1991年の東京モーターショーに突如として登場し大きなインパクトを残したCB1000SF。モーターショーからほぼ1年後にいよいよ市販が開始された。それは、期待にたがわぬホンダCBだった。
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、松川 忍

ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)歴史・特徴

画像: Honda CB1000 SUPER FOUR(SC30)1992 エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 総排気量:998㏄ 最高出力:93PS/8500rpm 最大トルク:8.6kg-m/6000rpm 車両重量:260kg タイヤサイズ:120/70R-18・170/60ZR-18 当時の発売価格:92万円

Honda CB1000 SUPER FOUR(SC30)1992

エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:998㏄
最高出力:93PS/8500rpm
最大トルク:8.6kg-m/6000rpm
車両重量:260kg
タイヤサイズ:120/70R-18・170/60ZR-18

当時の発売価格:92万円

CBを評価軸にビッグネイキッド戦争もスタート

国内でオーバーナナハンの正規発売が解禁され、それでもまだ大型二輪免許は試験場一発チャレンジ、という時代にCB1000SFは生まれた。

街中に躍り出たCB1000SFたちは、ホンダらしいスタイリングの、最近のバイクにしてはデカいな、でもそれがカッコいいかも――という人気を獲得していった。なにせ、ほんの数年前までのビッグバイクと言えば、レーサーレプリカたちや、Z1やカタナ、CB750Fといった絶版旧車カスタムが人気だったからだ。

Z1の改カスタムのカッコよさと、水冷エンジン搭載という今っぽさ。それを考えれば、CB1000SFの太いフロントフォークやスイングアーム、ボリュームあるフューエルタンクは、1970年代の空冷絶版車に、1980年代のレーサーレプリカの足まわりを組む、といった人気カスタムバイクを好む層にドンピシャにヒットしたのだ。

それでも、ZEPHYRやXJR、といったCBのライバルに比べて、排気量は小さく、非力だという声もあった。それが、プロジェクトBIG-1を次の段階に押し上げていった。

ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)各部装備・ディテール解説

画像: CBR1000F系の水冷4気筒エンジンをむき出しのネイキッドスタイルに搭載したCB1000SF。前後18インチのラジアルタイヤ、Φ43mmの正立フォーク、Φ310mmのディスクローターや極太のサイレンサー、アルミスイングアームなど、軽量コンパクトさより、強さ、太さを表現したスタイリングだった。

CBR1000F系の水冷4気筒エンジンをむき出しのネイキッドスタイルに搭載したCB1000SF。前後18インチのラジアルタイヤ、Φ43mmの正立フォーク、Φ310mmのディスクローターや極太のサイレンサー、アルミスイングアームなど、軽量コンパクトさより、強さ、太さを表現したスタイリングだった。

画像: CBR1000Fのフルカバードボディに隠れていた水冷並列4気筒エンジン。この、エンジンが威張った存在感がプロジェクトBIG-1のスタート。CBRのエンジンから、シリンダーやヘッドにマットブラック仕上げとされた。

CBR1000Fのフルカバードボディに隠れていた水冷並列4気筒エンジン。この、エンジンが威張った存在感がプロジェクトBIG-1のスタート。CBRのエンジンから、シリンダーやヘッドにマットブラック仕上げとされた。

画像: 開発陣が考える「太い走り」のために、大径フロントフォークや極太パイプフレームが選定される。前後18インチタイヤは、当時イギリス・エイボンしか選択肢がなく、そのままエイボンが純正採用されたという。

開発陣が考える「太い走り」のために、大径フロントフォークや極太パイプフレームが選定される。前後18インチタイヤは、当時イギリス・エイボンしか選択肢がなく、そのままエイボンが純正採用されたという。

画像: 外装パーツで一番デザインに力が入ったというフューエルタンク。力を抜いた強靭な筋肉、がイメージで、どことなくCB1100Rのイメージも見え隠れする。そのため容量は23Lとなり、ロングツーリングにも対応。

外装パーツで一番デザインに力が入ったというフューエルタンク。力を抜いた強靭な筋肉、がイメージで、どことなくCB1100Rのイメージも見え隠れする。そのため容量は23Lとなり、ロングツーリングにも対応。

画像: 2眼メーター、丸ヘッドライト、大きなウィンカーにダブルホーンという組み合わせは、これぞバイク、これがホンダ、という端正さに仕上がっている。

2眼メーター、丸ヘッドライト、大きなウィンカーにダブルホーンという組み合わせは、これぞバイク、これがホンダ、という端正さに仕上がっている。

フォークボトムにクイックリリース機構を備えるΦ43mmのカートリッジ式フォーク。大径ブレーキローターや3本スポークホイールも当時の人気アイテム。

ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)主なスペック

全長×全幅×全高2220×785×1130mm
ホイールベース1540mm
最低地上高140mm
シート高800mm
車両重量260kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量998cc
ボア×ストローク77.0×53.6mm
圧縮比10.0
最高出力93PS/8500rpm
最大トルク8.6kgm/6000rpm
燃料タンク容量23L
変速機形式5速リターン
キャスター角27°
トレール量111mm
タイヤサイズ(前・後)120/70R18 59V・170/60R18 73V
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(1992年当時)92万円(消費税別)

文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、松川 忍

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