文:ノア セレン、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
ホンダ「リード125」インプレ(ノア セレン)
実用車の枠を超えた力強くスムーズな走り!
先代からほとんど見た目は変わっていないのに、4バルブの「eSP+」エンジンを搭載し、ライバルを突き放す水冷エンジン車の強みを更に進化させたリード125。エンジンの静かさ、スムーズさ、そしてゼロ発進からの確かなダッシュだけでなく、巡航スピードからの再加速も、そして最高速も、動力性能についてはもうとにかくブッチギリである。
それもそのはず、出力こそ11PSに抑えられているものの、eSP+エンジンはあのPCXと同系列、そして車重はPCXよりも17kgも軽いのだ。余談だが、実は開発者も同じ人で、このリードは絶対王者PCXの実用バージョン、ある意味兄弟車と言っても差し支えないバイクなのだ。
確実にライバルの上を行くエンジンの他に、実用車としての充実の装備は伝統の「リード」の名に恥じないもの。シート下スペースはヘルメット2つ(カタチによるが)を飲み込む37L容量だし、フラットフロアやコンビニフックなど、日常使いに便利な機能は標準装備。加えてアイドリングストップ機能や、タイプCのUSBソケット、スマートキー、さらに後付けのボックスをそのまま装着するための穴まで備えたリアキャリアなど、価格相応の手厚い構成をしているのだ。
またがった時の姿勢は、ステップボード形状が足を前方に投げ出せないもののため、必然的に背筋を伸ばした優等生ポジションとなる。もう少しリラックスして乗りたいような気もしたが、この優等生ポジションゆえのバイクとの一体感があることにも気づくと、実用車かと思っていたリードが途端にスポーティに感じられる。着座位置が適度にフロントにも荷重できるポジションに落ち着くため、コーナリングも面白いように決まるし、渋滞路でのチョコマカした動きでも積極的にコントロールしやすいのだ。
水冷4バルブエンジンで、価格的にもライバルよりワンランク上のリードだが、日常的に流れの速い幹線道路を使った長距離通勤をする人にとってはこのスムーズさと上質感、圧倒的な動力性能はもちろんのこと、水冷ゆえのオイル交換インターバルの長さなど維持管理においても有利な場面が多いだろう。
移動手段としてだけでなく、ツーリングやタンデムに使いたい人にとっても、収納力や快適性に加え、意外なスポーツ性を楽しめる場面が多いはず。実用スクーター枠にとどまらない魅力のある一台だ。
ホンダ「リード125」カラーバリエーション
2023年モデルのカラーバリエーションは、全4色。このうち「マットギャラクシーブラックメタリック」のみ税込33万円で、そのほかの3色は税込32万4500円となる。
【アンケート】あなたはどのカラーが好きですか?
お好きなカラーをポチっとお選びください。投票後、集計結果をご覧いただけます。
ご投票ありがとうございました。