文:中村浩史/写真:島村栄二
ホンダ「CT125・ハンターカブ」解説
性能アップ目的じゃない。ホンダからの贈り物です
超絶人気のCT125ハンターカブがモデルチェンジ。ニューエンジン搭載――というとなんだか早々とモデルチェンジしてしまったかに思えるが、変更内容は新規排出ガス規制への対応のため。さらに車両重量も2kgほど軽量化されているが、これも性能向上が目的のものではないのだろう。
新エンジンはボア×ストロークを従来の52.4×57.9から50×63.1へとスモールボア×ロングストローク化、燃焼効率を変更して排出ガスを浄化している。結果、最高出力も8.8PSから9.1PSへと向上したが、これはそう大きな変化だとは感じないもの。むしろ2次減速比がロング寄りに変更されたことで、出足のダッシュより最高速度域のエンジン回転数が下げられている方が分かりやすい。
さらにリアサスにイニシャル調整機構が追加され、リアキャリアにもボックスなどが取り付けしやすいビス穴が新設されていることが、二次減速比の変更とともに、ハンターカブの使われ方をよくわかっているチェンジ内容だ。
細かな変更を積み重ねて、価格は据え置き。ホンダからハンターカブファンとファン予備軍への贈り物なのだ。
ホンダ「CT125・ハンターカブ」カラーバリエーション(3タイプ)
ホンダ「CT125・ハンターカブ」ライディングポジション・足つき性
ライダーの身長・体重:178cm・80kg
シート高は800mmと、170cmくらいの身長で足つきに不安はない。とはいえ車両重量が118kgと軽量なため、さらに小柄なライダーでも不安はないだろう。
ホンダ「CT125・ハンターカブ」の各部装備・ディテール解説
新旧モデルの比較
〜2022
写真下のマットアーマードシルバーメタリックは2023年モデルのみのボディカラー。他の識別点は、エンジンの違い、リアサスのイニシャル調整機能の有無、ダウンチューブパイプが左右連結されているかどうか――といったところ。車両価格は新旧とも同じだ(税込価格:44万円)。
2023〜
ホンダ「CT125・ハンターカブ」主なスペック・製造国・価格
全長×全幅×全高 | 1965×805×1085mm |
ホイールベース | 1260mm |
最低地上高 | 165mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 118kg |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC2バルブ単気筒 |
総排気量 | 123cc |
ボア×ストローク | 50.0×63.1mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 6.7kW(9.1PS)/6250rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/4750rpm |
燃料タンク容量 | 5.3L |
変速機形式 | 4速リターン |
キャスター角 | 27°00' |
トレール | 80mm |
タイヤサイズ(前・後) | 80/90-17M/C 44P・80/90-17M/C 50P |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク(ABS)・シングルディスク |
製造国 | タイ |
メーカー希望小売価格 | 44万円(消費税10%込) |
文:中村浩史/写真:島村栄二