文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
スズキ「バーグマンストリート125EX」インプレ(太田安治)
スムーズで快適な乗り味のラグジュアリー原付二種スクーター
コストパフォーマンスの高さと信頼性で人気を集めているスズキの125ccスクーター。2022年12月にスタンダードモデルのアドレス125、スポーティーなアヴェニス125が揃って登場、2023年3月にはバーグマンストリート125EXが追加されて3車種展開となった。
最後発となるバーグマンストリート125EXのキャラクターは気になるところだが、試乗後に口をついて出たのは「3車種の中で、もっとも優雅なスクーター」という言葉だった。
走り出した瞬間に気付くのが加速特性の違い。低めの回転で遠心クラッチが繋がってスムーズに動き出し、40km/hあたりまでは力強い加速感。40~60km/hあたりではECUとオートマチック変速の設定がアドレス/アヴェニスと異なるようで、レスポンスが穏やかになってスクーターで多用するスロットル全開/全閉を繰り返す雑な操作でも加減速Gの変化が優しい。フル加速時の吸排気音が抑えられていること、クルージング中の振動が少ないことも特長で「隙あらば前に!」というものではなく「流れに任せてゆったり」という乗り方に合った特性になっている。
ハンドリングは低中速域での直進安定性に優れたもので、コーナリング中に路面の凹凸を越えても車体が弾かれる量が少なく、乗り心地もいい。これは長めのホイールベースとリア12インチホイールの効果。乗り心地へのこだわりが感じられるところだ。
もうひとつ優しさを感じたのがライディングポジション。フロアボードの形状がフラットで左右幅(約45cm)も前後長(最大で約65cm)も大きく、足を置く場所の自由度が抜群に高い。さらにフロアボード前側にフットボードが繋がっているので、足を前側に投げ出す姿勢も取れる。シートの長さと併せ、体格を問わずにリラックスした姿勢が取れる。
スズキ車初のアイドリングストップ機構は停車→エンジン停止、スロットルを開けてからエンジン始動→発進までのタイミングが実に自然。セル始動時の音も小さく、設定をオフにしたくなるようなことはなかった。
テールボックスが簡単に装着できる頑丈なキャリア、多彩な情報を表示する液晶メーター、USBソケット内蔵のフロントボックスなど、装備も万全。欲を言えばトランクスペースにフルフェイスが収まるようにして欲しいが、乗り心地と足つき性のことを考えると納得できる。この内容で31万円台というのも「さすがスズキ!」である。
スズキ「バーグマンストリート125EX」カラーバリエーション
ボディカラーのバリエーションは全3色。
パールムーンストーングレー(YWC)
パールミラージュホワイト(YPA)
マットブラックメタリックNo.2(YKV)
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