文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
ヤマハ「YZF-R125」vs スズキ「GSX-R125」それぞれの特徴
バイクを操る醍醐味を全身で堪能できる2台
通勤、通学と言ったデイリーユースが中心の125ccクラスにあって、販売の中心はやはりスクーター。近年のレジャーモデルの大ヒットもあり、マニュアルミッション車も増えてはきているが、スポーツモデル、特にフルカウルを備えたスーパースポーツモデルはその数も少なく、これまではスズキのGSX-R125と、KTMのRC125ぐらいしか販売されていない状況が続いてきた。
そんな125ccスーパースポーツという希少なカテゴリーに、ヤマハが投入するのがYZF-R125。その名の通り、YZF-Rシリーズの最小排気量モデルだ。
これまでR125は欧州を中心に販売されてきたが、いよいよ日本でも楽しめる時がやってきたわけだ。兄貴分のYZF-R7そっくりのスタイリッシュなフォルムを採用、エンジンはOHC4バルブだが、可変バルブタイミング機構・VVAを搭載、パワーはクラス上限の15PSを発揮する。
すでに市販予定車として、モーターサイクルショーでも実車が展示されたが、欧州発売モデルとは仕様が少し異なるようで、市販予定車は倒立フォーク、フロントブレーキキャリパー、メーターなどの装備が、インド生産のYZF-R15と同様のものが採用されている。日本の公道で乗れる日が待ち遠しい。
一方、これを迎え撃つ王者・GSX-R125も着実な進化を遂げている。GSX-Rシリーズらしいスタイリングや高回転まで回して楽しめるDOHCシングルエンジンなどは従来通りだが、2022年モデルから令和2年国内排出ガス規制に対応。一部マフラー形状が変わっているが、本来の伸びやかさなパワー、軽快なハンドリングに遜色はナシ。高回転をキープしてパワーバンドをキープ、シフトワークを駆使しながら操る悦びを堪能する、フルサイズ車ならではの醍醐味に満ちている。