モーターサイクルショー2023でも実車展示されていたホンダの次世代電動コミューター、EM1e:がいよいよ市販される。今回は法人向けリース方式ではなく、完全な個人向けの販売だ。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:梅本まどか

ホンダ「EM1 e:」特徴

画像: Honda EM1 e: 原動機種類:交流同期電動機 一充電走行距離:53km(30km/h定地走行テスト値) シート高:740mm 車両重量:92kg 発売日:2023年8月24日(木) 税込価格:29万9200円(車両本体・バッテリー・充電器を含む価格)

Honda EM1 e:

原動機種類:交流同期電動機
一充電走行距離:53km(30km/h定地走行テスト値)
シート高:740mm
車両重量:92kg

発売日:2023年8月24日(木)
税込価格:29万9200円(車両本体・バッテリー・充電器を含む価格)

バッテリー、充電器が付属したお値打ち価格

今後ますます厳しくなる排出ガス規制に対応することが難しく、存続が危ぶまれている原付一種モデル。その未来を担う存在として、今後の普及が期待されている原付一種相当のEVだが、ホンダが初の一般向け販売モデル「EM1 e:」の詳細を発表した。

簡単に着脱が可能な「モバイルパワーパックe:」1個を動力源とするこのスクーターは、1回の満充電で53km(30km/h定地データ)の航続距離を実現。都市部をメインとしたステージでのデイリーユースであれば、1日1回の充電で足りる仕様となっている。

スタイリングは水平基調のモノフォルムで、スッキリした、クリーンなイメージでまとめられている。気になる価格は、モバイルパワーパックe:と専用充電器が1個ずつ付属して29万9200円に設定。本格的な普及を狙った大バーゲン価格だと言えるだろう。

ホンダ「EM1 e:」ライディングポジション・足つき性

シート高:740mm
ライダーの身長:164cm

画像: ホンダ「EM1 e:」ライディングポジション・足つき性

ポジションはオーソドックスな原付スクーターのもので、フラットフロアに両足を揃え、背筋を伸ばしたスタイルで乗車する。EVらしくマフラー等がなく、車体がスリムなので足つき性は良好。

ホンダ「EM1 e:」各部装備・ディテール解説

画像: 既存のバイクユーザーでもすぐ馴染めるよう、ボディサイズはあえてバイクらしさを大事にして、Dio110に近い大きさに設定。

既存のバイクユーザーでもすぐ馴染めるよう、ボディサイズはあえてバイクらしさを大事にして、Dio110に近い大きさに設定。

画像: 反転表示液晶のメーターはベンリィe:などと同タイプ。走行モードはスタンダードと、電力消費を抑えるECONモードを用意。

反転表示液晶のメーターはベンリィe:などと同タイプ。走行モードはスタンダードと、電力消費を抑えるECONモードを用意。

画像: シート下に動力源としてモバイルパワーパックe:1個を搭載。その後ろのスペースには小物を置けるスペースも用意される。

シート下に動力源としてモバイルパワーパックe:1個を搭載。その後ろのスペースには小物を置けるスペースも用意される。

画像: フロントには12インチを採用。ディスクブレーキで、前後連動のCBSも装備されている。タイヤはチェンシン製。

フロントには12インチを採用。ディスクブレーキで、前後連動のCBSも装備されている。タイヤはチェンシン製。

画像: リアサスペンションは2本ショック、リアホイールは10インチ。駆動はインホイールモーターで行う。センタースタンドは標準装備。

リアサスペンションは2本ショック、リアホイールは10インチ。駆動はインホイールモーターで行う。センタースタンドは標準装備。

画像: 上下2眼の異形LEDヘッドライトと、それを囲むように取り巻くポジションランプが愛らしいフロントマスクを形成。

上下2眼の異形LEDヘッドライトと、それを囲むように取り巻くポジションランプが愛らしいフロントマスクを形成。

画像: 500mlのペットボトルを置けるポケットを左側に、右側にはUSBソケットとシャッターキーを装備。コンビニフック、ヘルメットホルダーも備わっている。

500mlのペットボトルを置けるポケットを左側に、右側にはUSBソケットとシャッターキーを装備。コンビニフック、ヘルメットホルダーも備わっている。

画像: シートは肉厚で座り心地の良いもの。同時発売される欧州ではタンデムOKなため、座面自体は原付一種としては広い。

シートは肉厚で座り心地の良いもの。同時発売される欧州ではタンデムOKなため、座面自体は原付一種としては広い。

画像: 横型デザインのリアコンビネーションランプの周囲をブラックアウトすることで、ボリューム感を減らしてリアまわりをスッキリ見せている。

横型デザインのリアコンビネーションランプの周囲をブラックアウトすることで、ボリューム感を減らしてリアまわりをスッキリ見せている。

ホンダ「EM1 e:」開発者インタビュー

画像: 後藤 香織 氏 本田技研工業株式会社 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ 電動事業開発統括部 電動開発部 二輪商品開発課 アシスタントチーフエンジニア

後藤 香織

本田技研工業株式会社
電動事業開発本部
二輪・パワープロダクツ
電動事業開発統括部
電動開発部 二輪商品開発課
アシスタントチーフエンジニア

毎日を便利に変えてくれる1台です

このEM1e:は、毎日の便利な足として幅広い層の方々にお使いいただけるよう、取り回しのいいコンパクトなサイズに仕立てています。ただ、従来の原付スクーターのお客様にも違和感なく乗っていただくために、サイズを小さくし過ぎない、ちょうどいい大きさとしています。

使い方としては、通勤や通学に使いながら、帰りにちょっとしたお買い物などで寄り道をしても、途中で充電の必要に迫られないぐらいの航続距離を想定しています。原付一種モデルをご愛用下さっている方だけでなく、学生さんにも乗っていただいて、このモデルをきっかけに二輪の楽しさを知っていただけたら嬉しいです。ぜひ乗って、毎日を楽しんでください。

ホンダ「EM1 e:」主なスペック・製造国・価格

全長×全幅×全高1795×680×1080mm
ホイールベース1300mm
最低地上高135mm
シート高740mm
車両重量92kg
原動機形式・種類EF16M・交流同期電動機
定格出力0.58kw
最高出力1.7kW(2.3PS)/540rpm
最大トルク90N・m(9.2kgf・m)/25rpm
動力用バッテリーHonda Mobile Power Pack e: 1個
タイヤサイズ(前・後)90/90-12 44J・100/90-10 56J
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・ドラム
製造国中国
メーカー希望小売価格車両・バッテリー・充電器のセット:税込29万9200円
車両のみ:税込15万6200円
Honda Mobile Power Pack e:(バッテリー):税込8万8000円
Honda Power Pack Charger e:(充電器):税込5万5000円

ホンダ「ベンリィ e:」「ジャイロ e:」「ジャイロキャノピー e:」の販売について

画像: ホンダ「ベンリィ e:」「ジャイロ e:」「ジャイロキャノピー e:」の販売について

ビジネスモデルも一般市販!

EM1e:が一般向けに市販されるのに合わせて、同じモバイルパワーパックe:を動力源に使用するベンリィe:、ジャイロe:、ジャイロキャノピーe:のビジネスEVシリーズも一般販売を開始することが発表された。

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸/モデル:梅本まどか

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