングモードは3種類、トラクションコントロールは3段階+オフから選べるが、通常は「スポーツ」と「2」にしておけばOK。雨の日やタンデムなら加速が穏やかな「コンフォート」が楽だ。クイックシフターはオプションだが、シフト/クラッチ操作の回数が減るので街乗りでの恩恵も多い。
前後サスペンションはスポーツライディングで真価を発揮する設定ながら、速度域の低い街乗りでもスプリングが張っているような硬さは感じない。柔らかめのスプリングに減衰力強めのダンパーを組み合わせた感触で、加減速によるピッチングが抑えられているし、ライダーの体重が乗った状態での沈み込み量が大きく、リバウンド(伸び側)ストロークにも余裕があるから、乗り心地は意外なほど優しい。
エンジン特性ともども、かつてのレーサーレプリカやサーキット走行を強く意識した大型スーパースポーツモデルとは違って、ストリートユースで「手強さ」を感じることはない。
ホンダ「CBR250RR」カラーバリエーション
ボディカラーは「パールグレアホワイト」「マットバリスティックブラックメタリック」「グランプリレッド」の全3色。
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