純正ルックスを生かし今回は発電系を充実化
いわゆるスペンサーカラーで仕立てた外装に、FC純正のブーメランコムスターホイールを履いたナナハンのCB-F。
「ホイールに同じFCがベースです。元々は他のショップさんで購入されて、エンジンオーバーホールもされたそうです。その後当店に来られるようになって、そこからあとのメンテナンスはうちでやっていただいてます」と、TTRモータースの林さん。
「あんまりやり過ぎないで、CB-Fが現役だった’80年代初頭当時の香りをしっかり残した車両という感じで乗り続けていますよね」と続けてくれる。きれいな外観やまとまりはオーナーの好みも反映されながら、きちんと整備を行ったおかげと言える。
ただ、それだけでは話は終わらない。そんなノーマルプラスアルファ的なルックスの中に、TTRモータースではメンテナンス以外の手もしっかりと仕込んでいた。
「フロントブレーキキャリパーは純正の片押し2ピストンですけど、当店オリジナルのアルミキャリパーピストンを組んでいます。キャリパーボディと同じ素材で膨張率を合わせて、カチラスコート仕上げで鳴きも減りますしタッチも良くなる。イージークラッチキットもそうですね。CB-Fのクラッチは重いんですけど、ボルトオンで23%の操作力軽減ができる。
こんなふうに、当店で新商品を作るごとにそれを付けてもらっているんです。一番新しいのはCB-F/R専用ジェネレーターキット。今まではここに不良があったりしたらステーターコイルの巻き直しで対応していましたが、納期に時間がかかる。それなら最新パーツでキット化すればすぐ付けられるなと、作ったものです」
’22年秋に作られたジェネレーターキット、この車両がその装着1号車だった。カバーはアルミ削り出しだが、さらにその上に左側用パルサーカバーとデザインを揃えた鋳物製カバー(ここではガンコートブラック仕上げ)も付けられるため、この車両のコンセプトにもぴったり。もちろん機能面の向上も加わる。ただ先鋭化するのでなく、雰囲気は当時をキープする。TTRならではのこんなアップデート、見習いたい。
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Detailed Description 詳細説明
速度計内に速度警告灯も備わったメーターや、鍛造ホルダーによるセパレート・アップハンドル、トップにエアキャップのついたφ39mmフロントフォークはいずれもCB750FC国内仕様の純正そのまま。フロントマスターシリンダーはNISSINのリザーバー別体式を使う。
外観はシルバー×ブルーラインのいわゆるスペンサーカラーで仕立てられる。外装品はいずれも純正。シートは張り替えを行っている。
エンジンはCB750FベースでCB1100R純正オイルクーラーやTTRイージークラッチキットを追加。ステップキットはオーヴァーレーシング製だ。
キャブレターはCRスペシャルをファンネル+ステンレスネット仕様で装着し、4-1メガホンタイプマフラー(メーカー不詳)を組み合わせている。
今回付けられたTTRモータース・CB-F/R専用ジェネレーターキット(16万8300円)。このアルミ鋳造トップカバー(単品1万9800円、シルバー仕上げ。ここではTTRでガンコートブラック仕上げ)の下にアルミ削り出しカバー(左上の尖った部分で分かる)があり、さらにその中にステーター、フライホイールが入る。キットにはMOS-FETジェネレーターも加わり、見た目レトロ、中身最新の発電系となる。
フロントフォークはCB750FC純正のφ39mmでフェンダー上にデイトナ製スタビライザーを装着。ブレーキは純正で、片押し2ピストンキャリパーにはTTRの「アルミキャリパーピストン30」を組んでいる。硬質アルマイト+カチラスコートで錆知らず、タッチも良化するパーツなのだ。
リヤも純正片押し2ピストンキャリパー+純正φ276mmディスク。スイングアームはCB-F純正をTTRでブラックのガンコートで仕上げている。
リヤショックはオーリンズ。ホイールはCB750FC純正の2.50-18/3.00-18サイズ・ブーメランコムスターを履く。