文:中村浩史/写真:島村栄二
CASE #1 アウトドアギアとしてのハンターカブ
ついついオフロードに行きたくなる!
スーパーカブをベースにトレッキング性能を持たせたのがハンターカブ。ならばオフロードに出かけよう! 泊まりでなくてもいいさ近くの河原に出かけよう!
ハンターカブが一台あるとどこへでも行けそうな気がする
ハンターカブが似合うシーンや景色は何か――。街中でもいいし、海や山など郊外の自然の中でもいい。
ハンターカブが一番使われるシチュエーションは何か――。走りに行く、遊びに行く、毎日のアシに使う。
つまりハンターカブは、いつでもどこでも、誰にでも似合うオートバイだ。だからしばらく一緒に暮らしてみる。それが、いちばんオーナーに近い目線だし、オーナー予備軍のみんなが気になるところなのだから。
まずは最初に、やっぱりアソビに使ってみた。ハンターでの遊びで真っ先に思いつくものは? と問われると、やっぱりアウトドアだろう。ホンダもハンターカブのイメージ戦略にキャンプ風景をふんだんに使っていたし、ハンターカブのギアっぽさあるスタイリングは、やっぱり大自然の原色の組み合わせによく似合う。
もともとハンターカブは、1961年登場の初代ハンターことトレール50時代から、アメリカでの狩猟や広大な農園管理、釣行やキャンプといった趣味領域まで活躍フィールドを広げるスーパーカブ、という意味で誕生したもの。
CT125も、スーパーカブC125をベースに、行動範囲を広げる車体と様々なシーンで走りが楽しめるエンジンを持たせた。
C125比でホイールベースを+10mm、シート高を+20mm、最低地上高を+40mmとして、フロントフォークストローク量を+10mm、前後にワイヤースポークホイールを専用設計し、セミブロックタイヤを履かせた。今回の撮影で積載したシートバッグは約15kg。ライダー込み100kgに届こうとする重量に、ハンターカブはびくともしなかった。国道からテントを張った河原までのダートでも、よく動くサスペンションとセミブロックタイヤが恐怖心を抱かせない。
ハンターカブが一台あると、オンロードを走ってオフロードに踏み入る勇気が湧いてくる。これが、ホンダがハンターに与えた行動範囲なのだなぁ。
CASE #2 普段使いとしてのハンターカブ
デートだってハンターで行くぜ!
ちょっとシャレオツなカフェにバイクで乗り付けるのって勇気がいる。けれどハンターカブならだいじょうぶ!「バイク村の住人」以外だってオッ、ハンターだ、って一目置いてくれるぞ。
月刊オートバイでもおなじみ、モデルでライダーでプロ雀士で初代ミニスカポリスの福山理子。初代ハンターカブ発売を知るや、レッドとブラウン、2色とも購入してしまったハンターオーナー!
125ccならではのメリットとノークラッチのイージーさ
遠くまで行かなくたって、キャンプしなくたって、ハンターカブの守備範囲は広い。それは、街中のチョイ乗りやおつかい、アシ変わりでもだ。
もともと、ハンターカブのベースであるスーパーカブは「人々の生活に役立つ喜びの提供」を目指して生まれたもの。そのために、軽快に取り回しのできる車体、安心の操縦性能、優れた居住性、簡単な操作で運転できるオートバイに仕上げられている。
だから、ちょっとそこまで、徒歩以上クルマ未満な範囲だって、スーパーカブのメインステージなのだ。
街中の移動と言えば、ハンターカブには2つのメリットがある。
ひとつは原付二種に相当するハンターカブは、まわりのクルマの流れに合わせて時速60km/hまでのスピードで走ることができる、ということ。これはまず、原付一種と呼ばれる50ccとの大きな違いとして知っておきたい。
一般道を普通に走っていて、遠慮しながら50km/hで走っていると、50ccモデルでは20km/hオーバーの速度違反で切符を切られてしまうのだ。
もう1点は、クラッチ操作なしで運転できる自動遠心クラッチという歴代スーパーカブファミリーならではの強みがあるということ。このため、ハンターカブは小型AT限定免許でも乗ることができる。
初めて自動遠心クラッチに乗って驚くのは、ギアチェンジのイージーさと、基本的にエンストしない、ということ。ここも、ビギナーの支持を集めている大きな理由だろう。
街中をのんびりと、しかもまわりの交通流れに乗って走ることができるハンターカブ。ここまで人気モデルになると、特にバイクに詳しくない人でも、ハンターカブを認識しているケースも多いから、ちょっと鼻高々でカフェに乗りつけるのだって可能。
入り組んだ路地裏のカフェにだって、小回りの利くハンターカブは、悠々と乗りつけられるのだ。
CASE #3 通勤通学バイクとしてのハンターカブ
ハンターで通勤すれば人生がかわります
いつも満員電車に揺られて出勤、くたびれていくお父さんが家を出て、バスで駅までそれから電車。
それ、ハンターでやってみない? 新しい発見だらけで、人生変わっちゃうよ!
ハンターカブで通勤するときっと人生が変わります
まだ完全終息の気配がないコロナ禍で、バイクでの通勤通学がクローズアップされたことがあった。三密を避けましょう、人混みの場所には近寄らないようにしましょう――けれど会社や学校には行かねばナラヌ、ならば満員電車とバスを使った公共交通機関を避けて、クルマは大渋滞するから、バイクで通勤通学しよう、という動きだった。
今回はこれも実験してみた。もちろん、人それぞれ通勤環境はあるけれど、筆者の自宅から編集部までは、徒歩5分でバス停へ、バスで最寄りの駅まで20分、それから電車で約50分。ドアtoドアで約1時間半はかからないという、実に平均的な通勤スタイル、かな。
これをハンターカブで済ませると、ドアtoドアで約40分! もちろん、晴れの日ばかりじゃないし、帰りに一杯やってくか、なんてことができなくなるけれど、通勤時間帯の超満員電車にギュウギュウにならずに済むし、まわりの人の咳払いに敏感になることもなく、心理的負担が軽くなるものだ。
ではその場合のコストはどうか。自宅→編集部の距離は約25km。実際の通勤スピード域で走ってみると、約60km/Lの実測燃費をマークすることが出来たから、自宅→編集部の1往復では0.8Lのガソリンしか使わない!
近所のスタンドでレギュラーガソリンが約150円/Lだったから、1往復120円でこなせる、という計算。ハンターカブは5.3Lタンクだから、約6往復で給油しなくちゃならないけれど、給油の手間なんか安いものだ。
ちなみにバスと電車で通った場合、その交通費はバス代が220円×往復、電車代が410円×往復で、1往復1260円もする! あれ、こんなに払ってたか(笑)。120円vs1260円、約10倍もの圧倒的大差だ。
もちろん、このためには税込44万円、乗り出し約50万円のハンターカブ購入コストもかかるけれど、計算上では438往復、2年と少しで購入資金も捻出できますよ、おとーさん達!