ヤマハ「ナイケン GT」2023年モデルの特徴
EICMA2022(ミラノショー)で初公開された新型が国内でも登場
ヤマハの「NIKEN(ナイケン)」は2018年にデビューした、独自のLMW(リーニング・マルチ・ホイール)テクノロジーを採用する前2輪モデル。2019年には上級グレード「ナイケン GT」も発売された。
今回発表された新型「ナイケン GT」は、エンジン・フレームから一新している。"Evolution for high-end touring"をコンセプトに開発。長距離ツアラーとしての快適性と積載性を向上させている。
水冷DOHC4バルブ並列3気筒3気筒エンジンは、排気量を従来の845ccから888ccに拡大。クランクウェブの形状を変更し(クランク慣性モーメント8%増)、各種制御や吸排気系とマッチングを図りながらドライバビリティを向上。吸気ダクトとエアクリーナーの形状を最適化し、よりクリアなサウンドを実現したという。
フレームも新設計だ。スチール鋳造(ヘッドパイプまわり)・アルミ鋳造(リアブラケットまわり)・スチールパイプ(メイン部分)を組み合わせたハイブリッド構造で、メイン部分を中心に刷新。パイプ径やその取り回し、エンジン懸架点が見直された。
リアサスペンションのセッティングとアームリレイ(リンク)も見直された。リンクレバーとバネ下重量を最適化し、1名乗車時・2名乗車時どちらにおいても安定感と快適性が高められた。
電子制御スロットルにはAPSG(Accelerator Position Sensor Grip)を新たに追加。アシスト&スリッパークラッチ、3つのライディングモード、クルーズコントロールは前モデルから継続して採用。新型にはシフトアップとともにシフトダウンにも対応するクイックシフターが備わる。
メーターは大型7インチの高輝度TFTディスプレイを採用。スマートフォンとの連携が可能で、着信やメール受信、現在地周辺の天気の確認、音楽再生などが行なえる。さらにヤマハとGARMIN社が共同開発した二輪ナビアプリ「Garmin Motorize(TM)」(有料)をインストールすれば、ナビ機能も使用できる。
ボディカラーは新色の「ヤマハブラック(ブラック)」1色の設定。車両価格は税込220万円となる。全国の「NIKEN」取扱店で受注生産車として発売。予約の受付は2023年7月7日に開始された。
ヤマハ「ナイケン GT」2023年モデルの写真・動画
ヤマハ「ナイケン GT」2023年モデルの主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2150×875×1395mm |
ホイールベース | 1510mm |
最低地上高 | 150mm |
シート高 | 825mm |
車両重量 | 270kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒 |
総排気量 | 888cc |
ボア×ストローク | 78.0×62.0mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 85kW(116PS)/10000rpm |
最大トルク | 91N・m(9.3kgf・m)/7000rpm |
燃料タンク容量 | 18L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 20゜00′ |
トレール量 | 74mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70R15M/C 56V ・190/55R17M/C 75V |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 220万円(消費税10%込) |
まとめ:西野鉄兵