ホンダ「CL250」の開発メンバーの小数賀さんと山崎さんに開発時のエピソードを伺った。CLのベースとなったレブルの開発にも携わったおふたりが語る、CL開発に対する熱い想いにも注目だ。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、ホンダモーターサイクルジャパン
画像: 小数賀 巧 氏(左) 本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 ものづくり統括部 商品開発部 商品開発課 スタッフエンジニア 山崎翔大 氏(右) 本田技研工業株式会社 二輪・パワープロダクツ事業本部 開発生産統括部 商品開発部 商品開発課 アシスタントチーフエンジニア

小数賀 巧 氏(左)
本田技研工業株式会社
二輪・パワープロダクツ事業本部
ものづくり統括部 商品開発部
商品開発課 スタッフエンジニア

山崎翔大 氏(右)
本田技研工業株式会社
二輪・パワープロダクツ事業本部
開発生産統括部
商品開発部 商品開発課 
アシスタントチーフエンジニア

自由にバイクの楽しさを満喫できる仕上がり

画像: Honda CL250 2023年モデル 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 シート高:790mm 車両重量:172kg 発売日:2023年5月18日 税込価格:62万1500円

Honda CL250
2023年モデル

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:790mm
車両重量:172kg

発売日:2023年5月18日
税込価格:62万1500円

バイクを好きになるきっかけの1台にしたい

「スクランブラーですが、扱いやすく、シンプルで、お求めやすいバイクにしたい、というコンセプトはレブルと同じです」

そう語るのは、プロジェクトリーダー代行の小数賀さん。気軽に付き合えるクルーザーとして大ヒット中のレブルだが、CLもそんなレブルの美点を引き継いでいるという。

「今までのホンダ車とは違う、手に入れやすくて楽しいバイクというコンセプトは、レブルじゃなくてもできるよね、これをスクランブラーで実現できないかな、と考えたところからCLの開発がスタートしました」

画像1: 自由にバイクの楽しさを満喫できる仕上がり

乗り手に優しくて取っつきやすい、フレンドリーなモデルを造りたい。そのために、ユーザーの「こうだったらいいのに」という声にも耳を傾けたという。

「もっと乗り心地が良かったらいいのに、という声もありましたし、シートが開閉できたら便利だというご意見もありました。CLの開発にあたって大事にしたのは、乗り心地のいいバイクに仕上げること、そして、ヘルメットホルダーやETC車載器のスペース、開閉可能なシートなど、レブルにはなかった実用装備を用意する事でした」

乗りやすさの追求として、前後サスのゆとりあるストロークだけでなく、エンジンのセッティングも見直したという。

「今回CLにはCRF250Lのカムを使用しましたが、これはもっと低中域にパワーを振りたいね、ということで、たくさんテストする中で生まれたアイデアです」

乗りやすさだけでなく、スクランブラーらしいスタイルにもこだわったという。設計部門のまとめを担当した山崎さんが語る。

「まっすぐに伸びる、水平基調のシートのラインを大切にしたかったのと、カスタムなどでフレームがムキ出しになってもキレイに見えるようにしたくて、シートレールの溶接部位にまでこだわりました。ただ、日本のお客様はシート高も重視されますので、そうした要件を満たしながら、800mmを切るシート高を確保できるよう努力しました」

画像2: 自由にバイクの楽しさを満喫できる仕上がり

スクランブラーらしいフォルムの追求。そのために開発陣はフレーム形状だけでなく、タンクの造形にもこだわったという。

「ネイキッドモデルはタンクがオートバイの『顔』ですから、フォルムにこだわり、丸みのあるカタチに仕上げました。一方で、容量もしっかり確保するために、限られたスペースをとことん有効活用しています」

シンプルで美しく、乗り心地が良くて楽しい。CL250にはバイクを楽しんで欲しいという開発陣の想いが詰まっている。

「このバイクをキッカケに自分の可能性を広げていただけたら嬉しいです。『CLワールド』を楽しんでください(小数賀さん)」

「CLがバイクそのものを好きになっていただける『入口』になってくれたらと考え、プライドを賭けて造りました。ぜひ楽しんで、自分の世界を広げてください(山崎さん)」

画像: CLの開発コンセプトをイメージしたスケッチ。ライダーが等身大でつきあえる、シンプルだが飽きのこないバイクを目指している。

CLの開発コンセプトをイメージしたスケッチ。ライダーが等身大でつきあえる、シンプルだが飽きのこないバイクを目指している。

文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、ホンダモーターサイクルジャパン

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