文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、松川 忍
ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)歴史・特徴

Honda CB1000 SUPER FOUR(SC30)1992
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:998㏄
最高出力:93PS/8500rpm
最大トルク:8.6kg-m/6000rpm
車両重量:260kg
タイヤサイズ:120/70R-18・170/60ZR-18
当時の発売価格:92万円
CBを評価軸にビッグネイキッド戦争もスタート
国内でオーバーナナハンの正規発売が解禁され、それでもまだ大型二輪免許は試験場一発チャレンジ、という時代にCB1000SFは生まれた。
街中に躍り出たCB1000SFたちは、ホンダらしいスタイリングの、最近のバイクにしてはデカいな、でもそれがカッコいいかも――という人気を獲得していった。なにせ、ほんの数年前までのビッグバイクと言えば、レーサーレプリカたちや、Z1やカタナ、CB750Fといった絶版旧車カスタムが人気だったからだ。
Z1の改カスタムのカッコよさと、水冷エンジン搭載という今っぽさ。それを考えれば、CB1000SFの太いフロントフォークやスイングアーム、ボリュームあるフューエルタンクは、1970年代の空冷絶版車に、1980年代のレーサーレプリカの足まわりを組む、といった人気カスタムバイクを好む層にドンピシャにヒットしたのだ。
それでも、ZEPHYRやXJR、といったCBのライバルに比べて、排気量は小さく、非力だという声もあった。それが、プロジェクトBIG-1を次の段階に押し上げていった。
ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)各部装備・ディテール解説

CBR1000F系の水冷4気筒エンジンをむき出しのネイキッドスタイルに搭載したCB1000SF。前後18インチのラジアルタイヤ、Φ43mmの正立フォーク、Φ310mmのディスクローターや極太のサイレンサー、アルミスイングアームなど、軽量コンパクトさより、強さ、太さを表現したスタイリングだった。

CBR1000Fのフルカバードボディに隠れていた水冷並列4気筒エンジン。この、エンジンが威張った存在感がプロジェクトBIG-1のスタート。CBRのエンジンから、シリンダーやヘッドにマットブラック仕上げとされた。

開発陣が考える「太い走り」のために、大径フロントフォークや極太パイプフレームが選定される。前後18インチタイヤは、当時イギリス・エイボンしか選択肢がなく、そのままエイボンが純正採用されたという。

外装パーツで一番デザインに力が入ったというフューエルタンク。力を抜いた強靭な筋肉、がイメージで、どことなくCB1100Rのイメージも見え隠れする。そのため容量は23Lとなり、ロングツーリングにも対応。

2眼メーター、丸ヘッドライト、大きなウィンカーにダブルホーンという組み合わせは、これぞバイク、これがホンダ、という端正さに仕上がっている。
フォークボトムにクイックリリース機構を備えるΦ43mmのカートリッジ式フォーク。大径ブレーキローターや3本スポークホイールも当時の人気アイテム。
ホンダ「CB1000 SUPER FOUR」(SC30)主なスペック
全長×全幅×全高 | 2220×785×1130mm |
ホイールベース | 1540mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 260kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 998cc |
ボア×ストローク | 77.0×53.6mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 93PS/8500rpm |
最大トルク | 8.6kgm/6000rpm |
燃料タンク容量 | 23L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27° |
トレール量 | 111mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70R18 59V・170/60R18 73V |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格(1992年当時) | 92万円(消費税別) |
文:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸、松川 忍