カワサキ「ボイジャー」の歴史
GTR誕生で短命に終わったボイジャーはのちにZEPHYR1100に転生!
ホンダ・ゴールドウイングのライバルモデルとして、いち早く呼応したのがヤマハとカワサキだった。ヤマハがベンチャーシリーズを発表した1983年、カワサキもボイジャーシリーズを発表。初期モデルは、Z1300の水冷並列6気筒エンジンを転用したツアラーだった。
ホンダのCBXとともに「6気筒エンジン」としてセンセーションを浴びたZ1300は、やはりそのウルトラスムーズなエンジン特性が評価されたモデルで、その特性を生かすべく、ボイジャーに搭載されたのだろう。
しかし1986年には、専用設計の4気筒エンジンに変更。6気筒のスムーズさよりも、軽量化やバランスのいいパワー特性を狙っての変更で、ボディサイズはひと回り小さくなり、車両重量も60kg以上の減量を果たしていた。
しかしこの頃、カワサキはGPZ1000RXのエンジンを使用した1000GTRコンコースも併売していたため、ゴージャスすぎないツアラーとしてコンコースにも人気が集まり、ボイジャーは1990年に生産を終了。
ボイジャーの1200ccの水冷4気筒エンジンは、冷却方式を空冷に変更し、クランクケースを共用して空冷4気筒1100ccへとモディファイ。その新エンジンを搭載したのが、1992年に発売されたゼファー1100である。
文:RIDE編集部