1991年の東京モーターショーにCBR900RRやNR750とともに展示された、まったく新しい「ビッグネイキッド」。それが「BIG-1」CB1000スーパーフォア。ホンダマンが、ホンダらしいホンダを作り、名車が誕生した瞬間だった。
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、松川 忍

ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」歴史解説

ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(1991年・1992年)

画像: 1991年の東京モーターショーで発表されたプロトタイプ。

1991年の東京モーターショーで発表されたプロトタイプ。

デカくてカッコいいそれがホンダCBの原点

東京モーターショーの会場に姿を現した、まったくのニューモデル。それが「プロジェクトBIG-1」の申し子、CB1000スーパーフォア。

「次世代を担うホンダのネイキッドロードスポーツとはどうあるべきか」というテーマで開発が始まったCB1000SFは、迫力ナンバー1、存在感ナンバー1、ライダーにとってのナンバー1、をキーワードに開発が進行。セクシーかつワイルドなプロポーションという、それ以前のニューモデルの開発コンセプトではお目にかかれなかった惹句が並んでいた。

搭載されるエンジンに選定されたのは、当時のホンダ並列4気筒エンジン最大排気量のCBR1000Fのものがベース。開発陣をして、フルカバードカウルに隠れているのがもったいないほどカッコいい、と言わしめた存在感のある堂々としたエンジンだ。

誰もが目を奪われたスタイリングは、CB1100Rのフューエルタンクのようであり、CB750Fのテールカウルのようであり、CB750FOURのような圧倒的存在感のあるエンジンによって形作られていた。

正面から見た、2眼メーター、丸ヘッドライトとダブルホーンのバランスは、まさにホンダCBの正統血統。さらに、白×赤のホンダグランプリカラーも、これが新しい世代のCBであることをアピールしていた。

そして1992年11月、軽量コンパクトさがスポーツバイクの最良とされていた時代に、前後18インチホイールに1540mmのロングホイールベース、装備重量260kgというビッグバイク・CB1000SFが、ホンダの「ど真ん中」としてデビューしたのだ。

ホンダCBより半年前に、難敵カワサキゼファー1100がデビューしていた1992年こそ、発売日が11月下旬と販売台数は少なかったCBだが、1993年にはベストセラーに輝くのだった。

画像: 1992年11月24日に発売された、製品版の「CB1000 SUPER FOUR」。

1992年11月24日に発売された、製品版の「CB1000 SUPER FOUR」。


【参考】ホンダ「CB750FOUR」(1969年)

画像: 【参考】ホンダ「CB750FOUR」(1969年)

【参考】ホンダ「CB750F」(1979年)

画像: ※写真は1981年モデル

※写真は1981年モデル


【参考】ホンダ「CB1100R」(1981年)

画像: 【参考】ホンダ「CB1100R」(1981年)

ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)主なスペック・当時価格

画像: Honda CB1000 SUPER FOUR(1992年)

Honda CB1000 SUPER FOUR(1992年)

全長×全幅×全高2220×785×1130mm
ホイールベース1540mm
最低地上高140mm
シート高800mm
車両重量260kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量998cc
ボア×ストローク77.0×53.6mm
圧縮比10.0
最高出力93PS/8500rpm
最大トルク8.6kgf・m/6000rpm
燃料タンク容量23L
変速機形式5速リターン
キャスター角27°
トレール量111mm
タイヤサイズ(前・後)120/70R18 59V・170/60R18 73V
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(1992年当時)92万円(消費税別)

文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、松川 忍

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